みんなの意見は案外正しい The Wisdom of Crowds | ||
---|---|---|
著者 | ジェームズ・スロウィッキー | |
訳者 | 小高 尚子 | |
発行日 | 2009年11月21日 | |
発行元 | 角川文庫 | |
国 | アメリカ合衆国 | |
言語 | 英語 | |
形態 | 著作物 | |
ページ数 | 336 | |
コード | 978-4042977018 | |
|
『「みんなの意見」は案外正しい』(みんなのいけんはあんがいただしい)は2004年にジェームズ・スロウィッキーによって発売された本『The Wisdom of Crowds: Why the Many Are Smarter Than the Few and How Collective Wisdom Shapes Business, Economies, Societies and Nations(群衆の英知:なぜ多数は少数より賢いのか。群衆の英知はビジネス、経済、社会、国家においてどう表れるか)』の邦訳版である。
集団において情報を寄せ集めることで、その集団が出す結論は集団の中の個人の誰が考えるよりもよい結論を導くことができるという考えが書かれている。本書では複数のケーススタディを示すとともに、逸話を用いて議論したり、初等的な社会学や心理学などいくつかの分野の観点から群衆の英知に触れている。
最初の話では、カウンティフェアでの群集による雄牛の体重予想をまとめた平均値が、正味の体重とほぼ一致したというフランシス・ゴルトンの驚きのエピソードである(平均値はどんな牛の専門家による予想値よりも誤差が少なかった)。
本書は伝統的に理解されてきた群集心理学だけでなく、個々の決断による意見の多様性にも触れる。伝統的群集心理学での定説では、独立した個々の意見を集約すると、その決断や予測は、個々(専門家であろうとも)よりも良いものになることが、多くの統計サンプリングから浮き出してくる類似点である。このことは統計的観点からの議論が、本書の中で持たれている。
本書のタイトルは1841年にチャールズ・マッケイによって出版された『Extraordinary Popular Delusions and the Madness of Crowds(邦題:狂気とバブル ――なぜ人は集団になると愚行に走るのか)』の改変である。
ジェームズ・スロウィッキーは個々の判断より集団での判断が優れる場面を3つの型に分類して説明した。
この節の加筆が望まれています。 |
すべての集団が賢いわけではない。たとえばバブル市場では、狂っていたり統制のとれない投資家たちもいた。以下に並べる条件が、群衆の英知がよいものとなるために欠けない条件である。
本書にもとづいて、Oinas-Kukkonenは以下八つの群衆の英知を見いだした。
スロウィッキーは群衆の英知が駄目な判断をするケースも学んだ。集団の構成員が他人の意見を過剰に気にし、個々の考えを生まなくなった場合である。個々による決断や情報が妥当性を持たない場合、群集は一番賢い構成員の意見通りにしか振る舞わなくなる。
スロウィッキーは「独立した個人と賢い集団」、もしくは「過剰なつながり」という章で述べる。 「私たちはどのようにして独立性を失わないまま、情報なだれなしの交流ができるだろう」。 彼はこうすすめる。
ティム・オライリーはグーグル、ウィキ、ブログ、Web2.0の成功を群衆の英知の文脈において言及した。