オールドマン・ローガン

ローガン
出版情報
出版者マーベル・コミック
初登場Fantastic Four #558 (2008年8月)
クリエイター
作中の情報
本名ジェームズ・"ローガン"・ハウレット
所属チーム
  • X-メン
  • ファンタスティック・フォース
能力
  • 超人的な感覚、腕力、スピード、耐久力、反射、スタミナ
  • ヒーリング・ファクターによる長寿
  • アダマンチウムに覆われた骨格
  • 格納可能な骨爪
  • 熟練の戦闘員としての手腕
Wolverine: Old Man Logan
シリーズ出版情報
掲載間隔Monthly
形式オンゴーイング・シリーズ
主要キャラウルヴァリン
制作者
ライター(オリジナル)
マーク・ミラー
(vol. 1)
ブライアン・マイケル・ベンディス
(vol. 2)
ジェフ・レミア英語版
ペンシラー(オリジナル)
スティーブ・マクニーブン
(vol. 1)
アンドレア・ソレンティーノ
(vol. 2)
アンドレア・ソレンティーノ
コレクテッド・エディション
Wolverine:
Old Man Logan
ISBN 0-7851-3159-0

オールドマン・ローガンOld Man Logan)は、マーベル・コミックのキャラクターであるウルヴァリンのオルタナティブ版である。キャラクターはスーパーヴィランによってスーパーヒーローが全滅させられた可能性の未来世界であるアース-807128のウルヴァリンである。もともとはマーク・ミラー脚本、スティーブ・マクニーブン作画のオンゴーイング・シリーズ『ウルヴァリン』で自己完結型の物語として紹介され、キャラクターはファンから大きな人気を得た。ウルヴァリンの死英語版後、X-23がウルヴァリンの名を継いだが、オールドマン・ローガンはX-メン英語版の一員となり、また自身が主役のオンゴーイング・シリーズにも登場する[1]

出版上の歴史

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出版上ではオールドマン・ローガンはマーク・ミラーがライターを務めていた時の『ファンタスティック・フォー』で初登場し、キャラクターは高齢化したウルヴァリンであると暗示されていた。『Wolverine: Old Man Logan』のストーリーラインはマーク・ミラー脚本、スティーブ・マクニーブン作画の時のオーンゴーイング・シリーズ『ウルヴァリン』で2008年6月より始まった。『ウルヴァリン』第66号から第72号まで続き、2009年9月の『ウルヴァリン・ジャイアントサイズ・オールドマン・ローガン』で完結した。

2015年に『シークレット・ウォーズ』のストリーラインが展開されると、ブライアン・マイケル・ベンディス脚本、アンドレア・ソレンティーノ作画によるリミテッド・シリーズ『オールドマン・ローガン』が刊行される[2]。さらにそのストーリーは2016年1月から始まった同名のオンゴーイング・シリーズに引き継がれ[3]、脚本はジェフ・レミア英語版、作画はソレンティーノが務めた。

キャラクターのバイオグラフィ

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オリジナル・ストーリー

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スーパーヴィランによりアメリカ合衆国が占領され、各地はそれぞれアボミネーション英語版(後にハルクに敗北)、マグニートー(後に新生キングピンに敗北)、ドクター・ドゥーム、そして大統領を自称するレッドスカルによって分割統治された未来。ヒーローのほとんどは死に絶え、僅かに残った生存者たちは隠れて生き延びていた。ローガンはハルクランド(かつてのカリフォルニア州サクラメント)の不毛の地で妻のモーリーンと幼い子供のスコッティとジェイドと共に過ごしていた。ローガンは領主であるハルク・ギャング(ハルクとその従姉妹のシー・ハルク近親相姦で生まれたヒルビリー英語版風の孫たち)から家賃の支払いを迫られたため、謎の荷物(ローガンはドラッグの類だと思っている)を届ける盲目のホークアイを東海岸にある首都のニューバビロンまで送り届ける仕事を引き受ける[4]

ローガンとホークアイは旅の途中でいくつかの障害にぶつかる。2人はホークアイの娘のアシュレイ・バートン(スパイダーガールと似た格好をしている)を新生キングピンから救出に向かう。解放された彼女は直後にキングピンを殺害し、ハンマーフォールズ(かつてのラスベガス)の新たな支配者になるつもりであることを明かす[5]

