いるか座V339星 | ||
---|---|---|
星座 | いるか座[1][2] | |
見かけの等級 (mv) | < 4.3[3] | |
分類 | 新星 | |
発見 | ||
発見日 | 2013年8月14.5843日[4] | |
発見者 | 板垣公一[4] | |
発見方法 | 画像分析[4] | |
位置 元期:J2000.0[4] | ||
赤経 (RA, α) | 20h 23m 30.73s[4] | |
赤緯 (Dec, δ) | +20° 46′ 04.1″[4] | |
他のカタログでの名称 | ||
Nova Delphini 2013[2] Nova Del 2013[1] PNV J20233073+2046041 |
||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
いるか座V339星は、2013年8月14日にいるか座の方向で発見された新星である。視等級で最大4.3等級という、かなり明るい新星となった[3]。
この新星は、協定世界時2013年8月14.5843日に日本の板垣公一によって18cm望遠鏡とCCDカメラを用いて発見された。発見時の明るさは6.8等級であった。13.565日までの画像では、13等級以下の明るさにおいて同じ位置での天体は撮影されていない[4]。
この新星の発見は日本での観測の後、ヨーロッパも夜を迎えた事で各地で観測された。ドイツの P. Schmeer による14.829日の観測では、双眼鏡での眼視観測で6.0等級に相当する事が分かり[4]、市街地でも小さな双眼鏡で容易に観測できる明るさとなった[5]。新星が肉眼で見えるほど明るくなったのは2009年のエリダヌス座KT星の5等級以来の発見である[6]。なお、エリダヌス座KT星の発見も板垣によるものである[7]。14.952日に日本の遊佐徹による観測ではV等級は6.66等級まで低下していたほか、B等級で6.72等級、R等級で6.32等級である事が測定された[4]。その後16.45日にはピークである4.3等級に達した[3]。その後は緩やかな減光に転じている[8]。なお各色指数の測定には視等級8.00等級の HD 193911 が基準とされた[9]。
イタリアの G. Masi らの分光観測によれば、この新星は-2300km/s相当の強いHαの輝線を示している。またイギリスのリヴァプール・ジョン・ムーアズ大学のグループは、はくちょう座P型プロファイル (P Cyg profile[10]) と呼ばれる波長の短い8.1Åが+2400km/sの吸収線、長い52.9Åが-2300km/sの輝線となり、ケイ素IIの-1100km/s、鉄Iの-1100km/s、ヘリウムIの-870km/sという輝線を持つスペクトルを見出した。これらは この新星が爆発直後の古典新星である事を示している。また、弱いナトリウムIDの吸収線も見つかっており、星間物質がナトリウムで飽和していない事を示している[1]。スウィフトによる14日23時4分から15日0時52分までの観測では、紫外線領域では極めて明るい天体だったが、X線領域ではその位置で天体を見出す事が出来なかった[2]。
なお、後の分析で、清田誠一郎によって14.50566日に同じ位置で7.2等級の明るさの天体が観測された事が判明している[5]。
等級 | 日時(2013年8月・UT) | |
---|---|---|
U等級 | 4.20 ± 0.02 | 16.85[9] |
B等級 | 4.85 ± 0.02 | 16.80[9] |
V等級 | 4.3 | 16.45[3] |
J等級 | 4.20 ± 0.02 | 15.86 |
H等級 | 4.09 ± 0.02 | 16.85[3] |
K等級 | 4.05 ± 0.02 | 16.85[3] |
L等級 | 3.84 ± 0.02 | 16.85[3] |
M等級 | 3.83 ± 0.04 | 16.85[3] |