こいこいは、2人で遊ぶ花札の競技の一つである。手札の花と場札の花を合わせてそれを自分の札とし、獲得した札で出来役を成立させて得られる得点を競う、「めくり」系のゲームであるが、札の点数を計算しないこと、「来い」による競技継続の選択があることなどに特徴がある。
他の花札ゲームに比べると、歴史はそう古くなく、一般に知られるようになるのは、1950年(昭和25年)頃になってからである。現在は花札のもっとも代表的な遊び方になっている。初めて書籍にルールが解説されたのは、1958年(昭和33年)に出版された『トランプと花札 その遊び方五十種』である。韓国の「ゴーストップ」は、1960年代末には知られ始め、1970年代半ば以降に普及したと考えられている。
戦前に神奈川県警刑事として、賭博捜査にあたっていた半澤寅吉の著書『賭博:花札・さいころ・イカサマ手口』には、こいこいの発祥は福島県会津地方で、発祥から数十年経った1928年(昭和3年)頃には東京方面に伝わったり、鉄火場(賭場)で「バッタ撒き」のような本勝負を行う前の気付賭博して行われたと書かれている。
1994年(平成6年)頃から、任天堂の八々花に「現代のこいこい」のリーフレットが付属されるようになった。
最終的な勝敗の決め方は、あらかじめ決められた得点以上を挙げた者を勝者とする方法と、競技を1月から12月までの12回行い、得点の多い者を勝者とする方法がある。
こいこいで一般的に採用される出来役は、以下の通り。点数は、任天堂サイト内のルール[1]。
役名 | 説明 | 点数 | 組み合わせ |
---|---|---|---|
五光 | 光札5枚。四光・雨四光・三光とは複合しない。 | 10点 | |
四光 | 光札のうち柳に小野道風を除く4枚。三光とは複合しない。 | 8点 | |
雨四光 | 光札のうち柳に小野道風を含む4枚。三光とは複合しない。 | 7点 | |
三光 | 光札のうち柳に小野道風を除く3枚 | 5点 | |
猪鹿蝶 | 萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚 | 5点 | |
赤短 | 松・梅・桜の短冊3枚 | 5点 | |
青短 | 牡丹・菊・紅葉の短冊3枚 | 5点 | |
たね | 種9枚のうち任意の5枚 | 1点 | |
たん | 短冊10枚のうち任意の5枚 | 1点 | |
かす | 任意のカス10枚 | 1点 |
このほかに、任天堂のサイトでは以下の出来役をオプションで認めている。
役名 | 説明 | 点数 | 組み合わせ |
---|---|---|---|
花見で一杯(花見酒) | 桜に幕・菊に盃の2枚 | 5点 | |
月見で一杯(月見酒) | 芒に月・菊に盃の2枚 | 5点 |
さらに、任天堂のサイトでは、以下の条件を満たす場合は得点を倍にするとされている。
その他、地域やグループによって異なる出来役が採用される場合がある。
手札を出し終えても出来役を得られなかった場合は(「こいこい」を宣言したまま追加の役ができずに終わった場合は含まない)、引き分けになり、点数は計算されないのが普通である。しかし、以下のどちらかの役になる場合がある。
任天堂のサイトでは、手札の中に以下の手役ができていたときは、6点をもらって、次のプレイに移るとしている。