キッチーズ(The Kitschies)は、イギリスの文学賞。前暦年にイギリスで刊行・発表された作品のうち「もっとも先鋭的で、知的で、エンターテインメントであり、スペキュレイティヴまたはファンタスティックな要素を持つ作品(the year’s most progressive, intelligent and entertaining works that contain elements of the speculative or fantastic)」に贈られる[1]。
主にSF、ファンタジー、ホラーなどのスペキュレイティヴ・フィクション作品を対象とした賞である。
第15回となる2024年をもって終了[2]。
キッチーズを運営するのは、「様々な形で、ジャンル文芸における議論を刺激し、向上させる(encouraging and elevating the tone of the discussion of genre literature in its many forms)[3]ことを目的として掲げるNPOである。創設者のアン・ペリーとジャレド・シュリン(Jared Shurin)は、ファンタジーやスペキュレイティヴな要素を持ち、内容や構成の面で先鋭的な作品に注目を集めたい、と述べている。
候補作と受賞作は選考委員会方式によって決定される(選考委員は毎年変わる)。受賞者には賞金と、編物の触手のトロフィーが贈られる[1]。
部門は下記のとおり。
- 赤い触手(Red Tentacle for best novel) - 長編部門。賞金1000ポンド。2009年-2024年。
- 金の触手(Golden Tentacle for the best debut novel) - 新人部門(著者の初長編が対象)。賞金500ポンド。2010年-2024年。
- 墨の触手(Inky Tentacle for the best cover art) - カバーアート部門。賞金500ポンド。2011年-2024年。
- 見えない触手(Invisible Tentacle for the best natively digital fiction) - デジタル・フィクション部門。2014年-2015年。
- 黒い触手(Black Tentacle) - 選考委員の裁量によって贈られる特別賞。2010年-2015年。
年度は刊行年(授賞の前年)を基準としている。2016年は賞自体が休止した。
- 2010年 - King Maker、Maurice Broaddus[5]
- 2011年 - God's War、カメロン・ハーレイ(英語版)[6]
- 2012年 - Redemption in Indigo、カレン・ロード(英語版)[8]
- 2019年 - Jelly、Clare Rees[15]
- 2013年 - 『叛逆航路』Ancillary Justice、アン・レッキー[10]
- 2014年 - Viper Wine、Hermione Eyre[12]
- 2015年 - Making Wolf、Tade Thompson
- 2016年 - 休止
- 2017年 - Hunger Makes the Wolf、Alex Wells
- 2018年 - 『バグダードのフランケンシュタイン』Frankenstein in Baghdad、アフマド・サアダーウィー[14]
- 2019年 - Jelly、Clare Rees
- 2020年 - The Space Between Worlds、Micaiah Johnson
- 2021年 - Temporary、Hilary Leichter
- 2022年 - Our Wives Under the Sea、Julia Armfield
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