キューティーハニー (映画)

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キューティーハニー
CUTIE HONEY
監督 庵野秀明
脚本 高橋留美
庵野秀明
原作 永井豪
製作 甘木モリオ
川端基夫
出演者 佐藤江梨子
音楽 遠藤幹雄
主題歌 倖田來未
キューティーハニー
撮影 松島孝助
編集 奥田浩史
制作会社 トワーニ
製作会社 キューティーハニー製作委員会
配給 ワーナー・ブラザース映画
公開 日本の旗 2004年5月29日
上映時間 93分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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キューティーハニー』(CUTIE HONEY)は、永井豪漫画作品『キューティーハニー』を原作とした2004年に公開された日本映画

概要

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新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督による実写映画。『エヴァ』や実写映画『ラブ&ポップ』『式日』とは打って変わって、庵野は大衆観客に向けて開いた作品作りを心掛け、明朗快活なアクション映画となった[1]

本作品の最大の特徴は、アニメ独特のスピーディで迫力のある画を実写で再現すべく用いられた「ハニメーション」と名づけられた撮影手法である[1]。これは、あらかじめアニメ製作同様に作画されたカットにしたがって、1コマずつ役者に実際にポーズをとらせて撮影するという、実写スチールを使ってアニメーション化したものである[1]。実際の撮影には、かなり無理な姿勢をキープする必要があるため、演じた佐藤の体の柔らかさが大いに活きたという。

撮影にあたって、カメラは「勢い重視」「もう素材が写っていればいい」という理由から、メインはHD24Pハイビジョンカメラが使用され、サブとしてデジタルビデオカメラも使用された。但し、特撮パートは35ミリフィルムで撮影された[2]

基本設定は踏襲しているが、「空中元素固定装置」にまつわる設定や、如月ハニーがOLであったり、「おにぎり好き」であることや、衣服をIシステムによって生成するので普段はブラジャーパンティのみのランジェリー姿で過ごしているなど、原作との違いも見受けられる。

企画自体は2000年に上がり、2001年秋ごろ劇場公開予定だったが、ハニー役の選定に難航し、企画のリニューアルや予算見直しなどを余儀なくされる。ようやくハニー役が佐藤江梨子に決まったのは2003年で、そこからはスムーズに映画製作が進んだという。しかし、スポンサーにテレビ局がついた時点で、表現が放送コード自主規制を受けることになった。キャストは佐藤、市川、小日向とモデル出身者が並ぶ一方で、脇には岩松、松尾、吉田、手塚、篠井、新谷、嶋田と小劇場系の大物舞台俳優が多数参加し脇を固めている。

完成までは4年を費やしたが、その間に佐藤の知名度が上がったことや、友情出演した倖田來未がカバーして歌った主題歌「キューティーハニー」の大ヒット、公開当時は人気漫画やアニメの実写映画が多数公開されたために話題になったことなどが追い風となった[3]。映画制作費を前半の海ほたるパーキングエリアのパートで使い切ってしまい、後半の映画制作が大変苦労したと、監督の庵野秀明は第27回東京国際映画祭のトークセッションで述べている[要出典]。後年、庵野が語ったところによれば、脚本準備中に制作会社の都合で予算が半分以上に減額され、脚本の内容を維持できる状態ではなくなってしまったが、3年以上待ったため今更止められず無茶を承知で始めたものの、現場に実践経験がなくクオリティコントロールの判断が出来なかったという[4][注釈 1]

主題歌によって倖田が有名になった[5]ことなど、話題は多かったが、映画興行成績は失敗に終わり[1]、制作会社のトワーニ倒産[1]。本作品が、トワーニの製作する映画としては最後の作品となった。

原作者である永井豪は、本作品について「ハニーのピュアな部分に焦点をあてることで、庵野さんオリジナルのハニーになっている」と評価している[要出典]。 オープニングタイトルのアニメーションも高く評価され、後のアニメ『Re:キューティーハニー』の制作に繋がった。

あらすじ

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科学者宇津木博士の誘拐事件が発生。警視庁[注釈 2]公安部第8課の秋夏子警部は、海ほたるパーキングエリアへ急行する。そこに居たのは、パンサークロー幹部のゴールド・クロー。警官隊の一部がパンサークロー戦闘員の正体を現し、夏子は絶体絶命の窮地に陥る。それを救ったのは一人の女性警察官。彼女こそ宇津木博士の姪に当たる如月ハニーだった。ハニーは変身能力を駆使して宇津木博士を奪還し、さらに女戦士キューティーハニーに変身してパンサークローを撃退する。

最近、都内では貴金属大量強奪事件、若い女性の失踪事件などが頻発していた。夏子はこれらの事件へのパンサークローの関与を疑い、海ほたるから閃光とともに姿を消したキューティーハニーを追い始める。

一方、ハニーはパンサークローに再び誘拐された宇津木博士を独自に捜索し始める。その過程で、毎朝新聞社記者を名乗る早見青児と出会う。青児はハニーにパンサークローに関する情報を語るのだった。

キューティーハニーを追う夏子は、如月ハニーがOLとして勤務するタチバナ総合商事にたどり着く。ちょうどそのころ、パンサークロー幹部コバルト・クローもキューティーハニーを狙いタチバナ総合商事に潜入する。夏子がハニーを尋問していた時、コバルト・クローが二人を襲撃する。ハニーは夏子を連れてエレベーター内に逃れるが、そこでコバルト・クローに拘束されてしまう。夏子を救うため、ハニーは夏子の目の前でキューティーハニーに変身し戦う。その過程で、父・如月博士を殺したパンサークローへの復讐心に駆られたハニーは、Iシステムの全エネルギーを解放しコバルト・クローを熱死させる。

