ジャンル | 恋愛シミュレーションゲーム |
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対応機種 |
ニンテンドーDS PlayStation Portable Nintendo Switch |
開発元 | コナミデジタルエンタテインメント |
発売元 | コナミデジタルエンタテインメント |
プロデューサー | 内田明理 |
ディレクター | 松岡功 |
シナリオ | 内田明理、田島あきこ、ちゃい、小松原里枝子 |
音楽 | 橋本彦士[1] |
人数 | 1人 |
メディア |
DS:DSカード PSP:UMD |
発売日 |
DS:2010年6月24日 PSP:2012年3月15日 Switch:2024年2月14日 |
対象年齢 | CERO:B(12才以上対象) |
売上本数 |
DS:165,682本[2] PSP:61,268本[2] |
『ときめきメモリアル Girl's Side 3rd Story』(ときめきメモリアル ガールズサイド サードストーリー)は、コナミデジタルエンタテインメント(コナミ)が2010年6月24日にニンテンドーDS向けに発売した女性向け恋愛シミュレーションゲーム。
キャッチコピーは、「女子のときメモ。」。
2012年3月15日には『ときめきメモリアル Girl's Side Premium 3rd Story』のタイトルでPlayStation Portable用ソフトとして発売された。また、2024年2月14日にはHD解像度化や高音質化が行われたNintendo Switch版『ときめきメモリアル Girl’s Side 3rd Story for Nintendo Switch』がダウンロード専用ソフトとして発売された[3]。
本作はシリーズ初の任天堂のゲーム機における完全新作となる。
『Girl's Side』シリーズの第3作。『ときめきメモリアル Girl's Side』から7年後のはばたき市、及びはばたき学園を舞台に学園の生徒として高校生活3年間を過ごし、卒業式の日に男性キャラクターから告白されるのがプレイヤーの目的である。
新しいシステムとして、男性キャラクターの特定の2名の組み合わせで主人公を奪い合う展開になる「三角関係モード」がある[4]。このときの主人公の行動によってエンディングが変わる。
また「親友モード」もあり、エンディング数が増えている。このためときめきメモリアルシリーズでおなじみだった爆弾がほとんど発生しない。
PSP版では、Live2Dによるアニメーションが導入された[4]。
7年後のはばたき学園では制服が変更されており、ゲーム中でも主人公たちは新制服で登場している。(主な変更は男子はズボンの色、女子はセーラー服からブレザー、体操服もマイナーチェンジしている)
三角関係およびW大接近といった新システムの導入により、シナリオの量が予想の倍になったためしんどかったと『Girls' Side』シリーズのプロデューサーを務めた内田明理は公式ページの座談会の中で振り返っている[8]。 内田は、琉夏と琥一のシナリオは家族や兄弟を題材とすることが最初から決まっており、かつ普段の生活の中で起こりうるつらい出来事を題材とする分インパクトのある話になることはある程度予感していたとしつつも、彼らのシナリオを手掛けているときは非常に重い気分になったとも話している[8]。 また、三角関係によるシナリオの分岐に際し、一方が不幸になったまま、退場するという事態を避けるため、内田と谷口で話し合い、分岐パターンを総当たりするなどして、内容を検討した[9]。
ADVイベントは、内田の提案によるものである[9]。 また、内田はADVイベントを導入したことにより、キャラクターの内面を語ることができ、物語やキャラクターに深みを与えることができたと述べている[8]。加えて、内田は、通常の会話では違和感のない流れにしつつも、適度に情報を入れなければいけないため非常に大変だったため、ADVイベントのほうが文字あたりの進捗スピードが大幅に速かったとも話している[8]。
