イトキンポウゲ | |||||||||||||||||||||
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栃木県日光市 2021年7月上旬
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Ranunculus reptans L. (1753)[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
イトキンポウゲ(糸金鳳花)[5] |
イトキンポウゲ(糸金鳳花、学名: Ranunculus reptans)は、キンポウゲ科キンポウゲ属の多年草。水際に生え、茎は地面を這い、やや弓なりに曲がって地について発根する[5][6][7][3]。
根はわずかに肥厚し、粗いひげ状になって束生し、節から白いひげ根を出す。茎は緑色で、長さ4-30 cm、径0.1cmになり、やや弓なりに曲がって節で地面につきながら長く地上を這い、まばらに数回分枝する。茎は無毛または白色の伏した毛が生え、節からは茎葉も出る。根出葉は緑色で、線形から線状さじ形、上部のものはしばしば狭いへら状になり、長さ3-10cm、幅0.1-0.2cm、全縁で、基部はやや広がって短い鞘状になって茎を抱く。茎につく葉は根出葉とほぼ同じ[5][6][7][3]。
花期は7-9月。花は光沢のある黄色で、径6-5-8mm、茎先または葉腋に1個つくか数個が集散状につく。花柄は長さ2-6cmで斜上し、緑色でまばらに伏毛が生える。萼片は5個あり、黄色で中肋は緑色、広卵形で長さ3 mm、幅2 mm、舟形で、背面にまばらに伏毛がある。花弁は5個、ときに4-9個あり、倒卵状楕円形で、長さ3.5-4mm、幅2-3 mm、蜜腺は径0.5 mmでコップ状になり、付属体はない。雄蕊は黄色で多数あり、葯は長さ0.5 mmになる楕円形で、花糸は扁平に広がる。雌蕊も多数ある。果実は球形の集合果で、径4mmになり、果托に毛は生えない。痩果は倒卵状円形で、長さ1 mm、ごく小さな突起があり、嘴は長さ0.3 mmで、先端は鉤状に強く曲がる。染色体数は2n = 32[5][6][7][3]。
日本では、北海道の東部・西南部、本州の福島県・栃木県・群馬県(尾瀬、奥日光、野反湖)に分布し[6][7][3]、湿地、山中の湖畔の砂地、池や沼のほとりなどに生育する[5][6][7][3]。世界では、千島列島、樺太のほか[6]、 種としては北半球の亜寒帯全域に広く分布する[3]。
分布地によって形体がごく少しちがうことがあり、尾瀬産のものは葉が細く短く、奥日光産のものは葉が細く長く、千島列島産のものは葉の幅が少し広く長いという[6]。
和名イトキンポウゲは、「糸金鳳花」の意[5]。「糸」は、葉や茎のようすを表す。漢名は「zh:松葉毛茛」[5]。
種小名(種形容語)reptans は「匍匐性の」「這って根を出した」の意味[8]。
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
(2020年、環境省)、2000年RDBまでは絶滅危惧IB類(EN)
都道府県のレッドデータ、レッドリストの選定状況は次の通り[9]。北海道-準絶滅危惧(Nt)、福島県-絶滅危惧II類(VU)、栃木県-絶滅危惧II類(Bランク)、群馬県-絶滅危惧II類(VU)、新潟県-絶滅危惧I類(EN)