都市を脱出し、さらに地下のモーロイド英語版をかわした2人は今度はヴェノム・シンビオートに寄生された恐竜(サベッジランド英語版から輸入された)に襲われる。2人はホワイトクイーン英語版ブラックボルト英語版により救出され、テレポートさせられる[6]

ストーリーを通してヴィラン軍がヒーローを総攻撃した日に「ウルヴァリン」としての自分が死亡し、ローガンが爪を使わなくなった(ただし後に『Old Man Logan』第14号(2016年)でサイレント・オーダーの指導者を倒すために一度だけ使っていた姿が描かれる)ことが明らかにされる。回想で40人のスーパーヴィラン軍がX-マンション英語版を襲撃した夜が描かれる。他のチームメイトの姿が見られない中ウルヴァリンはミュータントの子供達を守るために次々とヴィランを殺害する。だが最後の「襲撃者」であるブルズアイを殺した直後、ウルヴァリンはミステリオの幻術能力に騙されており、敵だと思い込んで殺した者はX-メンの仲間たちだったことに気づく。錯乱したウルヴァリンはマンションから逃げ出し、彷徨い歩いた末に貨物列車が迫る線路の中へと飛び込んだ。ヒーリング・ファクターのお陰で死ぬことはなかったが、彼は「ウルヴァリン」としての自分を殺した[7]

マンハッタンのミッドタウン・コミックス英語版でコレクテッド・エディションにサインをするライターのマーク・ミラー

首都へと到着するとホークアイはアベンジャーズのような新チームの設立を目指す地下レジスタンス組織に荷物を渡す。荷物の中身は軍隊を結成できる量の超人兵士血清英語版だったが、ホークアイの正体はS.H.I.E.L.D.の工作員であった。工作員はホークアイを殺害し、ローガンも撃つ[6]。ローガンの身体は治癒され、スーパーヒーローの武器や衣裳を飾られているレッドスカルの記念品室で目覚める。ローガンは爪を使わずに手下たちを倒し、キャプテン・アメリカの盾でレッドスカルを斬首する。ローガンは金を奪い取り、アイアンマンのアーマーを使って自宅へと飛ぶ。

自宅へとたどり着いたローガンであったが既に家族はハルクギャングによって殺され、死体となっていた。結果、ローガンはついに爪を解き放つこととなる[8]。彼はハルクの孫のボー、ボビー・ジョオ、チャーリー、エルロッド、ユースタス、ルーク、オーティス、ルーファス、ウッディを次々と殺害し、そして年老いたブルース・バナーのもとへとたどり着く。放射能の影響で気が狂ったと言われるバナーは、ローガンの家族を殺したのは見せしめのためではなく、「スーパーヴィランの領主」に飽きたのでウルヴァリンと戦いたかったのだと語る。巨大なハルクへと変身したバナーはローガンを食い殺そうとするが、胃の中で回復した彼によって引き裂かれて死亡する。その後彼は赤ん坊のブルース・バナー・ジュニアを連れ去っていく。ローガンは家族を葬り、隣人たちにヴィランの支配を終わらせて平和を取り戻す計画を語る。新たなスーパーヒーローチームの一員であるブルース・バナー・ジュニアを背負い、ローガンは夕日の方へと去って行く[9]

『シークレット・ウォーズ』(2015年)

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全てのマルチバースが破壊され、バトルワールド英語版が創造された時、ローガンはバトルワールドの領地の1つであるウェイストランドに転生する。どうやってバトルワールドに来たのかはわからなかったが、彼は元の世界の記憶は残していた。世界をより良くすると宣言した彼はポーカーを楽しんでいたグラディエーター英語版とフライング・デビルズを殺害し、彼らの人身売買組織を潰して捕らわれていた人々を解放する。その後ダニエル・ケイジに会いに戻るローガンは空から落下してくるウルトロン・センチネルの頭部を目撃する。ブルース・ジュニアとダニエルが住む家に戻った後、ウルトロンの頭部の出処を調べるローガンはハンマーフォールズを訪れ、瀕死のエマ・フロストと会う。頭部がウェイストランズの向こう側から来たことを知ったローガンは自身の住む領地を超えて旅を始める[10]

