とき | |
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E7系で運行の「とき」 (2021年1月 浦佐駅) | |
概要 | |
国 | 日本 |
種類 | 特別急行列車(新幹線) |
現況 | 運行中 |
地域 | 東京都・埼玉県・群馬県・新潟県 |
前身 |
特急「とき」「いなほ」「鳥海」 急行「佐渡」 新幹線「とき」[注 1]「あさひ」「Maxあさひ」「Maxとき」 |
運行開始 | 1982年11月15日(「あさひ」として) |
後継 | 新幹線「たにがわ」「Maxたにがわ」 |
運営者 | 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
旧運営者 | 日本国有鉄道(国鉄) |
路線 | |
起点 | 東京駅・越後湯沢駅・長岡駅 |
停車地点数 | 3 - 11駅(起終点含む) |
終点 | 新潟駅 |
営業距離 | 300.8 km(東京 - 新潟間)[注 2] |
平均所要時間 | 1時間29分(最速列車) - 2時間11分(各駅停車) |
運行間隔 | 1本 - 2本/時間 |
列車番号 |
号数+C 1000C+号数(新潟駅で特急「いなほ」に接続する列車) 8491C(491号) |
使用路線 | 東北新幹線・上越新幹線 |
車内サービス | |
クラス | グランクラス(一部列車除く)・グリーン車・普通車 |
身障者対応 | 7・11号車 |
座席 |
グランクラス指定席 グリーン車指定席 普通車指定席 普通車自由席 |
技術 | |
車両 | E7系電車(長野新幹線車両センター・新潟新幹線車両センター) |
軌間 | 1,435 mm |
電化 | 交流25,000 V・50 Hz |
最高速度 | 275 km/h |
備考 | |
2002年12月1日より「とき」の名称で運転[1]。 |
ときは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が上越新幹線の東京駅・越後湯沢駅・長岡駅 - 新潟駅間で運行している特別急行列車(新幹線)の愛称である。
本項では、上越新幹線で運転されていた列車および、首都圏と新潟県を結んでいた優等列車の沿革についても記述する。
新幹線の「とき」は、1982年11月15日に上越新幹線の各駅停車タイプの列車として運転を開始、速達タイプの列車は「あさひ」として運転を開始した。その後、1997年10月1日に東北・上越新幹線の列車名を運転区間別とする再編が行われ、東京駅・越後湯沢駅 - 新潟駅間の列車は速達タイプ・各駅停車タイプを問わず全て「あさひ」に、東京駅 - 高崎駅・越後湯沢駅間の列車は全て「たにがわ」となり、「とき」は一時廃止された[2]。
しかし、「あさひ」は「とき」の消滅と共に登場した長野新幹線(現:北陸新幹線の東京駅 - 長野駅間)の「あさま」と一文字違いで紛らわしく、利用客の中には高崎駅を過ぎたところで誤乗車に気付くなどのケースが多発した。またJRのみどりの窓口にある発券端末(マルス)には、社員の発券ミスを防ぐために漢字で「朝日」「浅間」と表示されていたほどであった。「とき」は新幹線開業前日まで上野駅 - 新潟駅間を運行していた特急列車の名称でもあり、さらには「佐渡島のトキ」という新潟県の県鳥かつ観光資源とも関係の深い名であったことなどから、新潟県内を中心に「復活」を求める声が廃止直後から強く、新潟県などの関係機関からもJR東日本に対し列車名を「とき」に変更するよう要請が行われた。このような経緯から、2002年12月1日のダイヤ改正で東京駅・越後湯沢駅 - 新潟駅間を運転する列車が「あさひ」から「とき」に変更され、「あさひ」は廃止された[1][3]。
なお、かつて存在した2階建車両(E1系・E4系)を使用する列車は「Maxあさひ」、列車名変更後は「Maxとき」の名称で運行されていた。
在来線では、1962年6月10日から1982年11月14日まで、上越線初の特急列車として「とき」が上野駅 - 新潟駅間を高崎線・上越線・信越本線経由で運転されていた。1972年10月にはエル特急に指定され、 1973年10月には13往復が運転され、上野駅・新潟駅の始発時刻は6時から18時台までほぼ1時間ヘッドで運転されるようになった。運行開始以来、約12年間は全列車に食堂車が連結されていたが、使用車両の置き換えに伴い1974年12月から食堂車のない列車が出現、1978年6月に全列車で食堂車営業を休止した。1982年11月の上越新幹線の開業によって廃止され、新幹線の名称として使用されるようになった。
また、「あさひ」は1960年から1982年まで仙台駅 - 新潟駅間を仙山線・奥羽本線・米坂線・羽越本線経由運転していた準急列車・急行列車の名称として使用されていた(「べにばな (列車)」を参照。)。なお、戦前には満州国で急行あさひが運行されていた。
上越新幹線の列車名の選考にあたっては、紀行作家の宮脇俊三、作家の佐藤愛子、当時の国鉄副総裁と旅客局長など計5名で選考した[注 3]。
「とき」は列車の運転開始当時、すでに特別天然記念物・国際保護鳥に指定されていた、佐渡島のトキ(朱鷺)にちなんだものである。新潟県内で親しまれていた列車名であったことから、地域に密着した列車となることを目指して命名されている。
「あさひ」は「朝昇る太陽」の明るいイメージがあり、初の列島横断新幹線である上越新幹線が日本海側に明るい光をもたらし、速達列車にふさわしいとして名付けられた。なお「べにばな」に改称した方の在来線の「あさひ」は、山形県の「朝日岳」にちなむ。
東京駅 - 新潟駅間での運転を基本としているが、越後湯沢駅 - 新潟駅間で1往復・長岡駅 → 新潟駅間で下り1本(土曜・休日運休)が設定されている。区間運転の列車は、新潟県内の通勤・通学の足として運行されている。最速列車の311・312号は羽田 - 庄内間の飛行機対抗列車も兼ねており、東京 - 新潟 - 酒田間を4時間以内で結ぶ。
