カイセライ

カイセライ
緑化軌道上を走る主力車両・"シリオ"(2011年撮影)
緑化軌道上を走る主力車両・"シリオ"(2011年撮影)
基本情報
トルコの旗 トルコ
カイセリ県
所在地 カイセリ
路線網 2系統[1]
停留場数 55箇所[2]
輸送実績 37,190,920人(2017年[2]
開業 2009年8月1日[3][4][5]
運営者 カイセリ交通公社(KAYSERİ Ulaşım A.Ş.)[6]
路線諸元
路線距離 34.4 km[3]
電化方式 直流750 V
架空電車線方式[3]
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カイセライトルコ語: Kayseray)は、トルコの都市であるカイセリ市内を走る路面電車ライトレール)。2009年に開通し、2020年現在は路線バスと共にカイセリ都市圏自治体が所有するカイセリ交通公社(KAYSERİ Ulaşım A.Ş.)が運営する[4][5][6]

概要・歴史

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長年に渡り路線バス自家用車が交通機関の主力であったトルコの大都市であるカイセリでは、都市の発展に伴い道路の混雑を始めとした問題が表面化していた。そこで2000年から今後の発展や道路混雑の予測を基に、新たな公共交通機関の検討が始まった。2001年まで続いた調査ののち、複数の可能性から最も理想的な交通機関として市内を東西に結ぶライトレールが選ばれ、2005年に建設工事に関する入札を経て2006年1月に着工した[7][5]

建設はトルコのヤプ・メルケジトルコ語版が手掛け、緑化軌道や沿線への植樹などの環境への配慮や既存の交通機関との連携を念頭に置いた路線設計は海外からも高い評価を受けた。そして2009年8月1日、最初の路線となる全長17.5 kmの路線が開通した。その後、利用客は開通から2年が経過した2011年の時点で年間2,200万人以上を記録した他、住宅地やショッピングセンター、スポーツスタジアムなど沿線の新たな施設の開発も行われ、カイセライはカイセリ市における重要な公共交通機関として定着した[4][5][8]

その後、2014年にはエルジェス大学トルコ語版方面へ分岐する支線を含めた複数の延伸工事が完成しており[注釈 1]2020年現在は34.4 kmの路線を有している。また、カイセリ交通公社ではカイセライの利用客を対象とした自転車のシェアサービスを展開しており、これを含めた各種の施策が評価され幾つもの賞が授与されている[9][10][11]

運用

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2020年現在のカイセライの系統は以下の通り。T1号線はカイセリ市の東西を結ぶ一方、T2号線は共和国広場(CUMHURİYET MEYDANI)電停からチューナ(TUNA)電停までT1号線と同じ区間を通った後、南部のシェミル・ババ(CEMİL BABA)電停まで向かう路線を経由する[3][1]

系統名 起点 終点 電停数 備考・参考
T1 ORGANİZE SANAYİ İLDEM 5 43箇所
T2 CUMHURİYET MEYDANI CEMİL BABA 18箇所

車両

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2020年現在、カイセライでは以下の2種類の電車が運行している。双方とも車内全体が低床構造となっている5車体連接式超低床電車(100 %超低床電車)である[3][2][12]

シリオ 主要諸元
車両数 軌間 編成 備考・参考
38両 1,435mm 5車体連接車 立席定員は乗客密度6人/m2[3][2][13]
全長 全幅 全高 床上高さ 重量 軸重
32,350mm 2,650mm 3,300mm 350mm 42t
最高速度 加速度 常用減速度 定員 出力
着席 立席
75km/h 1.16m/s2 1.50m/s2 64人 206人 420kw
  • ボザンカヤ製電車 - トルコの輸送用機器メーカーであるボザンカヤトルコ語版が手掛ける超低床電車。部品の全てがトルコ国内で作られた100 %国産車で、海外製のシリオと比べて安価での導入やカイセライに合わせた仕様の採用などのメリットが存在する。2016年から導入が行われ、2020年現在は30両が在籍する[12][14][15]
ボザンカヤ製電車 主要諸元
車両数 軌間 編成 備考・参考
30両 1,435mm 5車体連接車 立席定員は乗客密度6人/m2[12][16]
全長 全幅 全高 床上高さ 重量 軸重
32,700mm 2,650mm 350mm 41.9t 10.5t
設計最高速度 加速度 常用減速度 定員 出力
着席 立席
70km/h 1.3m/s2 1.2m/s2 66人 229人 480kw

今後の予定

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カイセライには、2020年時点の路線網に加えてトルコ共和国運輸海事通信省(Ulaştırma Denizcilik ve Haberleşme Bakanlığı)が主導する全長7 kmの延伸計画が存在する他、沿線にあるエルキレト国際空港英語版へ直通する支線も検討されている[17]

脚注

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注釈

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  1. ^ 延伸工事は最初の区間と同様にヤプ・メルケジが工事を担当した。

出典

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  1. ^ a b Tramvay Hatları”. KAYSERİ Ulaşım A.Ş.. 2020年10月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e Hakkında”. KAYSERİ Ulaşım A.Ş.. 2020年10月28日閲覧。
  3. ^ a b c d e f KAYSERİ”. UrbanRail.Net. 2020年10月28日閲覧。
  4. ^ a b c KAYSERAY 53 MİLYON 877 BİN YOLCU TAŞIDI”. KAYSERi HABER (2011年12月20日). 2020年10月28日閲覧。
  5. ^ a b c d Kayseri, a city of light rail progress”. RailwayPRO (2013年12月29日). 2020年10月28日閲覧。
  6. ^ a b HAKKINDA”. KAYSERİ Ulaşım A.Ş.. 2020年10月28日閲覧。
  7. ^ Feyzullah GÜNDOĞDU. BAŞARILI BİR PROJENİN ÖYKÜSÜ KAYSERAY (PDF) (Report). KAYSERİ Ulaşım A.Ş. 2020年10月28日閲覧
  8. ^ Yapı Merkezi (2015). Nature inspires for solutions (PDF) (Report). p. 39. 2020年10月28日閲覧
  9. ^ エルジェス大学 日本庭園”. 箱根植木. 2020年10月28日閲覧。
  10. ^ Kayseray light rail expansion”. Railway Gazette International (2014年3月11日). 2020年10月28日閲覧。
  11. ^ KAYSERAY received another international award”. RaillyNews (2015年6月17日). 2020年10月28日閲覧。
  12. ^ a b c Yerli Tasarım Araçlar”. KAYSERİ Ulaşım A.Ş.. 2020年10月28日閲覧。
  13. ^ Street Cars, Keyseri”. AnsaldoBreda. 2012年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月29日閲覧。
  14. ^ 車両製造ボザンカヤ、地下鉄車両をタイに輸出”. ヨーロッパ経済ニュース (2018年6月21日). 2020年10月28日閲覧。
  15. ^ Trelleborg’s industrial antivibration solutions picked for Turkey tram project”. Railway Technology (2016年11月22日). 2020年10月28日閲覧。
  16. ^ Technical Specification: BOZANKAYA TRAM”. Bozankaya A.Ş.. 2020年6月29日閲覧。
  17. ^ Yeni Raylı Sistem Hatları”. KAYSERİ Ulaşım A.Ş.. 2020年10月28日閲覧。

外部リンク

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