イタロ・ハウス | |
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様式的起源 |
イタロ・ディスコ ハウス |
文化的起源 | 1980年代後半イタリア |
使用楽器 | シンセサイザー、ドラムマシン、シーケンサー、キーボード、サンプラー |
派生ジャンル | ユーロダンス、イタロ・ダンス |
イタロハウス(Italo house)は、ハウスとイタロ・ディスコを組み合わせた、イタリア、イギリス、アメリカで1980年代後半から1995年頃に人気の高かったハウス・ミュージックである。
主な音楽の特徴は、クラシックのシカゴ・ハウスのレコードよりも、一層熱狂的な曲調で、(主にエレクトリックの)ピアノのコードが使われているハッピーで陶酔的なサウンドである。最もよく知られているブラック・ボックスの"Ride On Time" (1989) が挙げられる。
更に、このジャンルは、他の作品から(通常は無関係の曲からフレーズを借用する)特徴的なフレーズを大胆に借用するという点と、しばしばイタリア歌詞を意味のわからない英語歌詞へ訳される点において、2つの特徴がある。前者の典型例としては49ersのレコードが挙げられ、後者の典型例としてはブラック・ボックスの"Everybody Everybody" (1990) のレコードが挙げられる。
意味の良くわからない英語歌詞(あるいはバラエティーの意味合いとして使われているサンプリング)は、ディスコからドラムンベースに至るまで移り変わりのある音楽の流行においても、常に不変の印象と魅力を持っており、一定のリスナーに支持されている。
同様に、無名のヨーロッパのシンガーを起用し、完全とは言えない英文法と英語の発音を用いていたイタロディスコが、初期のエレクトロニカとハイエナジー (HiNRG) と同じようなジャンルとして定義されたのに対し、イタロハウスは大部分がその熱い歌詞、またはセリフ、サンプリングの不思議さによって定義されていた。
イタロハウスは1990年代初頭からポピュラーになった。このジャンルは元々Gianfranco Bortolottiのプロダクションによって開拓された。彼の別名義はCappella、R.A.F、East Side Beat[1]そして49ersがある。イタリアで作られたレコードは1990/91年のUKダンスチャートでヒットした。Ashaの"JJ Tribute"、DJ Hの"Think About"、Last Rhythmの"Last Rhythm"そしてJinnyの"Keep Warm"のような曲のメロディーは高揚感がありハッピーなバイブを奏でていた。K-Klass、BassheadsそしてFelixのようなアーティストたちは、イタリアンピアノサウンドをベースに、高揚感のあるメロディーを今も作り出しているが、DJ Sashaのようなそのサウンドのパイオニアたちは、ずっと前にピアノハウスのハッピーなバイブから離れて他のスタイルを模索している[2]。
90年代後半以降のイタリアではマイナーなジャンル扱いであったが、2010年代半ばあたりから、Micky MoreやAndy teeといった、イタロハウスにルーツを持つ、新世代のアーティストたちがあらわれ、精力的に楽曲リリース、Remixなどを行っている。
なお、余談ではあるが、日本では90年代以降、イタリア制作のユーロビートが、avexのスーパーユーロビートシリーズに収録され、愛好者の間で根強く聴かれている。