当初、ADVイベントは、製品版で採用されたものとは別に、特定の日付になったら解放される形式が検討されていた[9]。 ところが、この形式では視点が分散するという難点があり、この時点ではADVイベントが受け入れられるか否かはっきりしなかったため、ユーザーが遊んでいて煩わしさを感じるおそれのあるものは排除しようという観点から、見送られた[9]。
主役の琥一のデザインには細心の注意が払われた[6]。 初期案における紺野は裸眼という設定だったが、眼鏡をかけたキャラクターが他にいなかったため、眼鏡が付与された[6]。 また、隠しキャラクターの平は特徴がないというコンセプトで作ったため、小松原は座談会の中で、平のデザインには苦労したとしつつも、汎用キャラクターを少し整えるイメージでデザインしたら意外と楽しかったとも話している[6]。 主人公の女友達であるみよは、目を丸く描くと無個性になるため、過剰なまでに目じりを上げて個性を出しつつも、サブキャラクターとして個性を出すよう注意が払われた[6]。
カレンは、歌劇団をモチーフとしつつも、少女漫画のような「素敵な先輩」として描くと非現実的になってしまうため、素敵な見た目に反しオッサンぽいキャラクターとして設定された[6]。 同様の理由から、カレンの髪型は劇団の男役のように、ボリューム感のある短髪に設定された[6]。
PSP版の制作は、ユーザーの要望がきっかけで行われた[10]。 PSPはDSよりも解像度と音質が良いことから、オリジナル版との区別化もかねて、2Dを3Dのように見せる「Live2D」が導入された[10][11]。 「アプローチモード」は、オリジナル版の「スキンシップ」の代わりとして導入されたシステムであると同時に、アプローチの成功によって天使か悪魔の羽が出る「きまぐれプレイ」とも関連している[10]。 このシステムを導入した理由について、内田は主人公になり切ってプレイしているプレイヤー、特に「仲の良いAを嫉妬させるため、別人のBとデートする」というプレイスタイルを通じて悪女気分を味わう者も多いことから、そこを盛り上げるために導入したと電撃オンラインによる開発者インタビューの中で説明している[10]。 また、本作のキャラクターデザインを務めた小松原里枝子は、このシステムについて不正解の選択肢を選んでも楽しめる遊び要素であると前述のインタビューの中で説明している[10]。 さらに、PSP版では男性キャラクターの日々の暮らしの描いた「ボーイズライフ」が増えた[10]。
PSP版のシナリオでは、各種イベントが追加され、その中にはスタッフやユーザーからの要望で追加されたものもある[7]。
たとえば、桜井兄弟の場合は料理に関するエピソードが増えたほか、ゲーム序盤に主人公とデートした後のエピソードがADVイベントとして収録されている[7]。
また、オリジナル版では強面のキャラクターが多かったことへの反省から、新キャラクターとして、蓮見達也が登場した[7]。 蓮見はこれまでとは異なる等身大のキャラクターとして描かれていると同時に、思春期特有の根拠のない自信をもったキャラクターとして描かれている[7]。
小松原は、発売前からファン同士のネットワークで広がり、発売直後から情報が素早く拡散したと公式ページの座談会の中で述べている[8]。 また小松原は、発売から2週間後にインターネットで意見を聞いた際、あっという間に攻略されていて驚いたとも話しており、座談会に同席していた『Girls' Side』シリーズのディレクターの谷口淳一と、同シリーズプロデューサーの内田明理も同意している[8]。
谷口は三角関係やW大接近といった新しいシステムを楽しんでいるという声を聴いてすごくうれしいと述べている[8]。 また、谷口は三角関係システムについて発売後にユーザーから「どちらか片方と別れるのはつらい」とか「せつない」といった言葉が多数寄せられたと話しつつも、そのような部分も含めて恋愛シミュレーションを楽しみたいという考えがあったので、このシステムの導入は成功だと受け止めており、小松原と内田も同意している[8]。
ライターのマフィア梶田は4Gamer.netに寄せたレビューの中で、ファッション関連のシステムが男性向け作品とは比べ物にならないほど作りこまれており、男性の自分でも楽しめると評価し、本作の独自要素の魅力であるとも話している[5]。