オルニトスクス科 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||
後期三畳紀 | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ornithosuchidae von Huene, 1908 | ||||||||||||||||||||||||||||||
属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
オルニトスクス科(オルニトスクスか、学名:Ornithosuchidae)は、後期三畳紀に生息した、絶滅した偽鰐類に属する主竜類の科[1]。ポポサウルス科やラウイスクス科をはじめとする他の偽鰐類と同様に直立歩行式の四肢を有し、二足または四足で行動した[1]。ラウイスクス類と並び、肉食恐竜が台頭する以前であった後期三畳紀における典型的な肉食動物であった[2]。2020年時点で既知の化石は南アメリカ大陸(アルゼンチンとブラジル)およびスコットランドで産出している[3]。三畳紀とジュラ紀の境界で化石記録が途絶しており、三畳紀末の大量絶滅でワニ形類を除く他の偽鰐類や植竜類と共に絶滅したとされる[1]。
オルニトスクス科はより基盤的な主竜形類である植竜類と同様に四足歩行の動物であったが、植竜類と異なり這い歩き型でなく、四肢が重心の下に真っ直ぐに伸びる直立型の姿勢を取っていた[1]。後肢のみを用いた二足歩行での走行も可能であったと考えられており[1]、二足歩行性の動物としてオルニトスクス科を説明する文献もある[4]。
オルニトスクス科の頭蓋骨の特徴として、上顎を構成する上顎骨と前上顎骨との間に大きな間隙が存在することが挙げられる[1]。咬合した際には、牙のように発達した歯骨歯(下顎の歯)がこの隙間を通るようになっている[1]。
オルニトスクス科の動物の化石はアルゼンチンとブラジルおよびスコットランドで発見されている[3]。ブラジル南部から報告されたディナモスクスは約2億3000万年前の当該地域に生息していたとされ、最古級の恐竜が生息した当時において共存していたことが示唆されている[3]。同じく南アメリカ大陸に位置するアルゼンチンからはヴェナチコスクス[1]とリオジャスクス[5]が報告されている。本科のタイプ属であるオルニトスクスはスコットランドで化石が産出した[2]。
オルニトスクスは全長4メートルに達する大型かつ肉食の三畳紀主竜類であったが[2]、かつては鳥類の祖先あるいはそれに近い生物と推測されていた[4]。20世紀前半において鳥類は槽歯類から進化したと考えられており、槽歯類に位置付けられていたオルニトスクスもその名(ornithoは「鳥」、suchusは「ワニ」を意味する)が示すように鳥類との関係が考察されていた[4]。その後、獣脚類のコエルロサウルス類に鳥類と共通する叉骨が認められたこと、「槽歯類」に共通する標徴形質が存在しないことから、鳥類の起源候補は獣脚類の恐竜が有力になっていった[4]。21世紀現在、オルニトスクス科と鳥類との間に近接した類縁関係を求める考えは支持されていない。
21世紀においてオルニトスクス科は偽鰐類に位置付けられているが、偽鰐類内での類縁関係は研究者によって見解が分かれている[1]。Brusatte et al. (2010)の系統樹において、オルニトスクス科はラウイスクス類(ポポサウルス上科とラウイスクス上科)と1つの分岐群に纏められており、彼らの共通祖先がワニ形類・鷲竜類の共通祖先と枝分かれした形で扱われている[1]。この一方で、Nsbitt (2011)でオルニトスクス科は偽鰐類のうち最も基盤的な位置に置かれており、偽鰐類と鳥中足骨類が分岐した後にいち早く枝分かれしたものがオルニトスクス科とされている[1]。
以下はNesbitt (2011)に基づくクラドグラム[6]。
主竜形類 |
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オルニトスクス科の動物はラウイスクス類と並び後期三畳紀における強力な肉食動物として扱われている[2]。また、オルニトスクス科を腐肉食動物とする見解もある[3]。ディナモスクスは肉を食い千切る鋭利な歯や骨を破砕する強靭な顎を有した一方、移動速度が低かったと推測されており、後期三畳紀において腐肉食動物としての地位を担っていた可能性が考えられている[3]。