開業以来、基本的に後続列車には追い越されないダイヤであったが、運転区間の変更や停車パターンの複雑化、更には北陸新幹線開業に伴い、例外も増えている。時には他の「とき」や北陸新幹線の列車を追い越す「とき」や(とき311号が高崎駅であさま605号、上毛高原駅で先発のとき309号を追い越す)、逆に北陸新幹線の列車に追い越される「とき」(とき331号が高崎駅でかがやき511号に追い越される)がある。
過去には増解結も行われており、高崎駅もしくは越後湯沢駅で「Maxたにがわ」と増解結する「Maxとき」があった(臨時列車では他にも設定があった)がE4系の撤退により廃止された。
また、2013年3月16日のダイヤ改正までは、東京駅 - 新潟駅間ノンストップの列車[注 4]が1往復設定されていた(Maxとき313号・314号)。所要時間は下りが1時間37分(東京駅9:12発 - 新潟駅10:49着)で[4]上りが1時間40分(新潟駅8:59発 - 東京駅10:39着)である[5]。下り「Maxとき」313号は東京駅を20分前に出発した「Maxとき」311号を高崎駅で追い越し、新潟駅へは25分も早く到着するのに対して、上り「Maxとき」314号は先行列車を追い越さない。これは、先発する「Maxとき」312号との間に36分の間隔が空いているためであった。2013年3月のダイヤ改正に伴い、大宮駅に追加停車される形でノンストップ列車は廃止された[6]。
また、2015年3月14日のダイヤ改正にて、唯一大宮駅を通過する列車であった「Maxとき」310号[7]が同駅に追加停車となったため、上越新幹線のみならず東北新幹線・北陸新幹線を含め、JR東日本の新幹線全列車が大宮駅停車となった。また、日中時間帯に運転されていた「たにがわ」の削減に伴い、これを補完する形で一部列車の停車駅を追加したが、2016年3月26日のダイヤ改正で、昼間の一部列車の停車駅が見直された。
2021年10月1日にE4系が撤退し、2階建車両で運転される「Maxとき」が廃止された。2023年3月改正でE2系も撤退し、同時に臨時列車で運転する「とき」号は原則2桁の号数が割り当てられ、全車指定席扱いとなる。但し、毎年8月2日・3日に「長岡まつり大花火大会」が開催される時には、輸送力を増強する観点から普通車全車自由席の臨時列車を長岡~新潟駅間で運転し、号数は「たにがわ」号と同じ400番台の号数が割り当てられる。また帰りの東京方面への臨時列車についても自由席を設定した列車が設定される[8]。
号数 | 下り本数 | 上り本数 | 東京駅 | 上野駅 | 大宮駅 | 熊谷駅 | 本庄早稲田駅 | 高崎駅 | 上毛高原駅 | 越後湯沢駅 | 浦佐駅 | 長岡駅 | 燕三条駅 | 新潟駅 | 備考 |
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300 - 347号 | 1 | 1 | ● | - | ● | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | |
0 | 1 | ● | ● | ● | ← | ← | ← | ← | ← | ← | ● | ● | ● | ||
1 | 0 | ● | ● | ● | → | → | ● | → | → | → | ● | → | ● | ||
2 | 2 | ● | ● | ● | - | - | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | ||
1 | 0 | ● | ● | ● | → | → | ● | → | ● | → | ● | ● | ● | ||
8 | 6 | ● | ● | ● | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ← | ← | ● | ● | ● | ← | ● | ● | ● | ||
1 | 1 | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | ||
3 | 1 | ● | ● | ● | ● | - | ● | - | ● | - | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ← | ● | ← | ● | ● | ● | ← | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ← | ● | ● | ● | ← | ● | ● | ● | ||
1 | 0 | ● | ● | ● | ● | → | ● | ● | ● | → | ● | → | ● | ||
2 | 4 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
2 | 1 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | ||
2 | 1 | ● | ● | ● | ● | - | ● | - | - | - | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ← | ← | ← | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ← | ● | ← | ● | ● | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ← | ● | ← | ● | ← | ● | ||
480・481号 | 1 | 1 | ● | ● | ● | ● | ● | 480号は1-4号車の自由席のみ乗車可。 | |||||||
