クワガタモドキ

クワガタモドキ
ビタリシクワガタモドキ Autocrates vitalisi 
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目 Coleoptera
Linnaeus, 1758
上科 : ゴミムシダマシ上科 Tenebrionoidea
: クワガタモドキ科 Trictenotomidae
タテヅノクワガタモドキ
グライクワガタモドキ
チルドレンンニクワガタモドキ

クワガタモドキ(擬鍬形 Trictenotomidae.)とは、甲虫目クワガタモドキ科の甲虫の総称。

分布

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中国南部、台湾など東南アジアインド周辺の地域にだけ見られる珍しい甲虫類で、日本には生息していない。大型の甲虫類としては珍しい少数派ともいえるグループで、現在までにおよそ15種類ほどしか見つかっていない。

特徴

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クワガタムシとカミキリムシの2つの特徴を併せ持ったように見えて、ノコギリカミキリ類とは大顎が、全身に薄い毛が生えて覆われるのはミヤマクワガタ類にも似ている。性的特性で、オスの方がメスよりも大顎が大きくなるのも似ている。

身体付きと長い触角はカミキリムシ、前に突き出た内歯がある大顎と、符節が膨らんでいない脚部はクワガタムシに似ているが、どちらのグループとも、同じ甲虫類である以外には近い種類とは言い難く、近い系統ではキカワムシ科とされている。

生態

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これまで詳しい生態は不明だったが、2019年に台湾の研究者達によって、成虫が針葉樹に産卵し、幼虫は肉食性で針葉樹の中で他の虫を襲って食べて、時に共食いも行いながら成長していくというのが、カミキリムシやクワガタムシ(例外的な共食いを除いて)と大きく異なっている。

成虫は樹液を舐めるとされる。

種類

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本属は、タテヅノクワガタモドキ属Autocratesと、クワガタモドキ属Trictenotomaに分けられる。

タテヅノクワガタモドキ属

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タテヅノクワガタモドキ Autocrates aeneus Parry, 1847 
タイに生息する大型種で、オスで最大80mm以上になり、大顎がオウゴンオニクワガタオニクワガタマルバネクワガタ類を足して3で割ったような形状で、上方へやや反り返る。
オーベルトチューリクワガタモドキ Autocrates obertheuri Vuillet, 1910 
中国南部の雲南省に生息し、前種と異なり、縦縞状に毛が生える。
ビタリシクワガタモドキ Autocrates vitalisi  Vuillet, 1912 
ペンチのような大顎を持ち、全身が金色の微毛で覆われている種。疲弊すると抜け落ちていく。

クワガタモドキ属

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フォルモサナクワガタモドキ Trictenotoma formosana Kreische, 1920
台湾に生息し、普通に「クワガタモドキ」とも呼ばれる。本属の生態が明らかになったのは、この種の研究・飼育から。
グライクワガタモドキ Trictenotoma grayi  Smith, 1851 
インド南部に生息する同じく金色の毛に覆われた種。大顎は前種のように上方へ反り返ることは無い。
チルドレンニクワガタモドキ Trictenotoma templetonii Gray, 1832
マレーシア、ミャンマー、ボルネオ、タイ、インドネシア、ベトナム、中国に生息する。体長55~66mmほど。
テンプルトーニクワガタモドキ Trictenotoma・templetoni Westwood, 1848 
スリランカに生息する。
ダヴィディクワガタモドキ Trictenotoma davidi Deyrolle, 1875 
ベトナムに生息する。
ウェストウッドクワガタモドキ Trictenotoma westwoodi Deyrolle, 1875 
黃色い体毛で覆われた種。
モーホッティクワガタモドキ Trictenotoma mouhoti Deyrolle, 1875 
インドシナ半島に生息。フォルモサナクワガタモドキに似ている。 
ミニスゼッチクワガタモドキ  Trictenotoma mniszechi Deyrolle, 1875 
ランズベルギィクワガタモドキ  Trictenotoma lansbergi Dohrn, 1882 
シンダレラクワガタモドキ  Trictenotoma cindarella Kreische, 1921

脚注

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外部リンク

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