カヌレ

カヌレ

カヌレ・ド・ボルドー[1][2] (フランス語: cannelé de Bordeaux)は、フランス洋菓子略称は、カヌレフランス語: Canelé)。

概要

[編集]

フランスのボルドー地方伝統の菓子[2][3]。フランスのボルドー女子修道院フランス語版で古くから作られていた菓子とする説がある[2]。しかし、フランス革命で資料は焼失してしまったため、正確な歴史は分からなくなっている[3]

蜜蝋を入れることと、カヌレ型と呼ばれる小さな型で焼くことが特徴である[2]。そもそもカヌレとは「溝のついた」という意味である[2]。外側は黒めの焼き色が付いており硬く香ばしいが、内側はしっとりとして柔らかい食感を持つ[2]

ボルドーではワインの澱を取り除くコラージュ(清澄工程)で鶏卵卵白を使用しており、大量の余った卵黄の利用法として考え出されたものという[2][3][4]。現在、伝統的なカヌレを保存するための同業組合も作られ、ボルドーには600以上の製造業者がいる[5]

カヌレの断面

作り方

[編集]

鍋で牛乳沸騰させ、そこにラム酒バター砂糖薄力粉鶏卵卵黄バニラを加えたのち、生地を漉して半日寝かす。カヌレ型の内側に蜜蝋を塗り、休ませておいた生地を流し込み、オーブンで焼き上げる。蜜蝋の代わりに、バターを使用してもよい。

日本における受容

[編集]
第二次ブームに際しては、コンビニエンスストアの参入も相次いだ[6]

日本においては1990年代に第一次ブームが起こった[7]。2020年から21年にかけて人気が再び上がり、2022年には第二次ブームが起こった[8]。第一次ブームの際は伝統的なカヌレが多かったのに対し、第二次ブームでは中にクリームを入れるといったアレンジ商品が多数登場した[6][7]


脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ 佐藤綾 (2019年10月29日). “カヌレ・ド・ボルドー 始まりは卵黄の有効利用”. 京都新聞. https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/52497 2020年12月5日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g カヌレブームが止まらない!! 大人のオシャレスイーツ”. Sweeten the future. カンロ (2021年4月23日). 2021年12月21日閲覧。
  3. ^ a b c 美味しいヨーロッパ” (pdf). アウトバウンド促進協議会. 航空新聞社. 2021年12月21日閲覧。
  4. ^ 伝統(ベーシック)こそ新しい PP.64-65
  5. ^ お菓子の由来物語 P.107
  6. ^ a b 「第2次カヌレブーム」到来!コンビニ参戦で日本の独自進化が止まらない(2ページ目)”. ダイヤモンド・オンライン (2022年12月2日). 2024年2月4日閲覧。
  7. ^ a b INC, SANKEI DIGITAL (2022年6月2日). “「カヌレ」ブーム再来 〝進化系〟続々、マリトッツオの後継に浮上”. 産経ニュース. 2024年2月4日閲覧。
  8. ^ 「第2次カヌレブーム」到来!コンビニ参戦で日本の独自進化が止まらない”. ダイヤモンド・オンライン (2022年12月2日). 2024年2月4日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 猫井登『お菓子の由来物語』幻冬舎、2008年9月。ISBN 978-4779003165 
  • 河田勝彦『伝統(ベーシック)こそ新しい』朝日新聞出版、2009年11月。ISBN 978-4023304642