「アイ・ガット・リズム」 | |
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楽曲 | |
英語名 | I Got Rhythm |
出版 | 1930年 |
作曲者 | ジョージ・ガーシュウィン |
作詞者 | アイラ・ガーシュウィン |
「アイ・ガット・リズム」(I Got Rhythm)は、1930年に発表された、ジョージ・ガーシュウィン作曲、アイラ・ガーシュウィン作詞による歌。現在でもジャズのスタンダード・ナンバーとして知られる。
独特なコードの進行は「リズムチェンジ」として知られており、チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーが作曲したビバップ、「アンスロポロジー」など、多くの著名なジャズ曲の基礎となった。
この曲は、"Embraceable You" や "But Not For Me" などのヒットソングを生み出したミュージカル「ガール・クレイジー」(Girl Crazy)のために作曲され、その後多くのジャズ歌手によって歌われている。元々は1928年の "Treasure Girl" のためにテンポの遅い曲として作曲されたが、『ガール・クレイジー』で使用するにあたり、よりテンポの速い曲に書き直された。エセル・マーマンがブロードウェイで歌っているのを聞いたジョージ・ガーシュウィンは、「歌のレッスンを受けるべきではない」と彼女に忠告したという。
曲はいわゆるAABAフォームで構成されており[1]、その独特のコード進行は後に「リズムチェンジ」と呼ばれ、現在でもジャズの基礎的なコードと見なされている。
曲は後に拡張され、1935年にガーシュインによる最後のコンサートで "I Got Rhythm" と題して歌われた。1920年代におけるスウィングの象徴とも言える曲である。
1951年のミュージカル映画『巴里のアメリカ人』に使用されている。ジーン・ケリー演じるジェリーは彼が英語を教えていたフランス人の子供と共にこの曲を歌い、"I got"と歌うたびにタップダンスを踊った。また『陽のあたる教室』では、学生がガーシュイン・レビューの試験を受けるためにこの曲を歌う。
この曲を歌った歌手は多いが、ジュディ・ガーランド、エセル・マーマン、ジョディ・ベンソン、そして1967年の全米チャートで3位に輝いたザ・ハプニングスなどが良く知られる[2]。とても人気のあるジャズのスタンダード・ナンバーでもあり、オーネット・コールマンの "Chippie" などもこの曲のコード進行を参考にしている。チャーリー・パーカーも、"Moose the Mooche" など、コード進行を参考にした曲を何曲か作っている。ゲイリー・ラーソンは "Far Side" でコードを参考にした。
1939年、カンザス・フィルハーモニー管弦楽団(現在のカンザス・シティ・シンフォニー)による初公演の演目として、ブルース・チェイスによって "I Got Rhythm" が配されている[3] 。
1975年12月31日に放送された第26回NHK紅白歌合戦では紅組の応援コーナーとして紅組出場歌手数名によるラインダンスが披露され,この曲が使用された。演奏はダン池田とニューブリード・東京放送管弦楽団が担当した。
1979年、エセル・マーマンはアルバム "The Ethel Merman Disco Album" の中でディスコ・アレンジ・バージョンを発表した[4]。
1992年には『ガール・クレイジー』を基にしたタップダンス・ミュージカル・コメディ『クレイジー・フォー・ユー』が製作。同曲も劇中歌として使用され、ヒロイン役のジョディ・ベンソンをメインとして歌われた。ベンソンはこの役でトニー賞ミュージカル主演女優賞にノミネートされている。