オオバアサガラ | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福島県浜通り地方 2017年6月
| |||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Pterostyrax hispidus Siebold & Zucc. (1846)[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
オオバアサガラ(大葉麻殻)[3][4] |
オオバアサガラ(大葉麻殻[5]、学名: Pterostyrax hispidus)は、エゴノキ科アサガラ属の落葉小高木[3][4][6]。
和名オオバアサガラは「大葉麻殻」の意で、葉が大きいアサガラのこと。アサガラとは「麻殻」の意で、樹木の材質がもろく折れやすい皮をはいだ麻の茎「おがら」のようであることからによる[4]。
日本では、本州、四国、九州(中北部と対馬)に分布する[3][4][6]。国外では、中国大陸中部に分布する[3][6]。山地の谷沿いなどの湿った場所に生育する[7]。
落葉広葉樹の小高木から高木[7][5]。幹は直立し、枝分かれして、樹高は8 - 10メートル (m) になる[5]。樹皮は淡黒色から暗灰色で、生長とともに浅く縦に裂け目ができる[5]。一年枝は黄褐色で、ほぼ無毛である[5]。若い枝は折れやすく、ほとんど無毛で皮は糸状にはがれる[7]。葉は互生し、葉身は楕円形、やや倒卵状楕円形または長楕円形から卵状長楕円形で、長さ10 - 25センチメートル (cm) [7]、幅5 - 8 cm、先は急鋭頭から鋭尖頭、基部は鋭形またはやや円形、縁には腺状の細かい鋸歯がある。葉質は薄く、裏面は灰白色で微細な星状毛におおわれ、特に葉脈沿いに白長毛があり、主脈と8 - 12対の側脈が隆起する。葉柄は長さ5 - 22ミリメートル (mm) になる[3][4][6]。
花期は6月[7]。枝の先端に垂れ下がった円錐花序をつけ、花序は長さ13 - 20 cmになり、下向きに白色の花を多数つける[7]。花柄はごく短い。萼は鐘形で5裂し、萼裂片は三角形になる。花冠は長さ6 - 7 mmで基部まで5深裂し、離生した花弁は長楕円形で星状毛がある。雄蕊は10個あって花冠より長く、花糸の内側に長毛が生える。雌蕊は1個で雄蕊より少し長く、先端部以外に長毛がある。アサガラより花は小さい[7]。果実は狭倒卵形の核果となり、宿存する萼に包まれ、長さ約7 - 10 mmで10稜があり、淡褐色の長毛が密生し、先端に長い嘴状の花柱が残存する[3][4][6]。果実は果序ごと枝にぶら下がる[5]。
冬芽は小枝に互生し、形は長卵形で、特に頂芽は細長く先端が尖る[5]。側芽は頂芽よりも小さい[5]。芽鱗は早くに落ちて裸芽となり、表面には星状毛が密生する[5]。葉痕にはU字形の維管束痕が1個つく[5]。
材がやわらかいので箸やマッチの軸木などに利用される[7]。材に淡黄白色の美しい絞り模様があるため、床柱などの装飾用に使用されることがある[3]。