世界名作劇場 | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第8作 | 南の虹のルーシー | 1982年1月 - 1982年12月 |
第9作 | アルプス物語 わたしのアンネット |
1983年1月 - 1983年12月 |
第10作 | 牧場の少女カトリ | 1984年1月 - 1984年12月 |
アルプス物語 わたしのアンネット | |
---|---|
アニメ | |
原作 | パトリシア・メアリー・セントジョン |
監督 | 楠葉宏三 |
脚本 | 吉田憲二 |
キャラクターデザイン | 竹松一生 |
音楽 | 広瀬量平 |
アニメーション制作 | フジテレビ・日本アニメーション |
放送局 | フジテレビ系列 |
放送期間 | 1983年1月9日 - 12月25日 |
話数 | 全48話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
『アルプス物語 わたしのアンネット』(アルプスものがたり わたしのアンネット)は、1983年1月9日から12月25日まで、フジテレビ系列]で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全48話が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメ。「世界名作劇場」の第9作目に当たる。
原作はパトリシア・メアリー・セントジョン (Patricia St. John) の児童文学『雪のたから』 (Treasures of the Snow) 。原作の邦訳は『雪のたから』松代恵美訳(福音伝道教団出版部、1959 いのちのことば社 1969)がある。
タイトルにもあるように物語の舞台はアルプスであるが、同作品は児童向けのキリスト教文学であり、本作品もキリスト教色が強い作風が志向されているなど、物語の舞台が共通する『アルプスの少女ハイジ』とは異なるカラーとなっている。前作『南の虹のルーシー』に続き、原作者が生前に映像化された作品でもある[1]。
前述した通り、本作品ではキリスト教的な「罪と赦し」が物語全体のテーマになっている。監督の楠葉宏三は当時の希望の多かった子供には本作品は受け入れられなかったが、希望のない現代においては「わかる子が多いかもしれない」と述べている。音楽を担当したのは著名な現代音楽作曲家廣瀬量平である。世界名作劇場において現代音楽の作曲家が音楽を担当したのは、赤毛のアンの三善晃、毛利蔵人に続き2例目である。
スイスのロシニエール (Rossinière) 村に住むアンネットとルシエンは仲のいい友達だったが、ルシエンがアンネットの弟ダニーに怪我をさせてしまったことにより、アンネットはルシエンのことを恨むようになる。ルシエンは何度もアンネットに許してもらおうとするが、アンネットの心は変わらなかった。そんな折、ルシエンは山奥に住むペギンじいさんと出会う。嘗て罪を犯したペギンじいさんが償いをしようとしている姿に元気付けられたルシエンは、素晴らしい木彫りの馬を作り上げる[2]。
アンネットはルシエンを恨むことで自分の心も苦しめられていることに気がつき始め、仲直りをしようと思っていたが、ルシエンの木彫りを見たアンネットはダニーの事件の恨みを忘れられず、その木彫りも壊してしまう[2]。その結果、アンネットも罪の意識にさいなまれる[2]。
ある冬の日、アンネットは足をくじいて動けなくなってしまい、凍死寸前のところでルシエンが現れる[2]。アンネットは木彫りの馬を壊したのは自分だと言い、許しを請う。そして二人の友情は取り戻された。
ルシエンはアンネットとの友情が回復できたことに喜ぶが、ダニーに怪我を負わせてしまったことはルシエンの心に大きくのしかかっていた。そんなある日、ルシエンは山を越えたところにあるモントルーのホテルに名医ギベットが宿泊していることを知る。ルシエンはギベットにダニーの足を直してもらうため、吹雪の雪山を越えてギベットを村に連れて来ることに成功した。ギベットとペギンじいさんが対面した時、2人が父と息子であり、酒に溺れて家族を捨ててしまったことをずっと後悔していたことをアンネットとルシエンは知る。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 絵コンテ | 作画監督 |
---|---|---|---|---|
1 | 1983年 1月9日 |
アンネットとルシエン | 楠葉宏三 | 竹松一生 |
2 | 1月16日 | ソリ競争の日に | 黒川文男 | 佐藤好春 |
3 | 1月23日 | 愛と悲しみと | 楠葉宏三 | 前田英美 |
4 | 1月30日 | おかあさんになったアンネット | 黒川文男 | 竹松一生 |
5 | 2月6日 | あたらしい家族 | 横田和善 | 佐藤好春 |
6 | 2月13日 | 牧場にて | 清瀬二郎 | 前田英美 |
7 | 2月20日 | チーズを作ろう | 楠葉宏三 | 竹松一生 |
8 | 2月27日 | 秋まつりの日に | 佐藤好春 | |
9 | 3月6日 | 村に汽車がやって来た | 清瀬二郎 | 前田英美 |
10 | 3月13日 | ふたりの冒険旅行 | 竹松一生 | |
11 | 3月20日 | クリスマスの贈り物 | 横田和善 | 佐藤好春 |
12 | 3月27日 | 白い森のできごと | 清瀬二郎 | 前田英美 |
13 | 4月3日 | すれ違うこころ | 楠葉宏三 | 竹松一生 |
14 | 4月10日 | おそろしい出来事 | 清瀬二郎 | 佐藤好春 |
15 | 4月17日 | ダニーを助けて! | 前田英美 | |
16 | 4月24日 | 病院 | 岡部英二 | 竹松一生 |
17 | 5月1日 | 森の老人 | 清瀬二郎 | 佐藤好春 |
18 | 5月8日 | ダニーの松葉杖 | 楠葉宏三 | 前田英美 |
19 | 5月15日 | 思いがけない診断 | 清瀬二郎 | 竹松一生 |
20 | 5月22日 | ノアの方舟 | 佐藤好春 | |
21 | 5月29日 | 罪の重さ | 楠葉宏三 | 前田英美 |
22 | 6月5日 | ダニーの宝物 | 清瀬二郎 | 竹松一生 |
23 | 6月12日 | 悲しい嘘 | 楠葉宏三 | 佐藤好春 |
24 | 6月19日 | アンネットの涙 | 前田英美 | |
25 | 6月26日 | おもいでの牧場 | 清瀬二郎 | 竹松一生 |
