クルーマー (Crumar) は、イタリアの楽器メーカーである。
1970年代から1980年代に主に電子楽器を作っていた。シンセサイザーの他、エレクトロニックピアノや電子オルガン、ストリングアンサンブル等も手がけている。日本では名古屋の荒井貿易が輸入総代理店となって、後述の機種を販売していた。
1970年代末から1980年代初頭、ニューヨークのMusic Technology (MT)と共にベルラボ・ディジタルシンセサイザーの商用化に取り組み、加算合成+位相変調 (Phase Modulation) によるGeneral Development System (GDS) とDKI Synergyを開発・発売した。 日本では阪田商会系列の日本ハモンドが輸入販売を行っていた。
1987年、高品質低価格サンプラーの製品化途上で活動を停止したが、2008年イタリアのB.G.S. srlが CRUMARの商標を取得、2008年フランクフルト・ムジークメッセ に ディジタル・ピアノ「Baby Grand」を出品している。
- Compac Piano (1972年、エレクトロニックピアノ)
- ジャズ・マン (Jazzman) (1974年、エレクトロニックピアノ)
- 初期型の電子発振式ピアノ。軽量でコンパクトという利点を持っていたが、タッチ・レスポンスによって強弱を付ける機能は備わっていない。Compac Pianoは UNIVOXにOEM供給され、エドガー・ウィンターやビリー・プレストンの肩掛け演奏が有名になり、後に登場したショルダーキーボードのはしりとなった。
- コントラバス/チェロ/ヴァイオリンの3種類がストリングセクションの音色として用意されており、コーラスやディレイなどの変調機能も機体内部に有していた。
- オルガナイザー (Organizer) (1974年、ドローバー・オルガン(一段鍵盤))
- オルガナイザー T1 (1978年、ドローバー・オルガン(一段鍵盤))
- オルガナイザー T2 (1978年、ドローバー・オルガン(二段鍵盤))
- ハモンド・オルガンを模倣した電子発振式のドローバー・オルガン。
- DS-2 (1978年、単音アナログシンセ+ストリングアンサンブル)
- DCOを採用した最も初期のアナログシンセの一つ。
- Performer (1979年、ポリフォニック・アンサンブル)
- General Development System (GDS) (1980年、ディジタルシンセ)
- Synergy (1982年、ディジタルシンセ)
- ベルラボ・ディジタルシンセサイザー商用化の取り組みの下、NYのMusic Technology社と共同開発したディジタル・シンセサイザー (加算合成+位相変調方式)。
- E.V.I. (1981年、エレクトロニック・ヴァルブ・インストゥルメンツ)
- 有名なウインドシンセ Steiner Horn のライセンスを取得し製品化。
- Spirit (1983年、単音アナログシンセ)
- オリジナル設計は元Moog Musicのロバート・モーグおよび、ジム・スコット、トム・リア。
- Bit One (1984年、6声ポリフォニックシンセ)
- Bit 99 (1985年、6声ポリフォニックシンセ)
- Bit 01 (1985年、6声ポリフォニックシンセ(ラックマウント版))