コバルト・クローを倒した直後、気絶したハニーを夏子は自宅に連れ帰り介抱する。目覚めたハニーは、自分が如月博士に造られたアンドロイドであることを夏子に明かすのだった。

夏子は、パンサークロー関連事件の捜査が進展しない責任を問われ、捜査から外されてしまう。一方、青児と合流したハニーにパンサークローからの招待状が届く。ハニー、夏子、青児の3人はそれぞれのルートで敵の本拠地ジル・タワーへ向かう。

指定された場所で待機していたハニーの目の前で、東京タワーの地下から巨大なジル・タワーが出現する。ジル・タワーへ向かうキューティーハニーの前に、パンサークロー幹部スカーレット・クローが立ち塞がる。スカーレット・クローは口から強力な光弾を放つが、キューティーハニーのシルバーフルーレで弾き返され、撃退される。

ジル・タワーにたどり着いたハニーの前に、パンサークロー最後の幹部ブラック・クローが現れる。ブラッククローは両手に武器を持って高速回転しつつ攻撃を仕掛けてハニーを追い詰めるが、ハニーが至近距離から放ったハニーブーメランに倒れる。

シスター・ジルの下にたどり着いたハニーは、宇津木博士が無事救出されたことを確認するが、夏子を人質に取られてしまう。夏子を救うため、ハニーは自分がシスター・ジルの養分になることを受け入れる。シスター・ジルに吸収されかけるハニー。そこに青児が駆けつけ、解放された夏子に銃を手渡す。夏子はハニーのチョーカーのスイッチを狙って銃撃する。銃弾がスイッチを押しIシステムが起動、その愛の光に包まれたシスター・ジルは浄化され、枯れた花へと姿を変えた。

ジル・タワーは崩壊し、パンサークローは壊滅。街には以前の平和が戻っていた。

キャスト

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スタッフ

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楽曲

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オープニングテーマ「キューティーハニー
作詞:クロード・Q / 作曲:渡辺岳夫 / 編曲:h-wonder / 歌:倖田來未
エンディングテーマ「Into your heart
作詞・作曲:渡辺未来 / 編曲:h-wonder / 歌:倖田來未
劇中歌
「シスター・ジルのテーマ」
作詞:Sachi Bennett / 作曲:野田晴稔 / 編曲:斎藤修[要曖昧さ回避] / 歌:倖田來未
夜霧のハニー
作詞:伊藤アキラ / 作曲:渡辺岳夫 / 編曲:西川玲生 / 歌:倖田來未
「ブラック・クロー参上」
作詞:庵野秀明 / 作・編曲:遠藤幹雄 / 歌:及川光博

コミカライズ

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商品情報

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書籍

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音楽CD

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DVD

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発売・販売元はバップ

  • メイキング・オブ・キューティーハニー(DVD1枚組、2004年5月26日発売)
    • メイキング
    • 特報・劇場予告編
  • キューティーハニー DVDスタンダード・エディション(1枚組、2004年12月22日発売)
    • 映像特典
      • 特報・劇場予告編・TVスポット集
      • ブラック・クロー ミュージック・クリップ(1.5コーラス)
      • メイキング
    • 封入特典
      • ブックレット(12P)
  • キューティーハニー DVDコレクターズ・エディション(2枚組、2004年12月22日発売、初回限定生産)
    • ディスク:本編DVD(スタンダード・エディションと同様)
    • ディスク:特典DVD
      • Making of CUTIE HONEY Special Version
      • 未公開場面集
      • プレゼン用パイロット
      • 設定資料集
      • フルバージョン・エンディング
    • 封入特典
      • 庵野秀明監修オリジナル・フィギュア
      • スーパームービーフィギュアコレクション(未発売バージョン)
      • CUTIE HONEY Material File(280P)
      • ブックレット(12P)

その他

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  • 倖田來未が歌ったことで改めてヒットした主題歌「キューティーハニー」は、2006年に韓国でもアユミ(現・伊藤ゆみ)によってカバーされた[6]

脚注

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注釈

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  1. ^ 庵野はこのときの反省から、『シン・ゴジラ』(2016年)では企画内容を予算枠に合わせることを重視し、脚本が実現可能な予算確保に腐心した[4]
  2. ^ 序盤の海ほたるの場面で、夏子がヘリコプターを降りた直後、パトカー側面の「警視庁」の文字が確認できる。
  3. ^ エンディングクレジットでは「佐藤吉」と誤表記。

出典

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  1. ^ a b c d e 「巻末とじこみ付録 宇宙船 DATA BOOK 2005」『宇宙船』Vol.118(2005年5月号)、朝日ソノラマ、2005年5月1日、146頁、雑誌コード:01843-05。 
  2. ^ 美術出版社刊「美術手帖」2004年6月号「digi+KISHIN×庵野秀明 欲望の写し取り、緊張感の制御への挑戦」pp.32-33より。
  3. ^ 『演劇ぶっく』2004年6月号臨時増刊「ピクトアップ」#28)
  4. ^ a b 「インタビュー / 庵野秀明 第1部 デベロップメントから前期プリプロダクション」『ジ・アート・オブ シン・ゴジラ』企画・責任編集 庵野秀明、企画・編集・発行:カラー 販売:グラウンドワークス、2016年12月30日、496頁。ISBN 978-4-905033-08-0 
  5. ^ 倖田來未 「secret」特集、Neowing - 2023年12月21日閲覧。
  6. ^ アユミ、「キューティーハニー」でソロデビュー、KBS WORLD Japanese、2006年7月14日。

外部リンク

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