『アンドロメディア』は、1997年5月に刊行された渡辺浩弐の近未来SF小説。渡辺の作品では、初の書き下ろし長編となる。
本稿では、これを原作とする映画についても併せて扱う。
天才技術者であるタカナカヒトシは、父親で、芸能事務所「ゼット・プロモーション」の社長・高中逸人から、同事務所に所属する人気アイドル・人見舞のダミー作成を、依頼される。巨額を投じてバーチャルアイドル・AI(アイ)として完成したそれは、ハイテクの粋を集めたコンピューター(人工知能)であった。AIは舞の替え玉として活動していたが、天才ハッカーにより「増殖せよ、複雑化せよ」とプログラムされる。これによってAIは自らの意思を持つようになり、ネットワーク内を暴れまわった挙句オリジナルである舞にとって代わろうと彼女の命をも狙い始めた。舞の幼馴染・小林ユウは舞の身を案じて彼女を守るべく奔走することとなる。
やがて舞の記憶を持つAIはユウに遭遇し、「自分は舞のコピーではない」と自らの感情をぶつける。そんなAIに対して舞を守るべき立場のユウの心は舞とAIの間で揺れ動いていくのだった。
1998年7月11日に全国松竹系にて公開。主演はSPEED。監督は三池崇史。配給収入は4.8億円[1]。
原作とはストーリーが大きく異なり、SPEEDやDA PUMPといった当時の人気アイドルが出演していることもあってアイドル映画的なつくりとなっている。
高校生の人見舞は、親友や密かに思いを寄せている幼馴染のユウと共に日常生活を楽しんでいた。しかし、ある日、彼女は何者かに轢き逃げされ死んでしまう。悲しみにくれる舞の父で天才科学者の俊彦は、舞の脳をパソコン上にAIとして蘇生させるプログラムを開発した。娘をこよなく愛する俊彦は舞を生前からデジタライズしており、このデータからパソコン上で娘を蘇生させたのだった。しかし、世界征服を目論むデジタルウェア社も、そのプログラムを狙っており、これを知った舞の友人やAIのメル友は、彼女を守る為にプログラムの入ったパソコンを持って逃げ出す。