エンブラエル EMB-110
「バンデイランテ」
エンブラエル EMB 110 バンデイランテ(Embraer EMB 110 Bandeirante)は、ブラジルのエンブラエルが最初に製造した地域路線専用の双発ターボプロップ旅客機である。
ブラジルの国営航空機製造会社のエンブラエルの最初の旅客機として、1960年代中盤に製造が計画された。設計開始は1965年で、軍用のプロトタイプYC-95が初飛行したのは1968年10月であった。その後旅客機のプロトタイプが1972年8月9日に初飛行し、商業路線には1973年4月16日に就航した。
その後様々な軍民様々な派生型が製造されたが、大型化した後継機EMB 120が登場したために、1990年に製造が終了した。1968年から1990年まで軍民あわせて500機生産され、同社を世界的航空機メーカーに躍進させた旅客機である。
愛称は「バンデイランテ(別名:バンデランテ)」といい、ポルトガルの植民地時代のサンパウロの奴隷狩り「エントラーダ(探検隊)」に由来し、ポルトガル語でボーイスカウトの意である。
日本では、西瀬戸エアリンクによって1987年4月に西中国・四国と東九州の地方都市である広島空港(現在の広島西飛行場)、松山空港、大分空港の各空港を結ぶ三角形状の航空路線に就航した。この時の機体は海外で運用されていた中古機であった。
その後同社は営業不振のため撤退し、路線はジャルフライトアカデミー(現・ジェイエア)に移管されたが、1991年9月に後継のJS31が導入されたため退役。日本の空から姿を消した。