本社所在地 |
アメリカ合衆国, カリフォルニア州 13659 Victory Blvd. #1-360 Van Nuys, CA 91401 USA |
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事業内容 | 楽器用アンプの設計開発及び製造 |
外部リンク | Acoustic Amplification |
アコースティック・コントロール・コーポレーション (Acoustic Control Corporation) はエレクトリック・ギター及びエレクトリック・ベース用の楽器用アンプの設計開発及び製造を行っていた企業で、1980年代には事業を停止している。そして2007年以降は名称が Acoustic Amplification へと変わり営業再開。かつての社屋はアメリカ、カリフォルニア州のサンセット大通りにあったが、現在の社屋はロサンゼルス市内のヴァン・ナイズにある。
アコースティック社のギター及びベース用のアンプにおける最も大きな特色は、ソリッド・ステート(トランジスタ)回路で構成されたアンプ (Amplification) で構築された製品群であり、真空管を用いた回路に比べるとハイ・パワー型で高能率な設計になっている。
ほんの一時期だけ「Black Widow」というモデル名のギターを製作していたが、全体のデザインがモズライト社のギターに酷似していたため200本ほど生産した時点でクレームが付き生産終了となり、その後はギターに関しての設計製造は行われていない。ジャズ・ギターリストの ラリー・コリエル や、ジェームス・ブラウン・バンド のギターリストの ジミー・ノーラン らが使用していた事があるモデル。殆ど市場に出回らなかったが、その存在はファン・サイトなどで知る事が出来る。
Acoustic Control Corporation は1980年代半ばに事業停止し、PA用のアンプ回路設計会社の True Tone Audio として再事業していた。設計技師の Steve Rabe は1984年にベース・アンプ専門のメーカー「SWR」へと移り、1998年には独立して「Raven Labs」社を立ち上げている。そして、Acoustic Control Corporation は2007年に Acoustic Amplification と社名を変更して再起し、B20 と AB50 というモデルから生産を始めている。その後の新たなモデルは Acoustic Amplification社のウェブ・サイトで随時発表されている。
主なアコースティック製アンプのユーザーには様々なジャンルに存在し、ギターリストのロビー・クリーガー (ドアーズ) は最初期のアコースティック社製のアンプから使用していて、アコースティック 260 ヘッド と 261 エンクロージャー の組み合わせによる最初のACC (= Acoustic Control Corporationの略称) モデルで、アルバート・キング と チャック・ベリー も クリーガー と同じモデル 260+261 ユニットを使用していた。カナダ出身のギター名手として有名な フランク・マリノ (フランク・マリノ&マホガニーラッシュ) 、フランク・ザッパ、アーニー・アイズレー らはモデル 270のアンプを使用。パット・メセニー が作り出していた有名な独特のギター・トーンはモデル 134 コンボを使用。ジョン・マクラフリン (マハヴィシュヌ・オーケストラ) もアコースティック製のギター・アンプ使用者であった。
ベーシストの中にもアコースティック社製のベース・アンプ・ユーザーは多く、ジョン・ポール・ジョーンズ (レッド・ツェッペリン)、ジャコ・パストリアス は モデル 360+361 を使用していて、ジョンジーの場合は2ユニットの 360+361 をステージ上で使用していた。他にも、ラリー・グラハム (スライ&ザ・ファミリー・ストーン, グラハム・セントラル・ステーション)、カール・ラドル (Carl Radle, デレク・アンド・ザ・ドミノス)、 リック・グレッチ (Ric Grech, ブラインド・フェイス)、ジョン・マクヴィー (フリートウッド・マック)、トニー・スティーヴンス (Tony Stevens, サヴォイ・ブラウン)、ピーター・オヴァレンド・ワッツ (Peter "Overend" Watts, モット・ザ・フープル)、カーク・パワーズ (Kirk Powers, アメリカン・ティアーズ) らもアコースティック製のベース・アンプを使用した。
キーボーディストでは、ヴァーデン・アレン (Verden Allen, モット・ザ・フープル) が260 ヘッド・アンプを使用。オランダのプログレッシヴ・バンドの フォーカス は モデル 271+371 の組み合わせで使用し、1971年のアルバム『Moving Waves』発売後のツアーで使用していた。
1980年まではオール・ディスクリートで構成されたソリッド・ステート回路で設計されていた時期で、ディスクリートとはトランジスタ、抵抗、コンデンサ、コイルなどの単体パーツの組み合わせで構築されている電気回路の事を指し、それらの機能をひとまとめにしたICなどの集積回路を用いた電気回路とは区別されている。