『おしゃべり子ガモ』(The Duck Doctor 1952年2月16日)は、トムとジェリーの作品の一つ。
ある秋の日、数羽の渡り鳥・カモの群れが南へ飛び立っていた。そこにはまだ生まれて間もない子ガモもいた。そこへ猟銃を構えたトムが現れ、子ガモに向かって銃を撃つ。撃たれた子ガモは羽を負傷しうまく飛べず、落ちていく。それを見たトムは子ガモを捕まえようとするが、ジェリーが子ガモを自分の家に隠す。
ジェリーが傷ついた子ガモを起こすと早口で今までの事情を説明する。その子ガモは落ち着きのないおしゃべりで、危険を省みず子ガモの仲間たちに合流しようとする無謀な性格だった。怪我が完治していないため飛ぶことができない上、外では子ガモが諦めきれないトムが睨みを利かせている。子ガモはジェリーの制止も振り切って外へ飛び出し、そのたびにカモ笛で誘き寄せるトムに追い回されてはジェリーに面倒をかけさせた。
あまりにも学習しない子ガモに呆れたジェリーは子ガモの口を塞ぎつつ治療、今度は逃げられないように金床に結び付けた。しかし外でトムがまたカモ笛を吹くと、子ガモが重い金床ごと外へ飛び出して来た。
金床に轢き潰され怒ったトムは銃を乱射して、子ガモを捕まえようとする。ところが子ガモとロープで繋がった金床が脅威となり上手く太刀打ちできない。かたや子ガモは怪我のことなどすっかり忘れ、無我夢中で飛び立とうとする。するといつの間にか飛べるようになっていた。しかし、金床の重みのせいで高く飛ぶことができない。チャンスを狙ったトムは真下から銃を撃つが、銃弾は子ガモと金床を結び付けたロープを切断してしまい、落下した金床が頭上に命中。ついにトムの敗北に終わる。
何とかトムから逃げのびた子ガモはジェリーに別れを告げて仲間とともに南へ飛び立っていった。ジェリーもトムからかっぱらったカモ笛を吹きながら、子ガモに別れを告げるのだった。