ばら色かび病(ばらいろかびびょう、Trichothecium roseum、トリコセシウム・ローゼム)は、カビ( トリコセシウム属菌)による植物の病気の一つ。
主に水分や糖分の多い、果実(メロン、イチゴ、リンゴなど)、果菜類(キュウリ、トマトなど)で発病する。発症部にはピンクや橙色の菌糸体が生じ、果肉が腐敗する[1][注 1]。
気温が20℃前後で多湿の場合、特に施設栽培(ビニールハウスなど)で発生する[2]。
食べると苦味があるが、この成分はククルビタシンとされている[3]。トリコセシウム属菌に汚染された場合、メロン自身が菌への防御作用のため、ククルビタシンの産生を増す(食べると口腔内が舌がしびれるほど)[4][3]。
メロンの場合は、Pink-mold rotとも呼ばれる[5]。
特にアムスメロンなど、皮が薄い品種で被害が多発している[6]。
キュウリの場合は、葉にも発病する[2]。
根、クラウン部、葉柄、ランナーの順に発病し、最後には苗が枯死する[7]。
まず果実のへた下部分から褐色に変色し、果実の中へも菌が進行するが、外観からは分かりにくい[2]。
兵庫県立健康環境科学センター(2003年の年報2号)によると、バラ色カビ病の原因菌であるトリコセシウム・ローゼムが、苦味成分のトリコテシンを産生することが確認された[8]。
ビニールハウスの場合、多湿にならないよう換気を徹底する[2]。