アレンカ・ジュパンチッチ(Alenka Zupančič Žerdin、1966年4月1日 - )は、スロベニアの女性哲学者、ラカン派精神分析学者。
1966年リュブリャナ生まれ。1989年にリュブリャナ大学哲学科を卒業し、スロベニア芸術科学アカデミー共同研究員となる。1996年にリュブリャナ大学文学部のスラヴォイ・ジジェクのもとで博士号を取得し、1997年にはパリ第8大学哲学科のアラン・バディウのもとで博士号を取得する[1][2]。
スロベニア芸術科学アカデミー哲学研究所研究員[3]、European Graduate School教授[4]。スラヴォイ・ジジェク、ムラデン・ドラーと共にリュブリャナ精神分析学派の有力メンバーの一人である[2]。
精神分析、大陸哲学を研究し、倫理、文学、喜劇、愛などのトピックを論じている。ラカン派のジジェクとドラーに大きく影響を受けたが、カント、ヘーゲル、ベルクソン、バディウなども参照する。特にニーチェ学者として知られている[4]。
『リアルの倫理――カントとラカン』(2000年)では、カント倫理学やラカンを読み解き、「<真実>の倫理」(ethics of the Real)と称するものを提示した。ジジェクは序文で、「私ともあろう者がこの著者に先を越されるとは! こんなヤツは、本なんか書く前にさっさとくたばってしまえばよかったのだ!」[5] と賛辞を送っている。哲学者の小泉義之は書評で「本書が現代の最先端に位置する書物であることは間違いがない」と評している[6]。