ローガンが国境を乗り越えようとするとソー・コァの1人が彼に接近する。彼女はローガンがドクター・ドゥームの法を犯したとして電撃で攻撃し、それにより彼はドメイン・オブ・アポカリプス英語版に吹き飛ばされる。ソーの攻撃による火傷が癒えたローガンはクリード英語版ホースメン・オブ・アポカリプス英語版の1人)とその兵士に攻撃されるが、X-メンにより助けられて彼らの隠れ家へと連れて行かれる。彼らはそこでアポカリプス英語版と他のホースメンの襲撃を受ける[11]

直後に始まった戦闘は以前にローガンを襲ったソーの介入で中断され、彼女がアポカリプスと口論を始めるとローガンは逃げ隠れる。怒ったソーはX-メンとホースメンの両方に雷撃を浴びせ、ローガンを探し始める。彼女が領域を隔てる壁の付近に現れるとそこをよじ登るローガンの攻撃を受ける。怒った彼女がローガンに雷撃を浴びせると彼は今度は隣の領域であるテクノポリスに落下する。ローガンはバロン・スタークとこの領域のソーであるグランド・マーシャル・ローズによりスターク・タワーへと連れて行かれる。傷が癒えたローガンはローズと戦うが敗北し、ドゥームの法を破った罰としてデッドランドへと追放される[12]

デッドランドで目覚めたローガンは襲ってくるゾンビの群れを退け、洞窟へと避難し、そこで長年暮らしていたという未感染のシー・ハルクを見つける。2人がゾンビに襲われるとシー・ハルクはローガンを救うために彼を掴んで壁の向こう側へと投げ飛ばし、自らを犠牲とする。ローガンが飛ばされたのはキングダム・オブ・マンハッタンと呼ばれる領域であった[13]

数年ぶりの文明世界をさまよっていたローガンはこの領域のジーン・グレイとエマ・フロストに会う。2人はローガンを残りのX-メンと「彼の」息子であるジミー・ハドソン英語版に会わせる。その後ローガンはゴッド・エンペラー・ドゥームに反乱するキングダム・オブ・マンハッタンのスーパーヒーローたちを率いる。事件後、ローガンは新たな世界で目覚める[14]

オールニュー・オールディファレント・マーベル

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ローガンはアース-616英語版ニューヨークで目覚める。どのようにしてここへ来たのかはわからないが、彼は過去の記憶を残していた。破滅的な未来のなるのを防ぐと決意したローガンの最初の敵は彼の未来でスコッティ・ローガンの野球帽を盗んだマイナーヴィランのブラック・ブッチャーであった。ローガンは直ぐに彼を殺す[15]

ローガンはブラック・ブッチャーの作業場を使って準備をする。彼はハルクがマンハッタンに居ることをラジオで知り、戦いを挑むが、そのハルクの正体がブルース・バナーではなくアマデウス・チョウ英語版であることを知る。警察から逃げたローガンはブルックリンのホークアイのアパートに助けを求めるが、そこで見つけたのはケイト・ビショップであった[16]

他のバージョン

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『ファンタスティック・フォー』

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老いたスーザン・ストーム英語版率いる新生ディフェンダーズ英語版がコズミック・エナジーを使って荒廃した世界を復興させるために時間を旅している際にオールドマン・ローガンとブルース・バナー・ジュニアが登場する[17]

他のメディア

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映画

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  • 『オールドマン・ローガン』は映画『X-MEN』シリーズヒュー・ジャックマンが演じるローガンが登場する最後の作品である2017年『LOGAN/ローガン』にインスピレーションを与えている[18]。映画はコミックのオリジンが取り入れられており、X-メンの仲間が死亡してから数年後の荒廃した世界を舞台にヒーリング・ファクターが衰えて老化したローガンが描かれる。

コンピュータゲーム

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コレクテッド・エディション

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タイトル 収録内容 出版日 ISBN
Wolverine: Old Man Logan Wolverine Vol. 3 #66–72, Giant-Size Old Man Logan #1 2010年9月22日 978-0785131724
Wolverine: Old Man Logan Vol. 0: Warzones Old Man Logan Vol. 1, #1–5 2015年12月8日 978-0785198932
Wolverine: Old Man Logan Vol. 1: Berzerker Old Man Logan Vol. 2, #1–4 2016年7月26日 978-0785196204
Wolverine: Old Man Logan Vol. 2: Bordertown Old Man Logan Vol. 2, #5–8 2016年10月25日 978-0785196211
Wolverine: Old Man Logan Vol. 3: The Last Ronin Old Man Logan Vol. 2, #9–13 2016年12月27日 978-1-302-90314-5

