カワサキ・W800

2020年モデル

W800は、2010年からカワサキモータース(旧・川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー)が製造している空冷2気筒バイクである。Wシリーズのフラッグシップモデルでもある。

概要

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カワサキ・W800
2012年モデル
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗カワサキ
車体型式 EBL-EJ800A
エンジン EJ800AE型 773 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 77.0 mm × 83.0 mm / 8.4:1
最高出力 35kW (48PS) / 6,500rpm
最大トルク 62N・m (6.3kgf・m) / 2,500rpm
車両重量 216 kg
      詳細情報
製造国 日本の旗 日本
製造期間 2011年 - 2016年
タイプ
設計統括
デザイン
フレーム ダブルクレードル (高張力鋼)
全長×全幅×全高 2,180 mm × 790 mm × 1,075 mm
ホイールベース 1,465 mm
最低地上高 125 mm
シート高 790 mm
燃料供給装置 燃料噴射装置
始動方式 エレクトリックスターター
潤滑方式 強制潤滑方式 / ウェットサンプ
駆動方式 チェーン駆動
変速機 常時噛合式5段リターン
サスペンション テレスコピック
スイングアーム
キャスター / トレール 27.0° / 108 mm
ブレーキ シングルディスク
機械式リーディングトレーリング
タイヤサイズ 100/90-19M/C 57H
130/80-18M/C 66H
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 14 L
燃費
カラーバリエーション
本体価格
備考
先代 カワサキ・W650
後継
姉妹車 / OEM
同クラスの車
データベース
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W800は2010年(平成22年)10月に海外輸出向けモデルとしてヨーロッパで先行して発表され、2011年(平成23年)2月1日より日本国内仕様が発売された[1]。Wシリーズとしては2年ぶりの復活となる。エンジンはW650をベースにボアアップを行い、ボアxストロークを77.0 mm x83.0 mmとして総排気量を773 ccに拡大し、燃料供給装置には新たに電子制御式燃料噴射装置を採用している。エンジン出力はW650からの48 psが維持されているが、極低回転域で最大トルクを発揮させるセッティングが行なわれている。なお車体構成に大きな変更はされていない。

この発表と同時に2011年モデルには、スペシャルエディションが追加された[1]。このモデルは、マフラーやエンジンなどのメッキパーツも含めて、全体的にブラックを基調とした仕上がりになっている。ホイールリムの形状は変化していないが、ゴールドアルマイト処理されたものになっている[2]

2016年(平成28年)に欧州・日本仕様のファイナルエディションが発表され、生産終了となった。1973年に登場した650RS W3を彷彿とさせるカラー&グラフィックに専用のエンブレムを採用し、塗装工程までW3と同様という拘りであった[3]

モデルの復活

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カワサキ・W800
2024年モデル
W800(前)とW800STREET(後)
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗カワサキ
車体型式 8BL-EJ800E
エンジン 773 cm3 4ストローク
内径×行程 / 圧縮比 77.0 mm × 83.0 mm / 8.4:1
最高出力 38kW (52PS) / 6,500rpm
最大トルク 62N・m (6.3kgf・m) / 4,800rpm
車両重量 226 kg
      詳細情報
製造国 日本の旗 日本
製造期間 2019年 -
タイプ
設計統括
デザイン
フレーム ダブルクレードル (高張力鋼)
全長×全幅×全高 2,190 mm × 790 mm × 1,075 mm
ホイールベース 1,465 mm
最低地上高 125 mm
シート高 790 mm
燃料供給装置 燃料噴射装置
始動方式 エレクトリックスターター
潤滑方式 強制潤滑方式 / ウェットサンプ
駆動方式
変速機 常時噛合式5段リターン
サスペンション テレスコピック (インナーチューブ径41mm)
スイングアーム
キャスター / トレール 27.0° / 108 mm
ブレーキ シングルディスク (外径320mm)
シングルディスク (外径270mm)
タイヤサイズ 100/90-19M/C 57H
130/80-18M/C 66H
最高速度
乗車定員 2人
燃料タンク容量 15 L
燃費
カラーバリエーション
本体価格
備考
先代
後継
姉妹車 / OEM
同クラスの車
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2019年(令和元年)の東京モーターショーで、先に発売されたSTREET/CAFEモデル(後述)をベースとした新型W800が発表され、同年の12月1日より発売された。無印モデルは2016年の先代モデルの生産終了以来3年ぶりの復活となり、新たにフロントを19インチとしている。また、メーター盤面の書体のデザインが異なる[4]

2023年(令和5年)9月1日、カラーバリエーションが追加されることが発表された。「メタリックディアブロブラック×エボニー」が2023年9月22日、「メタリックグラファイトグレー×メタリックディアブロブラック」2024年1月20に発売される[5]

W800 STREET・W800 CAFE

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2019年3月1日から発売開始された。従来のW800同様のクラシックな外観・360°クランクの空冷ロングストロークエンジンはそのままに、フレームなどは新設計され、前後とも18インチホイールにディスクブレーキ・ABS・アシスト&スリッパークラッチ・LEDヘッドライト・ETC2.0を標準搭載するなど、中身は現代的なバイクに進化を遂げた。

W800 STREETは、アップライトスタイルのハンドルバー、タックロールシートを装備している。W800 CAFEは、カフェレーサースタイルの専用フロントカウル、やや前傾気味となる専用形状ハンドル、グリップヒーターを装備している。また、両車ともエンジンを含めた全体の塗装が異なる[6]

