すだれ(簀垂れ、簾)は、竹や葦などを編んで部屋の仕切りあるいは日よけのために吊り下げて用いるもの[1]。特に葦(ヨシ - アシの忌み言葉[2])を素材として編まれたものを「葦簀(葭簀、よしず)」という。
窓の外や軒先に垂らされ、日よけ、目隠し、虫よけなどの目的で使われる。夏の風物詩でもある。『万葉集』に秋の風で簾が動く様子を詠った短歌があり[3]、簾の歴史は少なくとも奈良時代まで遡る。
垂らして用いるものを「簾垂れ(すだれ)[1]」(あるいは「掛け簾」)、立て掛けるものを「立て簾(たてす)」と呼ぶ。特にヨシを素材として編まれた「葦簀(葭簀、よしず)」は夏季を中心に軒先などに立て掛けて使用されるものである。
カーテンやブラインド、スクリーン等が普及する中、使い勝手の良さや見た目の良さにより根強い人気を持ち、「洋風たてす」と呼ばれるものも販売されている。近代建築においては、エクステリアやインテリアの装飾品として使われることもある。
なお、すだれ状のものを商品等の包装用にしたものは包装用すだれと呼ばれる[4]。
御簾(みす)とは、特に緑色の布の縁取りなどをした簾のこと。「ぎょれん」とも読む。大名や公家などが部屋の中や外を分けるのに使われていた。その歴史は長く、小倉百人一首の人物描写にも「みす」が描かれている。清少納言の「香炉峰の雪は簾を掲げて見る」の逸話における簾(すだれ)は、御簾のことである。 神社で用いる御簾は、細く削った竹を赤糸で編み、縁を四方と内に縦に三筋附ける。本殿の御簾は鉤も鉤丸も外側に附けるが、それ以外は内側に附ける。かかげ方は、内巻に巻き上げると定められている[5]。
日本では1970年代頃までは日本国内産の比率が高かったが、河川改修などで材料となる葦の生育地が減少したことから中華人民共和国産の比率が高まった。
茶室の代表的な関東すだれは代萩、幅広い琵琶湖すだれは地よしが多く使用される。