アシナガバチ | ||||||||||||||||||||||||
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フタモンアシナガバチ♂
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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英名 | ||||||||||||||||||||||||
Paper wasp | ||||||||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||||||||
本文参照 |
アシナガバチ(脚長蜂、英: Paper wasp)は、スズメバチ科アシナガバチ亜科に属するハチの総称。
26属1000種以上が知られ、日本には3属11種が生息する[1][2]。セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、フタモンアシナガバチがよく見られ、都市部、市街地ではコアシナガバチが目立つ。
同じスズメバチ科だけあり、アシナガバチの生態はスズメバチに似ている。幼虫の餌も、他の昆虫の肉を与えることなど共通点が多い。細身で小型の体型は攻撃力で劣る。チョウやガの幼虫の芋虫、つまりケムシやアオムシの類を狩る。捕らえた芋虫をかみ砕いて肉団子にして巣に持ち帰る。ヤブガラシ等の花に飛来することも多く、花序の似たウイキョウの花の蜜なども嗜好性が高い。
巣の構造は、スズメバチの巣は光沢のある立派な外皮があるのに対し、アシナガバチはなく、その形はハスの花托・果托と例えられる[3]。巣の素材は、多くのスズメバチのように枯れ木の木部繊維や朽木ではなく、ホオナガスズメバチ属と同様に樹皮の靭皮繊維を素材とし、それに唾液由来のタンパク質などを混入して巣材とするので、一般のスズメバチの巣より強靭である。そのため、しばしばスズメバチ類の巣は洋紙に、アシナガバチ類の巣は和紙に喩えられることがある。
熱帯地方には、直径30 cm以上の大きな巣をつくる種もいる。日本では、巣の直径は10 cm程度である。女王蜂は、比較的低い乾燥した物陰や樹幹に巣をかける。3部屋もつくると直ぐに卵を産み、20日ほどで幼虫は成虫になる。巣を作り始める時期は4〜5月頃である。[4]この蜂の巣は、蓮の実のような形につくられて100部屋を超える巣もある。中央部の幼虫が巣立つと、新たに卵が生み付けられて、ミツバチのように蜜をためる事はない。11月頃には働き蜂は全て死んでしまい、女王蜂だけが落ち葉の下や朽木の中で冬眠する[5]。巣は一度しか使わず、空になった巣は二度と使われない[5]。
しばしばスズメバチの攻撃を受けて、幼虫を持ち去られる事があり、巣も破壊される事がある。最大の天敵はヒメスズメバチである。
尾部の先端にある毒針で人などを刺す。ただし、性質はスズメバチに比べればおとなしく、巣を強く刺激したり蜂を素手で触ったりしない限り、まず刺してはこない[1]。刺傷は子供などが巣を刺激して起こるケースと、洗濯物等に紛れ込んでいるアシナガバチに気づかず起こるケースとがある。毒はスズメバチに比べれば弱く、毒そのものによる死亡は稀であるが、アナフィラキシーショックにより死亡することもあるので、過去に刺されたことがある人は注意が必要。しかし、実際に刺されて死亡する人は数千人に一人くらいである。
風の穏やかな日に、風上からスプレー式の殺虫剤を穏やかに数度に分けて吹き付けると、親蜂は一目散に姿を消す。親蜂のいないことを確認して巣をもぎ取れば、やがて戻った蜂もまもなく姿を消す。場所によっては、パイプや管を巣に向けて静かに固定してスプレーを数秒噴霧すれば、巣に薬剤が届く。パイプが動くと伝って攻撃してくるので固定するとよい。ハチが飛び上がったら一旦退避する。
巣が小さければシャワー状に大量の水をかけても良い。最初は巣にしがみついているが、水勢を強めれば蜂はどこかへ避難するので、その間にもぎ取る。シャワーは雨と勘違いするようで、攻撃欲はかなり低い。
一部の地方自治体は、巣の駆除を公費で助成している。一方、後述するように農業害虫を捕食する益虫という側面もあるため、駆除を助成しない自治体もある。アシナガバチの駆除や駆除の支援を行わない市区町村では業者に依頼すれば駆除してもらえるが、益虫であり人を攻撃することも殆ど無いのであくまで最終手段である。
アシナガバチはおとなしい性格で、巣にいたずらをしなければまず刺してこない。むしろ蛾や蝶の幼虫を駆除してくれる益虫である[2][6]。特に、初夏の頃までにこのハチの巣があると、モンシロチョウの幼虫が増えないので、殺虫剤やネットを使用しないでキャベツ等の栽培・収穫ができる。多少の食痕が残るが、無農薬なので、家庭用には最適である。
また、蜂の子として幼虫や蛹、成虫が食されるハチの一部はアシナガバチである。