ウスバシロチョウ

ウスバシロチョウ
P. c. shikokuensis亜種の従基準標本
石鎚山で採集)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
上科 : アゲハチョウ上科 Papilionoidea
: アゲハチョウ科 Papilionidae
亜科 : ウスバアゲハ亜科 Parnassiinae
: ウスバシロチョウ族 Parnassiini
: ウスバシロチョウ属 Parnassius
亜属 : Driopa
: ウスバシロチョウ P. citrinarius
学名
Parnassius citrinarius Motschulsky, 1866
シノニム

Parnassius glacialis citrinarius Motschulsky, 1866

和名
ウスバシロチョウ
英名
Glacial Apollo
Japanese Clouded Apollo
亜種
  • P. c. citrinarius
  • P. c. shikokuensis

ウスバシロチョウ(薄羽白蝶、Parnassius citrinarius)は、チョウ目アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科に属するチョウの一種。「ウスバアゲハ」と呼ぶこともある[1]

分布

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中華人民共和国東部、朝鮮半島日本に分布。日本国内では北海道から本州四国にかけて分布[2]。北方系のチョウなので、西南日本では分布が限られる。

特徴

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長は25-35mm。翅は半透明で白く、黒い斑紋がある。体毛は黄色く細かい。年1回、5-6月頃(寒冷地では7-8月頃)に発生する[2]。卵で越冬し、2-3月頃に孵化。日本の日本海側の多雪地帯では個体は黒く、太平洋側の低山地では白い個体が多い傾向がある[3]

幼虫の食草はケシ科ムラサキケマンエゾエンゴサクヤマエンゴサクなど。時にマユを作る数少ないチョウ。

吸蜜するウスバシロチョウ 裏翅
吸蜜するウスバシロチョウ 裏翅

分類

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Parnassius glacialisの亜種(P. g. citrinarius)とされてきたが、独立種P. citrinariusとするべきことが近年明らかになった。

  • P. c. citrinarius
  • P. c. shikokuensis

近縁種

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ヒメウスバシロチョウ Parnassius stubbendorfii hoenei Schweitzer, 1912
ウスバキチョウ Parnassius eversmanni daisetsuzanus Matsumura, 1926

種の保全状況評価

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日本では、茨城県レッドリストの絶滅危惧種の指定を受けている[4]東京都では、北多摩で情報不足、本土部、南多摩と西多摩でランク外の指定を受けている[1]

脚注

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  1. ^ a b 東京都の保護上重要な野生生物種(本土部)~東京都レッドリスト~2010年版” (PDF). 東京都環境局. pp. 92 (2011年4月). 2012年7月14日閲覧。
  2. ^ a b 蝶 (2006)、97頁
  3. ^ 蝶 (2006)、12頁
  4. ^ レッドデータブック掲載種一覧<動物編>”. 茨城県生活環境部 (2000年3月). 2012年7月14日閲覧。

参考文献

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  • 猪又敏男(編・解説)、松本克臣(写真)『蝶』山と溪谷社〈新装版山溪フィールドブックス〉、2006年6月。ISBN 4-635-06062-4 
  • 木野田君公 『札幌の昆虫』 北海道大学出版会、2006年、ISBN 4-8329-1391-3
  • 白水隆 『日本産蝶類標準図鑑』 学習研究社、2006年、ISBN 4-05-202296-3

関連項目

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