2021年(令和3年)10月15日、新色としてW800 STREETには「エボニー×メタリックマットグラフェンスチールグレー」、W800 CAFEには「メタリックディアブロブラック×メタリックフラットスパークブラック」が設定された[7]

2023年モデル以降はラインアップが途絶えている。

MEGURO K3

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2020年11月、本シリーズのバッジエンジニアリング機として「MEGURO K3」が発表され、2021年2月より販売を開始した[8]。かつての「メグロ」ブランドが五十数年ぶりに復活することになる。バッジエンジニアリングではあるものの、伝統を受け継ぐためにメグロのバイクの雰囲気を再現すべく、多数の資料や実車を元にその表現が練られた[9]。基本性能は原型であるW800とほとんど変わらない。

W800の他シリーズとの相違点は以下の通り[10][11][12][13]

  • MEGURO K3のカラーは「ミラーコートブラック×エボニー」のみ。W800には複数のカラーバリエーションがある。
    • ニンジャH2と同様に、自己修復機能を持つ「ハイリーデュラブルペイント」が採用されている。衣服の擦れなどの僅かな傷であれば修復できる。
    • STREETとCAFEのエンジンはブラックアウトされているが、MEGURO K3はシリンダーのみ黒で他はメタリック。W800のベベルギアカバーには白色の、メグロK3には赤色のワンポイント塗装がされる。
    • W800のライトステー、フロントフェンダー、リアフェンダーはメッキ加工されているが、MEGURO K3はボディと同色である。
    • リアフェンダーは、STREETはショートタイプ。MEGURO K3はクラシカルなロングタイプ。
  • 「メグロ」エンブレム入り。
    • タンクには職人が手作業で塗装したアルミプレス製エンブレムが装着される。
    • スピードメーター、サイドカバーにも赤い片仮名のエンブレムが入る。
    • メーターベゼルに黒色酸化皮膜処理を施し、文字盤も専用のものとしている。
  • MEGURO K3のフロントホイールは19インチ、STREETは18インチ。
  • W800と比べてハンドルの位置が高く、STREETと同じハンドルである。
    • STREETにない3段グリップヒーターがついている。
  • W800はタックロールシートであるが、MEGURO K3はフラットシートである。
    • 足の着き方は同じだが、メグロK3の方が背中を真っ直ぐにしやすい。
  • MEGURO K3のリヤサスペンションには専用カバーが取り付けられる。
  • CAFEとSTREETにないセンタースタンドがついている。W800も同様。

脚注

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  1. ^ a b ヴィンテージモーターサイクルが持つライディングフィールと美しさを追求したスポーツモデル「W800」を新発売”. 川崎重工業 (2010年12月24日). 2024年10月19日閲覧。
  2. ^ [W800 Special Edition]ブラックを基調としたスペシャルエディションが登場”. カワサキイチバン (2010年12月25日). 06 May 2024閲覧。
  3. ^ 高級塗装を施した「W800 Final Edition」が発売に!”. webオートバイ (16 June 2016). 06 May 2024閲覧。
  4. ^ 復活を遂げたカワサキ「W800」その特長を徹底解説! 12月1日に全国のカワサキプラザで販売スタート!”. webオートバイ (02 December 2019). 06 May 2024閲覧。
  5. ^ カワサキ「W800」2024年モデル発表! 新色登場、カラーバリエーションは2色の設定に”. webオートバイ (01 September 2023). 06 May 2024閲覧。
  6. ^ 「W」ブランドの最新進化形であるレトロモデル「W800 STREET/W800 CAFE」を新発売”. 川崎重工業 (2018年11月6日). 2024年10月19日閲覧。
  7. ^ 小松信夫 (15 October 2021). “カワサキ「W800」「W800ストリート」「W800カフェ」の2022年モデルが登場! 排出ガス規制対応&新カラーを採用”. webオートバイ. 06 May 2024閲覧。
  8. ^ 日本最長の歴史を紡ぐモーターサイクルブランド「メグロ」のニューモデル「MEGURO K3」を新発売”. 川崎重工業 (2020年11月17日). 2024年10月19日閲覧。
  9. ^ カワサキ『MEGURO K3』を2月1日から発売開始。Wシリーズをベースに銀鏡塗装を採用” (2021年2月3日). 2024年5月24日閲覧。
  10. ^ 新型MEGURO K3(メグロ K3)とW800の比較・変更点まとめ”. 個人的バイクまとめブログ (17 Nov 2020). 24 May 2024閲覧。
  11. ^ 宮崎敬一郎 (09 Apr 2021). “カワサキ「メグロ K3」インプレ(2021年)W800との乗り心地のちがい・高速巡航性能・足つき・タンデムまで総合解説!”. Webオートバイ. p. 2. 24 May 2024閲覧。
  12. ^ 浅井(カワサキプラザ茅ヶ崎) (2023年3月3日). 「W800ストリートとメグロK3」どのような違いがあるか比較チェック!カワサキゾーン / KAWASAKI ZONE (YouTube). カワサキプラザ横浜戸塚相模原茅ヶ崎: カワサキゾーン / KAWASAKI ZONE. 2024年5月24日閲覧
  13. ^ 葉山(カワサキプラザ茅ヶ崎) (2024年2月14日). 「W800」「メグロK3」ハンドルの違いなどの特徴やカラーリングをご紹介!足付き&サウンドチェックも!カワサキゾーン / KAWASAKI ZONE (YouTube). カワサキプラザ横浜戸塚相模原茅ヶ崎: カワサキゾーン / KAWASAKI ZONE. 2024年5月24日閲覧

外部リンク

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