エドマンド・クーパー(Edmund Cooper, 1926年4月30日 - 1982年3月11日)はイギリスのSF作家。チェシャー州マープル(現・大マンチェスタ州マープル)生まれ。
戦前、若くして働き始め、職を転々としたのち教師になる。第二次世界大戦中は商船に乗務。戦後にSF短編を書き始め、1958年にはアンドロイドと未来社会を扱った長編第一作『アンドロイド』をアメリカの出版社から発表。この作品は好評で、SF作家として認知された。[1]
福島正実はクーパーの作風について以下のように述べている。「戦後、SF作家をこころざし…(略)世に出る機会を掴んだのは、彼の教養のあるやや古風な文体と、イマジナティブヴな作風とが、えらんだSF的なテーマを非常に新鮮な感じの作品にしたからだろうか。」[2]
他の作品として、破滅ものの『太陽自殺』などがある。短編は、おそらく一編も日本語に翻訳されていない。
リチャード・エイヴァリー(Richard Avery)名義では、もう少し娯楽性の強いSFを書いている。エイヴァリー以外にも幾つかの別名がある。
- Deadly Image (The Uncertain Midnight) (1958)
- Tomorrow's Gift (1959?) 未訳短編集
- Seed of Light (1959?) 未訳
- Voices in the Dark (1960) 未訳短編集
- Transit (1964)
- 『転位』中尾明訳、ハヤカワ・SF・シリーズ(1970年)
- Tomorrow Game (1965?) 未訳短編集
- All Fool's Day (1966)
- 『太陽自殺』林克己訳、ハヤカワ・SF・シリーズ(1968年)
- A Far Sunset (1967)
- 『遥かなる日没』中尾明訳、ハヤカワ・SF・シリーズ(1971年)
- Five to Twelve (1968) ハヤカワ・SF・シリーズ未刊
- News from Elsewhere (1969?) 未訳短編集
- The Last Continent (1969) 未訳
- Sea-Horse in the Sky (1969) 未訳
- Son of Kronk (1970) 未訳
- Kronk (1972) 未訳
- Unborn Tomorrow (1971) 未訳
- Slaves of Heaven (1975) 未訳
- Overman Culture (1977) 未訳
- Prisoner of Fire (1977) 未訳
- The Expendables Series 「コンラッド消耗部隊」シリーズ(創元推理文庫SF部門)
- Death Worms of Kratos (1974) 『クレイトスの巨大生物』石田善彦訳(1980年)
- Rings of Tantalus (1975) 『タンタロスの輪』宮脇孝雄訳(1980年)
- The War Game of Zelos (1975) 『ゼロスの戦争ゲーム』石田善彦訳(1980年)
- The Venom of Argus (1976) 『アルゴスの有毒世界』宮脇孝雄訳(1981年)
マーティン・レスター(Martin Lester)名義
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ジョージ・キンリー(George Kinley)名義
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ブロデリック・クエイン(Broderick Quain)名義
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- They Shall Not Die (1954) 未訳
- ^ 『クレイトスの巨大生物』(1981年4版)巻末「訳者あとがき」(石田善彦)
- ^ 『アンドロイド』(1960年初版)巻末解説「ロボット女性No. 1」より引用