アレクセイ・アダム・パンシン(Alexei Adam Panshin、1940年8月14日 - 2022年8月21日)は、アメリカのSF作家、評論家である。
1968年のネビュラ賞を獲得した長篇小説『成長の儀式』Rite of Passage で知られている[1]。また、ロバート・A・ハインラインの熱烈な愛好家でもあると明言している。『成長の儀式』も変質したハインラインの作風に反発して書かれた。
日本では、『成長の儀式』以外に短編の邦訳が雑誌に掲載されたことがある程度だが、欧米では下記の3冊の本から成るカルト的人気を持つ Anthony Villiers シリーズでも知られている。
シリーズ4作目 The Universal Pantographは作家と出版社の衝突が原因で出版されなかった。Viliers シリーズに関して、SF作家サミュエル・R・ディレイニーは次のように書いている。
パンシンは SF作家ロバート・A・ハインラインの研究書 Heinlein In Dimension を出版した[1]。また、彼は妻コーリー・パンシンと共同で Earth Magic を書いている。同様に重要な研究書 SF in Dimension (1976) もヒューゴー賞を勝ち取った長大なSF歴史書 The World Beyond The Hill (1989) も夫婦の共著となっている[2]。他に短編集 Farewell To Yesterday's Tomorrow、論文集 SF in Dimensionがある。
Heinlein in Dimension でパンシンは初めて注目された。ロバート・A・ハインラインはこれに強く抗議し、出版を差し止めるために出版社を訴えようとした。結果としてその一部をファンジンで発表し、それが最優秀ファン活動としてヒューゴー賞を受賞することとなり、商業出版への道が開かれた。この本の価値、パンシンの研究手法、ハインラインの反応についての意見は様々である。スパイダー・ロビンスンとサム・モスコウィッツは両者を激しく批判した。他の意見やパンシン自身の見解はパンシンのWebサイト"The Abyss of Wonder"で見ることができる。