エリック・シュピーカーマン (Erik Spiekermann,1947年5月30日 −)はドイツのタイポグラファー、デザイナーである。ブレーメン美術大学教授。
自宅の地下室で金属活字による印刷所を経営しながら[1]ベルリン自由大学で美術史を学んだ。1972年から1979年の間はフリーランスのグラフィックデザイナーとしてロンドンで活動し、ベルリンに戻った後、2人の恊働者とともに事務所MetaDesignを開設。
1989年、妻ジョアン(Joan Spiekermann)とともに、メール・オーダーでデジタル・フォントの配給に対応する業界初のフォントショップ、FontShopを開く。同ショップは現在FontShop Internationalに名を改め、FontFont[2]を通じて多様なフォントを販売している。
MetaDesignではいわゆるドイツ的清潔さを押し出したインフォメーション・デザインを複雑なコーポーレート・デザインに応用するアプローチで、BVG(ベルリン交通)やデュッセルドルフ空港、アウディ、フォルクスワーゲン、ハイデルベルク・プリンティングなどをクライアントに仕事を行った。
2001年、ポリシーの不一致からMetaDesignを離れ、ベルリン・ロンドン・サンフランシスコを拠点にUDN(United Designers Networks)を創設。
2006年4月、デザインへの貢献に対しパサデナのアート・センター・カレッジ・オブ・デザイン(Art Center College of Design)により名誉博士号を授与されている[3]。
クリスチアン・シュヴァルツ(Christian Schwartz)とともにデザインしたドイチェ・バーン(ドイツ鉄道)のための書体は2006年のドイツ連邦デザイン賞ゴールド・メダルを受賞している。この賞はこの分野でドイツ最高の賞である[3]。
2007年、UDNはSpiekermanPartnersに名を改めた。
シュピーカーマンによるタイプフェイスには、FF Meta、Berliner Grotesk BQ、FF Info Display、FF Info Office、FF Info Text、FF Meta Boiled、FF Meta Condensed、FF Meta Correspondence、FF Meta Subnormal、ITC Officina Display、ITC Officina Sans、ITC Officina Serif、FF Unitなどがある。また、このほかにもコーポーレート・デザインの一部としてデザインされた書体が複数ある[4]。
共著に『羊泥棒をやめて文字の仕組みを知ろう』(Stop Stealing Sheep & Find Out How Type Works)[5]がある。
数多くのコーポレート・アイデンティティの制作やその他の仕事があり、よく知られているものでは雑誌版『エコノミスト』および同じく雑誌『Reason』の再デザインがある。[6]