株式会社アートディンク(英: ARTDINK CORPORATION)は、1986年に設立された、主にコンピュータゲームを開発・販売などを行う日本の企業。東京都中央区月島に本社を置く。
1980年代の設立当時よりPC用ゲームを開発・販売している老舗メーカーで、『A列車で行こう』『Neo ATLAS』『カルネージハート』シリーズなどの、シミュレーションゲームを得意とし、主力商品としている。1990年代初頭の国産PCゲーム興隆期においては国内トップシェアを誇り、1993年からPCエンジン等で家庭用ゲームソフトも提供し始める。以降、PC・家庭用を問わず様々なハードに多くのタイトルを提供し続けており、受託開発及び移植等のデベロッパー業務も積極的に行っている。
社名の由来は"ART"は「作品」、"DINK"は"DI"(2つの)+"NK"(NとK)で2人のN(永浜ともう一人)と2人のK(河西克重、神田英雄の元役員)の4人が会社を創設したことによる。なお、社名自体は現在も設立当時のままだが、社名ロゴデザインは一度変更されている。
元々ゲーム会社を作ろうという意識はなく、永浜と河西らが趣味のために作った開発用のモトローラ用CPUのアセンブラなどを制作していたことが会社設立のきっかけであった。それらのアセンブラなどを試しに売り出した所、評判を得たので、映画産業、防衛庁、百貨店等にそれぞれに勤めていた高校時代の同期4人で起業する事になった。さすがにそれだけでは会社の維持は難しいであろうとなったが、丁度その頃に立ち上がりつつあったコンピューターゲームの市場で商売が出来そうという理由でゲームも手掛ける事となり、製作されたのが初代『A列車』である。『A列車で行こう』はあまりゲームなどには詳しくない河西らがかなりの努力の上で作りあげたものである[1]。
当初は「研究所」のイメージで運営されており、社員が全員白衣を着用していた時期があったという[2]。販売促進はキャンペーンや雑誌広告が主だが、『A5』と『ナビット』『A列車で行こうDS』ではテレビCMが放送された。PC-9801シリーズ用のゲームが主力の時代には、ユーザー登録を行った人間全てにデモディスクを送付していた。
創業より都内~千葉県沿岸部の東京湾周辺にオフィスを構えており、代表作である『A列車で行こうシリーズ』においては美浜区周辺の建造物がモデルとなっている事が多い。3D化以降は海浜幕張周辺の建造物もモデルとなっており、例えばPlayStation版『A列車で行こう5』のデパートに描かれている「D」の看板は、開発当時本社を置いていた美浜区稲毛海岸駅にあるDマート(現在のイオンマリンピア専門館)がモデルとなっている。これは本社ビルと隣接していたため、当時の社員が多く利用していた事による。
- ルナティックドーンシリーズ
- A列車で行こうシリーズ
- 大海令シリーズ
- ハウメニロボットシリーズ[3]
- ハウメニロボットHOW MANY ROBOT - ロボットを操作し、時限爆弾を解除するシミュレーションゲーム:PC-9801、FM-7(1988年)。
- HR2 - (超)高層ビル(最大600m)を建てる建築シミュレーション。C言語風(サブセット)の言語で自律的に行動するロボットをプログラミングし、工事を進めていく:PC-9801、1994年。
- ブリッツシュトラーセ
- 栄冠は君にシリーズ
- 機甲師団シリーズ
- THE ATLASシリーズ
- 関ヶ原
- リバティータウン - 国土交通省監修の元に製作された異色の河川行政シミュレーションであり、通常の販売ではなく大型書店のPCソフトコーナーでのみ販売された。箱庭ゲームではなく、水災害対策や河川環境の大切さを考えるシリアスゲームと言える。
- 天下御免
- トキオ 〜東京都第24区〜:PC-98
- ダブルイーグル
- ビッグオナー
- はなまる工務店:Windows 95、Windows 98
- 地球防衛軍 (アートディンク) - 自律的に行動する8機の宇宙戦闘機を運用し、異星人から太陽系を守るシミュレーションゲーム。戦闘機は設計と簡単なプログラミングが可能である。PC-9801、FM-7用。
- 地球防衛軍II FAR SIDE MOON(ファーサイドムーン):PC-9801VM以降、X68000
- ストーリーは前作の続編。月面、火星、木星、土星の4本のシナリオをキャンペーン方式でプレイする。プレイヤーは無人戦闘機(MACS)の設計と、与えた飛行プログラムによるオートパイロットにより、敵機との空中戦を繰り広げる。ゲームの目的は敵基地を撃破することで、輸送機から攻撃ロボット「ポーン」を送り込み、敵基地を防衛するポーンと戦わせる。[4]
- X68000版はコンピュータウイルスが混入したまま出荷され問題になった[5]。
- ARCTICアークティック - 創業7周年を記念してユーザー登録者限定で発売された『The Best Sellection』に収録された。『A列車で行こう』の原型となるパズルゲーム。PC-9801、FM-7。
- 3作品ともWiiのバーチャルコンソールで配信されている。
- TVware情報革命シリーズ
- ルナティックドーンシリーズ
- A列車で行こう6
- A列車で行こう2001
- 栄冠は君にシリーズ
- 建設重機喧嘩バトル ぶちギレ金剛!!
