Y-12 (中国語:运-12 pinyin: Yun-12、英語:Harbin Yunshuji Y12)とは、中華人民共和国(中国)が生産する高翼双発の多用途ターボプロップ輸送機である。製造は黒竜江省のハルビンにあるハルビン飛機工業集団(HAMC)[1]。
中国が開発したY-11レシプロ双発輸送機の拡大改良型であり、原型機は1984年8月16日に初飛行し、12月には中国政府から型式証明を受領した。
体はY-11と同じく、高翼配置の主翼を持つ機体で、エンジン、機体ともデ・ハビランド・カナダ DHC-6に極めて類似している。主翼は半片持ち式のため、支柱により支えられている。胴体断面は箱形で乗客数はY-11が7名であったものが大型化されたことで17名へと増加した。また乗客のかわりに1,700-1,900kgの貨物を搭載することもできる。脚は引き込み式に改良された[1]。
エンジンはターボプロップエンジンに換装され、アメリカ製のプラット・アンド・ホイットニーカナダ PT6A-27を装着している。初期型は500軸馬力であったが、後期型は680軸馬力に出力が向上している。
2016年にはアメリカ連邦航空局(FAA)からも型式証明を受領し、米露を含む30ヶ国以上で運用されている[1]。様々な派生型が開発されており既に120機以上が生産され、中国国内以外にも南太平洋諸国などでコミューター路線に就航しているほか、軍隊で軽輸送機として導入されている。