26 | 7月3日 | 遠い雲 遠い日々 | 楠葉宏三 | 佐藤好春 |
27 | 7月17日 | ニコラス先生の教え子たち | 清瀬二郎 | 前田英美 |
28 | 7月31日 | 展覧会にむけて | 楠葉宏三 | 竹松一生 |
29 | 8月7日 | こわされた夢 | 清瀬二郎 | 佐藤好春 |
30 | 8月14日 | 後悔の涙 | 楠葉宏三 | 前田英美 |
31 | 8月21日 | 峠へつづく道 | 竹松一生 | |
32 | 8月28日 | 伝えたい真実 | 佐藤好春 | |
33 | 9月11日 | 勇気ある告白 | 清瀬二郎 | 前田英美 |
34 | 9月18日 | さようならフランツ | 楠葉宏三 | 竹松一生 |
35 | 9月25日 | 心の扉をひらいて | 清瀬二郎 | 佐藤好春 |
36 | 10月2日 | よみがえった友情 | 杉村博美 斉藤次郎 |
前田英美 |
37 | 10月9日 | 二人のたからもの | 楠葉宏三 | 竹松一生 |
38 | 10月16日 | ルシエンの誓い | 杉村博美 斉藤次郎 |
佐藤好春 |
39 | 10月23日 | 吹雪の峠をこえて | 楠葉宏三 | 前田英美 |
40 | 10月30日 | 立ち上がれ ルシエン | 竹松一生 | |
41 | 11月6日 | ダニーを診てくれますか | 佐藤好春 | |
42 | 11月13日 | ペギンじいさんの秘密 | 杉村博美 斉藤次郎 |
前田英美 |
43 | 11月20日 | 希望の町 ローザンヌ | 楠葉宏三 | 竹松一生 |
44 | 11月27日 | ギベット家のひとびと | 佐藤好春 | |
45 | 12月4日 | 手術の日 | 前田英美 | |
46 | 12月11日 | 再会 | 楠葉宏三 杉村博美 斉藤次郎 |
竹松一生 |
47 | 12月18日 | 輝く光の中で | 楠葉宏三 | 佐藤好春 |
48 | 12月25日 | 友情よ 永遠に | 前田英美 |
1998年2月25日から5月25日にかけて、VHSで全12巻が発売された。昭和のVHSシリーズでは後番組の『カトリ』から全巻発売されたため、本作品は全4巻の総集編のみだった。
DVDは2001年3月25日から6月25日にかけて、テレビシリーズを収録したDVDソフト全12巻が発売された。前作と同様に、毎月3巻ずつ同時発売という形式が取られた。
※放送日時は1983年11月中旬 - 12月上旬時点、放送系列は放送当時のものとする[4]。
放送地域 | 放送局 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ | 日曜 19:30 - 20:00 | フジテレビ系列 | 制作局 |
北海道 | 北海道文化放送 | |||
宮城県 | 仙台放送 | |||
秋田県 | 秋田テレビ | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
福島県 | 福島テレビ | フジテレビ系列 | [5] | |
新潟県 | 新潟総合テレビ | [6] | ||
長野県 | 長野放送 | |||
静岡県 | テレビ静岡 | |||
富山県 | 富山テレビ | |||
石川県 | 石川テレビ | |||
福井県 | 福井テレビ | |||
中京広域圏 | 東海テレビ | |||
近畿広域圏 | 関西テレビ | |||
島根県・鳥取県 | 山陰中央テレビ | |||
岡山県・香川県 | 岡山放送 | |||
広島県 | テレビ新広島 | |||
愛媛県 | 愛媛放送 | [7] | ||
福岡県 | テレビ西日本 | |||
佐賀県 | サガテレビ | |||
熊本県 | テレビ熊本 | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
||
沖縄県 | 沖縄テレビ | フジテレビ系列 | ||
青森県 | 青森放送 | 土曜 18:00 - 18:30 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
岩手県 | 岩手放送 | 木曜 19:00 - 19:30 | TBS系列 | [8] |
山形県 | 山形テレビ | 金曜 19:00 - 19:30 | フジテレビ系列 | [9] |
山梨県 | 山梨放送 | 木曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 | |
山口県 | 山口放送 | 月曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
徳島県 | 四国放送 | 木曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 | |
高知県 | 高知放送 | 土曜 18:00 - 18:30 | ||
長崎県 | テレビ長崎 | 日曜 18:00 - 18:30 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 |
[注釈 1] |
大分県 | テレビ大分 | 土曜 18:00 - 18:30 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
[注釈 1] |
宮崎県 | テレビ宮崎 | 土曜 18:30 - 19:00 | [注釈 1] | |
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | 木曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 フジテレビ系列 |
[注釈 1] |
アニメ監督の今川泰宏は、「Febri」とのインタビューの中で、日常を丁寧に描いた第13話までとアンネットとルシエンの関係の悪化が描かれた第14話の落差と描写のリアルさに衝撃を受け、その後の自分の作品[注釈 2]にも大きな影響を与えたと話している[2]。
フジテレビ系列 日曜19:30 - 20:00 (世界名作劇場) |
||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
南の虹のルーシー
(1982年1月10日 - 12月26日) |
アルプス物語
わたしのアンネット (1983年1月9日 - 12月25日) |
牧場の少女カトリ
(1984年1月8日 - 12月23日) |