- Neo ATLAS III
- THE SEED
- BASIC STUDIO パワフルゲーム工房
- ジパング(発売元:バンダイナムコゲームス)
- ONE PIECE ランドランド!(発売元:バンダイナムコゲームス)
- ギャラクシーエンジェルII 絶対領域の扉(発売元:ブロッコリー)
- ギャラクシーエンジェルII 無限回廊の鍵(発売元:ブロッコリー)
- ギャラクシーエンジェルII 永劫回帰の刻(発売元:ブロッコリー)
PlayStation Portable用ソフト
[編集]
- ONE PIECE ドラゴンドリーム!(発売元:バンダイナムコゲームス)
- SDガンダム バトルアライアンス(発売:バンダイナムコエンターテインメント)
- ソードアート・オンライン ゲームディレクターズ・エディション(発売元:バンダイナムコエンターテインメント)
- アクセル・ワールド vs ソードアート・オンライン 千年の黄昏(発売元:バンダイナムコエンターテインメント)
- A列車で行こうExp
- SDガンダム バトルアライアンス(発売:バンダイナムコエンターテインメント)
- SDガンダム バトルアライアンス(発売:バンダイナムコエンターテインメント)
- ドラゴンクエストIII そして伝説へ… (HD-2D版)(発売:スクウェア・エニックス)
- SDガンダム バトルアライアンス(発売:バンダイナムコエンターテインメント)
- ドラゴンクエストIII そして伝説へ… (HD-2D版)(発売:スクウェア・エニックス)
- DCD NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットクロス(発売元:バンダイ)
- DCD NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットフォーメーション(発売元:バンダイ)
- DCD NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットミッション(発売元:バンダイ)
- うた☆プリアイランド(配信元:ブロッコリー)
- はじめてのA列車で行こう
- 相鉄線で行こう(相模鉄道とアートディンクとのコラボレーション)
- ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ
- 永浜達郎:現社長。『A列車シリーズ』の生みの親であり最高責任者。
- 河西克重:現副社長。主に技術系を統括してきた。数多くの代表作をプロデュースする。
- 佐古茂人:元役員。初期の『栄冠は君に』やゴルフゲーム等をプロデュースする。
- 山口洋一(yobotch's):『the ATLAS』などを手がけ、その後独立しフリップフロップ設立。『トポロ』『ネオアトラス』を手がける。
- 堀口祐一:『ルナティック・ドーンシリーズ』などを手がけ、その後退社。
- 飯塚正樹:『カルネージハート』など。現在も在籍。
- 飯田和敏:『アクアノートの休日』、『太陽のしっぽ』をディレクション後退社、『巨人のドシン』を手がける。2010年よりグラスホッパー・マニファクチュアに在籍。
- 田中圭一:元社員で在籍中も漫画家として活動。『アクアノートの休日2』、『ぶちギレ金剛!!』をプロデュース。
- スタジオアートディンク - 過去の関連会社で、ゲームソフトウェアの受託開発・デバッグ業務を行っていた。2018年7月24日にアイティエルホールディングスがスタジオアートディンクの発行済株式のすべてを取得しグループ会社としたことで、アートディンクとの提携関係は解消されれている[6]。2024年4月1日付で「株式会社ジーチョイス」へ商号変更。
- 月刊マイコン編集部 『チャレンジ!! パソコンシミュレーションゲーム』 電波新聞社 1987年10月 - 『A列車で行こう』、『地球防衛軍』の記事。アートディンク社内インタビュー。
- 多摩豊、1993、『SLG解体新書』、光栄 pp. pp.148-170 河西克重のインタビュー