『ぼくが電話をかけている場所』(ぼくがでんわをかけているばしょ、原題:Where I'm Calling From)は、アメリカの小説家レイモンド・カーヴァーの短編小説。
『ザ・ニューヨーカー』1982年3月15日号に掲載された[1]。1983年9月15日刊行の短編小説集『大聖堂』(クノップフ社)に収録。
本作品は『ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズ 1983』(ホートン・ミフリン社)に選ばれている。また、1988年5月には本作品をタイトルにした精選作品集『Where I'm Calling From: New and Selected Stories』(アトランティック・マンスリー・プレス)が刊行されている。
日本語版は『海』1983年5月号が初出。翻訳は村上春樹。それから間もなくして、村上が作品のセレクトを行った短編集『ぼくが電話をかけている場所』(中央公論社、1983年7月25日)に表題作として収録される。カーヴァーの死後、中央公論社は個人全集の刊行を始めるが、本作品を収録した『大聖堂』は最初に配本された(1990年5月20日刊行)。12編の作品から成る『Carver's Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選』(中央公論社、1994年12月7日)にも収録されている。
本作は、アルコール中毒療養所の入所者である「ぼく」が、同じ施設に入所している「JP」という人物の身の上話を聞くという内容である。
JPは12歳の時に井戸に転落した際、父親に救出されるまでの間、井戸の底であらゆる恐怖におそわれた。 その際、彼は頭上を見上げた際、丸く切り取られた青空が目に飛び込んだ。普段とは違うこの光景は、救出された後も忘れられずにいた。
I try to remember if I ever read any Jack London books. I can't remember. But there was a story of his I read in high school. "To Build a Fire", it was called. This guy in the Yukon is freezing. Imagine it--he's actually going to freeze o death if he can't get a fire going. そういえば僕はジャック・ロンドンのものを何か読んだことがあったっけ? 思い出せないな。でも高校生の時に短いものをひとつ読んだ。「焚き火」っていう題のやつだ。ユーコンで一人の男が寒さに凍えている。彼はうまく火をおこさなければ本当に凍死するしかない。