IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | リムパーザ, Lynparza |
法的規制 |
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データベースID | |
CAS番号 | 763113-22-0 |
ATCコード | L01XX46 (WHO) |
PubChem | CID: 23725625 |
IUPHAR/BPS | 7519 |
ChemSpider | 23343272 |
UNII | WOH1JD9AR8 |
KEGG | D09730 |
ChEBI | CHEBI:83766 |
ChEMBL | CHEMBL521686 |
化学的データ | |
化学式 | C24H23FN4O3 |
分子量 | 435.08 g/mol |
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オラパリブ (Olaparib, AZD-2281, Ku-0059436) は、進行した卵巣癌への分子標的治療薬として、アストラゼネカの リムパーザ(Lynparza) が2014年12月に米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)から承認を得ている[1][2][3]。日本でも2018年1月に「白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣癌における維持療法」を効能・効果として承認[4]。2018年7月2日「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」についても適応が承認された[5]。
DNA修復に関与するポリADPリボースポリメラーゼを阻害するPARP阻害剤である。がん抑制遺伝子であるBRCA1やBRCA2に変異をもつがんは本剤に感受性が高く、BRCA1/2遺伝子に変異を有する卵巣癌、乳癌、前立腺癌、膵臓癌等の治療に用いられる。
400 mgを1日2回経口摂取する[2]。1日の合計摂取量は800 mg[2]。1週間分となる 50 mgカプセル112個入りボトル が $3,000 で販売されている[6]。
選択的阻害剤の一種であり PARP-1 (英語版) と PARP-2 (英語版) への作用 IC50 はそれぞれ 5 nM と 1 nMである[7]。400 mgを1日2回摂取した時の血中濃度は Cmax ss = 1.18-14.2 µg/mL、AUC0-12 = 6.48-154 µg.h/mL[8]。
ヒト正常細胞においてもPARP阻害薬オラパリブは作用し、ゲノム不安定性を招き染色体異常が増加する。進行癌以外でPARP阻害薬を使用する場合は注意が必要[9]。
重大な副作用として[10]、骨髄抑制〔貧血(33.7%)、好中球減少(14.4%)、白血球減少(12.1%)、血小板減少(8.8%)、リンパ球減少(7.4%)等〕と間質性肺疾患(0.9%)が知られている。