IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | Datscan |
Drugs.com | |
ライセンス | EMA:リンク、US Daily Med:リンク |
法的規制 | |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | N/A |
排泄 | Kidney and fecal |
識別 | |
CAS番号 | 155798-07-5 |
ATCコード | V09AB03 (WHO) |
PubChem | CID: 3086674 |
IUPHAR/BPS | 7653 |
DrugBank | DB08824 |
ChemSpider | 2343241 |
UNII | 3MM99T8R5Q |
KEGG | D10014 |
ChEBI | CHEBI:68855 |
ChEMBL | CHEMBL3989517 |
別名 |
Ioflupane (FPCIT); [I-123] N-ω-fluoropropyl- 2β-carbomethoxy- 3β-(4-iodophenyl) nortropane |
化学的データ | |
化学式 | C18H23FINO2 |
分子量 | 431.29 g·mol−1 |
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イオフルパン (123I)(Ioflupane (123I))は、神経画像診断用のコカイン類縁物質であり、パーキンソン病の診断や、同様の症状を示す他の疾患との鑑別診断に使用される放射性医薬品である。DaTSCAN法では、患者に注射してガンマカメラで撮影し、大脳基底核の皮質下領域である線条体を中心とした脳のSPECT画像を取得する[3]。
以下の疾患の診断におけるドパミントランスポーターシンチグラフィ[4]
製造時に導入されるヨウ素は放射性同位体であるヨウ素123であり、ガンマカメラで検出できるのはこの同位体のガンマ崩壊である。123Iの半減期は約13時間、ガンマ線のエネルギーは159keVであり、医療用画像診断に適した放射性核種である。また、溶解性を高めるために5%のエタノールが含まれており、点滴用のため無菌状態で供給される。
イオフルパンは、哺乳類の脳、特に線条体領域に存在するシナプス前のドーパミン輸送体(DAT)に高い結合親和性を持つ。パーキンソン病では、線条体領域のドーパミン神経細胞が著しく減少することが特徴である。ドーパミン輸送体に結合する薬剤を導入することで、輸送体の定量的な測定と空間的な分布を得ることが可能となる[要出典]。
イオフルパン溶液は検定後7時間以内に使用する必要がある[4]。その公称注入量は185MBq[3][4]であり、111MBq未満では検査を行うべきではない。放射性ヨウ素の不要な過剰摂取を最小限に抑える為に、120mgのヨウ化カリウムを経口投与して甲状腺を防護する事が推奨される[5]。 これは通常、注入の1~4時間前に行われる[3][6]。静脈内投与を行う最も簡便な方法は、末梢静脈カニューレを介するものである。検査は、注射後3~6時間後に実施される[5][6]。
イオフルパンの重大な副作用として過敏症が記載されている[4]。一般的な副作用は、頭痛、めまい、食欲増進、蟻走感である。注射部位の痛みを感じる患者は1%未満とされている[3]。
放射線被爆リスクは低いと報告されている。体重70kgの患者が1回の検査を受ける場合の実効線量は4.6mSvである[7]。 妊娠中の患者は検査を受けられない。123I-イオフルパンが母乳中に分泌されるか否かは不明であるが、投与後3日間は授乳を中断することが推奨されている[3]。