日本語版

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タイトル 収録内容 出版社 翻訳者 出版日 ISBN
ウルヴァリン: オールドマン・ローガン Wolverine Vol. 3 #66–72, Giant-Size Old Man Logan #1 ヴィレッジブックス 秋友克也 2017年5月12日 978-4864913324

脚注

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  1. ^ jmyers3 (December 10, 2016). “Old Man Logan and the Revival of Wolverine”. Comics Studies At the University of Mary Washington; MaryWashiComics.com. March 20, 2017閲覧。
  2. ^ Exclusive: Wolverine Joins Marvel's 'Secret Wars' With 'Old Man Logan'”. MTV.com (2015年2月13日). 2015年11月28日閲覧。
  3. ^ Axel-In-Charge: The Question of a Bisexual 'Hercules,' Looking Inside 'Invincible Iron Man'”. Comic Book Resources. 2015年11月28日閲覧。
  4. ^ Millar, Mark (w), McNiven, Steve (p), Vines, Dexter英語版 (i). Wolverine, no. 66 (2008年). Marvel Comics
  5. ^ Millar, Mark (w), McNiven, Steve (p), Vines, Dexter (i). Wolverine, no. 67-68 (2008年). Marvel Comics
  6. ^ a b Millar, Mark (w), McNiven, Steve (p), Vines, Dexter (i). Wolverine, no. 71 (2009年). Marvel Comics
  7. ^ Millar, Mark (w), McNiven, Steve (p), Vines, Dexter (i). Wolverine, no. 70 (2009年). Marvel Comics
  8. ^ Millar, Mark (w), McNiven, Steve (p), Vines, Dexter (i). Wolverine, no. 72 (2009年). Marvel Comics
  9. ^ Millar, Mark (w), McNiven, Steve (p), Vines, Dexter (i). Giant Size Old Man Logan (September 2009). Marvel Comics
  10. ^ Bendis, Brian Michael (w), Sorrentino, Andrea (p). Old Man Logan, no. 1. Marvel Comics
  11. ^ Bendis, Brian Michael (w), Sorrentino, Andrea (p). Old Man Logan, no. 2. Marvel Comics
  12. ^ Bendis, Brian Michael (w), Sorrentino, Andrea (p). Old Man Logan, no. 3. Marvel Comics
  13. ^ Bendis, Brian Michael (w), Sorrentino, Andrea (p). Old Man Logan, no. 4. Marvel Comics
  14. ^ Bendis, Brian Michael (w), Sorrentino, Andrea (p). Old Man Logan, no. 5. Marvel Comics
  15. ^ Old Man Logan vol. 2 #1"
  16. ^ Old Man Logan Vol. 2 #2
  17. ^ Fantastic Four #558 (August, 2008)
  18. ^ Yehl, Joshua (September 25, 2015). “Mark Millar Explains How a Wolverine: Old Man Logan Movie Could Work Without Marvel Studios Characters”. IGN. October 30, 2016閲覧。
  19. ^ Emma Frost Old Man Logan Costume”. MarvelHeroes.com. Gazillion Entertainment (2014年8月13日). 2016年11月27日閲覧。
  20. ^ Costume Page – Hawkeye Old Man Logan”. MarvelHeroes.com. Gazillion Entertainment. 2016年11月27日閲覧。
  21. ^ Chase Costumes are Back!”. MarvelHeroes.com. Gazillion Entertainment (2014年9月17日). 2016年11月27日閲覧。
  22. ^ Marvel Contest of Champions Old Man Logan Spotlight”. YouTube.com. Marvel Entertainment (February 4, 2016). March 20, 2017閲覧。
  23. ^ captainjoel (October 9, 2015). “Wolverine (Old Man Logan) - New Character Introduction and Analysis - Marvel Puzzle Quest”. YouTube.com. March 20, 2017閲覧。

外部リンク

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