アルフ・プリョイセン(Alf Prøysen, 1914年7月23日-1970年11月23日)は、ノルウェーの児童作家・歌手。「スプーンおばさん」のシリーズで知られる[1]。
プリョイセンは、ノルウェーのヘードマルク県(Hedmark)リングサーケル(Ringsaker)[2]に、3人兄弟の末っ子として生まれた。家庭が貧しく、幼少時から農場で働いた。学校へは行かなかったものの、空想力や歌唱力に富み、農村の祭などで自作の歌を披露し喜ばれた[3]。
1945年には最初の短編集を出版し[2]、また1950年の『電燈にとまったツグミ』(no:Trost i taklampa)はのちに映画化・ミュージカル化された[2]。
プリョイセンは、1946年から[4]ノルウェーの国営ラジオ放送の番組「子どもの時間」で子どもたちに歌を歌い、語りかけ、人気を博していた[5][6]。代表作となる「スプーンおばさん」シリーズも、ラジオ番組をもとに作られ[7]、1956年にスウェーデン語版が、翌年ノルウェー語版が出版されたのが始まりである。これは世界18言語に訳され、やはり映画化された。日本では、1983年4月にアニメがNHKにより放映されている。
プリョイセンは作家として名を成してからも歌謡を自作し続け、また各地の民謡を歌いに回った[3]。
スプーンおばさんは普通のおばさんに見えるが、時折(必要もないのに)身体がティースプーンくらいに小さくなってしまう。小さくなった時には動物と会話ができるおばさんの、幻想的な冒険を描く。
神宮輝夫は「日常的なものが別な色合いをおびて感じられる点に、この空想物語の独創性がある」[8]と評価している。また、神宮[8]や山内清子[5]は民話との親和性を指摘している。「小さくなる」ことが動物との意思疎通につながることから、スプーンおばさんを北欧伝説の妖精と同質視する分析もなされている[要出典]。
ノルウェーではボルグヒル・ルー(Borghild Rud)の、スウェーデンではビョーン・ベルイ(Björn Berg)の挿絵がついている[6]。スウェーデン語版が英語版になり、日本語版にもビョーン・ベルイの挿絵が使われている[5]。
NHKで放送されていたアニメの詳細は、スプーンおばさん (アニメ)を参照。