エコール・サントラル(フランス語: École Centrale)[1]は、フランスの工学・技術系エリート養成のための国立の高等教育機関で、グランテタブリスマン及びグランゼコール(国立理工科学院連合)のひとつ。略称として"EC"とも表記される。
正式名称はÉcole Centrale des Arts et Manufactures。エコール・ポリテクニーク、パリ国立高等鉱業学校と並び称される理工系3大グランゼコールの1つで、フランスでの理工学・技術系における最高教育機関として一般に評価されている[2][3]。
英語読みでエコール・セントラルとも、また日本語表記では、仏語直訳の中央学校や中央工芸学校、中央工業大学校、国立高等工業学院などともよばれている。企業との結び付きが強いのが特徴で、卒業生の多くは幹部候補生として迎えられる。
1829年、パリにエコール・サントラル・パリ(École centrale Paris; ECP、当時の名称は École centrale des arts et manufactures de Paris)が開校、その後、リール、リヨン、マルセイユ、ナントにそれぞれ、
が開校した。
各校はそれぞれ独立していたが、1990年にエコール・サントラル共同委員会(グループ)(Intergroupe des écoles centrales)を結成し、共調運営されるようになった。
2005年9月に北京にフランス系中国人/中国系フランス人技術者養成機関(École centrale de Pékin)を開校し、エコール・サントラル・グループは現在、フランス国内に5校、国外を含めると6校を擁している。
幅広い知識を身に付けたジェネラリストの養成を目的とし、入学後2年間は専攻を持たず、数学、物理、化学、生物、工学など各分野を広汎に習得する。また企業や団体でのインターンシップにも重点が置かれ、CNRS、INRIA、フランス原子力庁 (CEA) をはじめとする多くの国立研究機関や企業、フランス国内外の大学の研究室と共同研究を行っている。
修了年限は3年であるが、専門性を追求する者は修士・博士課程に進学できる。在学生および卒業生はサントラリアン(Centralien) とよばれる。
多種のファイルフォーマットをサポートし、愛用者の多いフリーソフトVLCメディアプレーヤー (VLC media player)は、エコール・サントラル・パリの学生達によって開発された。
1998年、同志社大学がエコール・サントラル・ド・リールとの間で、日本初のフランスとの修士レベルの単位交換協定を結び、留学プログラムを開始した。以降、東北大学等がエコール・サントラル・グループと協定を結び、日本の各校とエコール・サントラルの1校が相互協定を始めたが、その後同志社大学、東北大学、慶應義塾大学を日本側グループとし、フランス国内のエコール・サントラル・グループ全校と3対5の一括協定を締結して、学生にとって自由度が増した。
2006年度より慶應義塾大学理工学部よりパリ校へ1名、リヨン校へ2名、ナント校へ2名、リール校へ1名の学生が2年間派遣された。2007年9月からは同志社大学、東北大学からも学生がリヨン校へ2名派遣されている。また慶應義塾大学からマルセイユ校への派遣も開始された。
フランスのエコール・サントラル各校からも、同プログラムの下で同志社大学、東北大学、慶應義塾大学、同志社大学へ修士クラスの学生が派遣されている。