491号 | 1 | 0 | ● | ● | ● | 土曜・休日運休。1-4号車の自由席のみ乗車可。 |
北陸新幹線金沢開業前は、鉄道で北陸方面に向かう場合、上越新幹線から越後湯沢ではくたか号に乗り継ぐルートが一般的であった。そのため当時は東京・大宮~越後湯沢間ノンストップの列車が5往復存在した。またE4系が現役だった当時は、東京~高崎(上り列車)・越後湯沢(下り列車)でMaxたにがわ号を併結する列車が存在した。
号数 | 下り本数 | 上り本数 | 東京駅 | 上野駅 | 大宮駅 | 熊谷駅 | 本庄早稲田駅 | 高崎駅 | 上毛高原駅 | 越後湯沢駅 | 浦佐駅 | 長岡駅 | 燕三条駅 | 新潟駅 | 備考 |
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300 - 352号 | 1 | 1 | ● | - | ● | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | 2013年3月ダイヤ改正までは大宮も通過していた。 |
0 | 1 | ● | ← | ← | ← | ← | ← | ← | ● | ● | ● | ● | ● | Max310号。新幹線では最後の大宮通過便。 | |
1 | 0 | ● | → | ● | → | → | → | → | ● | → | ● | ● | ● | 347号 | |
1 | 3 | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | - | ● | ● | ● | ||
3 | 1 | ● | ● | ● | - | - | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ← | ← | ● | ← | ← | ← | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ← | ● | ← | ← | ← | ● | ● | ● | Max300号。高崎~東京間でMaxたにがわ号と併結。 | |
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ← | ← | ← | ● | ● | ● | ||
1 | 0 | ● | ● | ● | ● | → | ● | → | → | ● | ● | → | ● | ||
2 | 1 | ● | ● | ● | ● | - | ● | - | - | ● | ● | ● | ● | ||
4 | 2 | ● | ● | ● | - | - | ● | - | ● | - | ● | ● | ● | Max325号とMax341号は東京~越後湯沢間でMaxたにがわ号と併結。 | |
5 | 6 | ● | ● | ● | - | - | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | Max350号は高崎~東京間でMaxたにがわ号と併結。 | |
1 | 1 | ● | ● | ● | ● | - | ● | - | ● | - | ● | ● | ● | ||
2 | 2 | ● | ● | ● | ● | - | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | Max338号は高崎~東京間でMaxたにがわ号と併結。 | |
0 | 2 | ● | ● | ● | ← | ← | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
1 | 0 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | ● | → | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ← | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||
0 | 1 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ← | ● | ● | ● | ● | ● | ||
1 | 0 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | → | ● | ● | ● | ||
4 | 2 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | Max349号は東京~越後湯沢間でMaxたにがわ号と併結。 | |
Max480・Max481号 | 1 | 1 | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||
Max491号 | 1 | 0 | ● | ● | ● | 土曜・休日運休 |
とき | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
← 東京 新潟 →
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JR東日本は新幹線の線区別に使用車両を統一する方針であり、上越新幹線はE7系に統一されている。「とき」はE7系の12両編成[注 5]が使用されている。グランクラスの営業も行われるが、専任アテンダントによる車内サービスはなく、全列車座席のみの営業である[注 6]。なお2012年9月28日まではE1系、2013年3月15日までは200系、2021年10月1日まではE4系、2023年3月17日まではE2系[注 7]も使用されていた。また2016年から2020年までは越後湯沢 - 新潟間の一部列車でE3系700番台「現美新幹線」が使用されていた。
(五十音順)