このフィクションに関する記事は、全体として物語世界内の観点に立って記述されています。 |
ジャンル | アドベンチャーゲーム |
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対応機種 |
PC-8801シリーズ PC-9801シリーズ X1turboシリーズ FM-7シリーズ |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
音楽 | 植松伸夫 |
人数 | 1人 |
メディア |
[PC-8801] 5'FD [PC-9801] 5/3.5'FD [X1turbo] 5'FD [FM-7] 5/3.5'FD |
発売日 | 1986年7月8日 |
『アルファ』(ALPHA)とは、1986年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)が開発、発売したコンピュータゲーム。『ザ・デストラップ』、『ウィル デス・トラップII』に続く同社のアドベンチャーゲームの第3作目。
発売当時のアドベンチャーゲームは1枚絵のものが数多くあった中で、本作はアニメーションを用いる[1]ことで、他社の同ジャンルとの差別化を図っている。
本作はキーボードから指示を直接入力する、コマンド入力方式のアドベンチャーゲームである。プレイヤーはゲームの主人公であるクリスに対して指示を与えて行動させることで、物語を進めていく。 この時のコマンドの入力例としては、
など、「動詞」とその「対象」をスペースを入れて入力する。この時「マエ ミル」のように「動詞」と「対象」は逆でも構わない。移動するときは単に「マエ」や「ヒダリ」と方向だけ入力すればよい。
画面左右には常にダイダロスの二面図が表示されており、自分のいる場所がドットで示されている。攻略に必須の情報というわけではなく、演出的なものである。
この当時のパソコンゲームは現在のそれと違って、難易度が比較的高めなものが多かった。本ゲームにおいてもその傾向は強く、入手したアイテムを紛失すると二度と手に入れることができないものもあり、その場合にはゲームを初めからやり直すしかない。また、重要なシーンではコマンドミスが許されず、キーボードの打ち間違いなどにも気を配らなければならない。なお、重要なシーンで失敗しても主人公のクリスが死んだりすることは無いが、それ以上進行できず、実質的にゲームオーバーとなることがある。[1]。
なお、同社の前作である『WILL』と同様に、全てのシーンにおいて、隠れキャラクターが存在する[1]。たとえば、人が倒れているシーンで「ケガ サワル」と入力すると「いててて」という文字が出現したり、リニアモーターカーで移動中に「マド ミル」と入力すると窓の外に忍者が出現するといった具合である。ゲームの進行上全く関係ないお遊び要素であり、これらの出現の有無で内容やエンディングが変化したりすることは無い。
BGMは後年著名となる植松伸夫が担当[1]。パッケージにはゲーム内で使用されているBGMのアレンジバージョンと主人公クリスのイメージ曲が録音されたソノシートが封入されていた。
人類は21世紀が終わらないうちに太陽系の惑星を探査し尽くしてしまい、太陽系外にある惑星の名はエリダヌス座イプシロン系アルファに目を向ける。しかし目的地までの距離は10.7光年と果てし無く遠い。人工冬眠装置なども未だ確立しておらず、目的地までには数百年の歳月が必要とされた。そこで人類は巨大な居住区を設けた恒星間航行用宇宙船「ダイダロス」を作り、ひとつの社会を形成し、自給自足の生活を営みながら、何世代にも渡って目的地までたどり着こうと考えた。 西暦2101年、人類の夢をのせた宇宙船「ダイダロス」は何万人もの人間を乗せ太陽系をたった。
そして時は流れ、最早地球を旅立った頃の人間は一人も生きてはいない。宇宙と船内しか知らない人類は、地球を旅立った時に持っていた夢や希望を語る人間は誰一人としておらず、ただ毎日を怠惰に生きている、そんな人間ばかりになってしまった。
そんな中、船内の丘にクリスという記憶喪失の少女がいた。その時、彼女の目の前の居住区で革命が始まり、爆発が起きる。爆発が起こった方へ坂道を下りたクリスは、破壊されたスタジアムの中から、火に追われた観客達が出口に殺到しているのを目撃する。クリスは誰もいなくなった近くの大型ショッピングセンターに侵入して酸素マスクを盗んで店を出たところを、中央管理局のロボットに捕まってしまいポリスセンターへ連行された。クリスは検査の為しばらく全裸で拘束されていたが、住民リストに登録されていなかったので処分の対象にならず、モニタールーム(監視室)へ通され服だけを返してもらい、釈放された。
クリスがスタジアムに戻ってきたとき、人々はやや冷静さを取り戻し革命について考え始めていた。そこへ革命派の男二人組が現れ、彼女はアジトに連行され、革命派のサブ・リーダーのアーノルドと面会する。アーノルドは機械に支配された人間の現状を不満に思っており、スタジアムで破壊行為を行ったことを明かす。また、彼は記憶がないクリスには同情的な態度を示し、一人でも多くの協力が必要だからと、クリスにも一緒に戦うよう願い出る。そこへ中央管理局のロボットが襲撃をかけてきて、クリスはまたもポリスセンターへ連行されるが前回と同様の理由で処分の対象にならず釈放された。
彼女が戻ってきたときにはアジトはすでにポリスのロボットに壊されていた。彼女は瀕死の革命派関係者からポリスセンターに捕らえられているリーダー・キースの救出を頼まれる。彼女はわざとロボットに捕まり、釈放される際ロボットに体当たりをしてレーザーガンを奪い発射、ロボットの機能を停止させた。そして、ポリスセンター内の牢屋に囚われていたキースを見つけ、救出しようとする。ところが、やってきたロボットとの交戦のさなか、ロボットの撃ったレーザーガンがキースの胸に当たり、キースの正体がアンドロイドであることが判明する。クリスは彼から「住民達を救えるのは君しかいない、メイン・コンピュータを破壊して人々をアルファに導け」と言われ、鍵を託される。クリスは、キースを失った悲しみで戦うことが出来ず、ロボットに再び捕らえられてしまった。レーザーガンは取り上げられたが、キースに貰ったゴールドキーはしっかり隠し持ったクリスは、キースの意思を受け継ぐ事を決意した。
その後、クリスは革命派のアジトからレーザーガン[2]、ダイナマイトを入手する。さらに、ショッピングセンターからエネルギーパック、タイマーを盗み取り装備を整えるとステーションガルダに侵入し、メイン・コンピューターにタイマー付きダイナマイトを投げつける形で破壊した。
クリスは立ち入り禁止地区から宇宙船のレーダー室に侵入する。大きなスクリーンレーダーが点滅していて地球、アルファ、ダイダロスの位置が示されていた。クリスはダイダロスの現在位置を調べたが、ダイダロスはもう一年以上も前にアルファの軌道上に到着していた。何故着陸しないのか不思議に思うクリスだったが、レーダースクリーンの隅の方に小さな文字で「イカロス」と書かれているのを発見する。そして、彼女はコントロールブリッジへの入り口にこの4文字を入力して中に入る。すると、録音されていたテープが回り始め、連邦政府最高責任者のジェームズの声が再生される。
クリスはパネルの上にあるダイダロスを着陸させるためのスイッチを押すとダイダロスの着陸システムが作動し始めた。エンディングの写真には笑顔のクリス、そしてアルファに降り立つダイダロスの人々が写っていた。
全8801シリーズで動作する様に作成され、FM音源の無い8801と8801mkIIでも純正FM音源ボード(PC-8801-11)を増設することでSR以降と同じFM音源のサウンドが楽しめる。