クロロメチルメチルエーテル

クロロメチルメチルエーテル
クロロメチルメチルエーテルの構造式
識別情報
CAS登録番号 107-30-2
KEGG C19160 チェック
特性
化学式 C2H5ClO
モル質量 80.51
示性式 ClCH2OCH3
外観 無色液体
密度 1.0605[1], 液体
沸点

59 ([1])

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

クロロメチルメチルエーテル (chloromethyl methyl ether) とは有機化合物の一種で、無色の液体。略称は CMME。化学反応式上では MOMCl とも略される。消防法に定める第4類危険物 第1石油類に該当する[2]

用途

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有機合成において、アルコール (ROH) あるいはフェノール (ArOH) のヒドロキシ基メトキシメチル基 (-CH2OCH3、MOM と略される) で保護する際に試薬として用いられる。まず塩基でアルコールをアルコキシドとし、そこへクロロメチルメチルエーテルを加えると SN2反応によりメトキシメチル保護を受けたアルコールが得られる。

メトキシメチル化反応

メトキシメチル基は酸により脱保護される。

メトキシメチル基の脱保護


クロロメチル化の試薬、イオン交換樹脂やプラスチックの製造にも用いられる[1]

取り扱い上の注意

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クロロメチルメチルエーテルは、多くのアルキル化剤同様発癌性がある。この発癌性の本体は、分解によってわずかにできるビス(クロロメチル)エーテル( ClCH2OCH2Cl)であるともいわれる。

沸点が低いため、必ずドラフト内で扱い吸入を避ける。また分解を避けるため、冷蔵保存すべきである。それでも古いものは分解して塩化水素などを発生し、内圧が上がっていることがあるため、瓶を開栓する際には注意が必要である。

労働安全衛生法特定第2類物質に指定されている。

参考文献

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  1. ^ a b c Merck Index 13th ed., 2165.
  2. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)