カンボク | ||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福島県会津地方 2008年5月
| ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Viburnum opulus L. var. sargentii (Koehne) Takeda (1911)[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
カンボク(肝木)、 ケナシカンボク(毛無肝木)[1][5] |
カンボク(肝木[6]、学名: Viburnum opulus var. sargentii )は、ガマズミ科(レンプクソウ科)[注 1]ガマズミ属の落葉低木〜小高木。別名ケナシカンボク[5]。
東アジア北東部に分布[7]。シベリア東部、朝鮮半島、中国大陸(甘粛省・四川省・長江流域以北)、樺太、南千島、北海道、本州の中部地方以北に分布[8]。日本には、北海道、本州、四国、九州に分布するという説もあり、北日本の山地に多く見られる[7]。山地の疎林内や林縁、やや湿り気のある場所に自生する。
落葉広葉樹の低木から小高木[7][6]。樹高は2 - 7メートル (m) くらいになる[6]。樹皮は暗灰褐色で厚く、縦に割れ目が入ってくる[6]。小枝は赤褐色で毛はなく、枯れた枝先がよく残っている[6]。葉は枝に対生し、形は広卵形でやや深く3裂し、3本の葉脈が目立つのが特徴で、他の似た種との区別がしやすい[7]。葉の先端は尖り縁は全縁になる。
花期は晩春から夏にかけて(5 - 7月ごろ)で[7][6]、白色の小さな両性花のまわりに大きな5枚の装飾花が縁どる[7]。花の姿はガクアジサイやムシカリにも似ている[7]。秋にはびっしりと赤い実をつけ、秋の山を彩る[7]。冬になっても赤い果実や果序の柄はよく残っている[6]。
冬芽は枝に対生し、卵形や長卵形で、枝先には仮頂芽が2個つく[6]。冬芽の芽鱗は帽子状で毛はなく、外側は1枚で、内側2枚はべたつく[6]。冬芽のわきに残る葉痕は、三日月形で維管束痕が3個つく[6]。
材は白色で香気があり、日本では楊枝や房楊枝の材料として使われてきた[9][10]。また枝葉を煎じた液は止血効果があるとされ、切り傷や打ち身を洗う民間薬として利用されてきた[9][10]。「肝木」の和名は、薬用として用いられた歴史に由来するとも推定されている[9]。