カヤタケ

カヤタケ
カヤタケClitocybe gibba
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : 菌蕈亜門 Hymenomycotina
: 真正担子菌綱 Homobasidiomycetes
: ハラタケ目 Agaricales
: キシメジ科 Tricholomataceae
: カヤタケ属 Clitocybe
: カヤタケ C.gibba
学名
Clitocybe gibbaまたは

Infundibulicybe gibba

Pers.) Harmaja (2003)

和名
カヤタケ(茅茸)

カヤタケ(茅茸[1]学名: Clitocybe gibba)は、キシメジ科に属する小型から中型のキノコオオイヌシメジ属とするか、カヤタケ属にするかは意見が分かれる。が開くと、漏斗状に中央が窪むのでジョウゴタケともよばれている[2]。地方により、アケボノシメジ(埼玉県)、サカヅキモタシ(秋田県)の地方名もある[1]。食べるとおいしいが、ムスカリン類が検出されている。

分布・生態

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北半球一帯[3]の、林内の落葉上や草地の中[4][5][6][3]北日本に多い[4]

腐生菌[4]。初秋から中秋にかけて、ブナカシ林内や雑木林の落葉上、草地の中に、散生したり群生したり、単生する[3][2][1]菌輪を作って並んで生えていることもある[2]

形態

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子実体からなる。傘の径は4 - 8センチメートル (cm) [4][5]、大きなものは12 cmほどになる[2]。傘ははじめ半球型で、そのあと中央部が窪んだ饅頭形(丸山形)になり、最終的にさらに反り返ってラッパ状か漏斗状になる[2]。漏斗状のときの中央は大きく窪んでおり、その部分のは厚く、ほかの部分は薄い[3]

傘の表側は帯黄色から帯赤褐色[4]、あるいは赤褐色から黄土色で[1]、赤みが強いタイプと橙色が強いタイプがある[4]。中央部は濃色で縁がやや淡く紫色を帯びることがあり[1]、放射状で短く浅い溝線がある[3]。若いうちは傘の縁に条線が現れる[4]。中央部は繊維状鱗片におおわれる[5][4]。平滑[3]

傘の裏側のひだは白色から黄白色で、柄に長く垂生につき、幅狭く密[4][1]。胞子は6 - 7.5 × 4 - 4.5マイクロメートル (μm) で[5]、白色[4]

は高さは3 - 5 cm[5]。柄は傘と同色か淡く、上下同大か下方が太く、中実[3]。基部に白色菌糸を綿毛状にまとう[5][3]つばつぼはなし[4]は白色で、薄いがやや強靱で無味無臭[3][1]

利用

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下処理をした後に、味噌汁雑煮すき焼き天ぷらけんちん汁などに合う[2]。また、煮込みピクルスマリネグラタンピザオムレツホイル焼きなど、洋食に大いに合う[要出典]。さらに中華スープ油炒め煮込むあんかけなどの、中華料理にも合う[要出典]ポタージュコンソメコロッケチャーハンギョーザシュウマイなどでも食べられる[5]

食用とされてきたが、有毒成分を含むことがわかっている[1]。毒成分としてムスカリン類が検出されているので、ムスカリン中毒の症状も確認されているため、注意は必要[1][7]

似ているキノコ

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カヤタケは子実体の外見がドクササコ (Paralepistopsis acromelalga) という神経系統を冒す猛毒キノコに似るが[2]、柄の中は肉が詰まっている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i 長沢栄史 監修 2009, p. 84.
  2. ^ a b c d e f g 瀬畑雄三 監修 2006, p. 36.
  3. ^ a b c d e f g h i 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、63頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k 小宮山勝司、ヤマケイポケットガイド⑮『きのこ』、山と渓谷社、2000年、112頁
  5. ^ a b c d e f g 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、64・602頁
  6. ^ 保坂健太郎、小学館の図鑑NEO『[改訂版]きのこ』、小学館、2017年、25頁
  7. ^ 江指隆年ら『食品衛生検査指針理化学編 2005 公定検査法等詳解』日本食品衛生協会、700頁。ISBN 978-4-88925-003-9 

参考文献

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