グラウラーまたはグロウラー(英語:growler)は、生ビール運搬用のガラス製、セラミック製、またはステンレス製のボトル(またはジョッキ)[1]。一般的に、テイクアウト用クラフトビールの販売手段として、ブルワリーやブルーパブで販売される。ビールが小売販売用にグラウラーに充填されることはほとんどない。クラフトブルワリーが大きく発展し、また、ホームブルーイングの人気が高まったことから、コレクション用グラウラーの販売市場も出現している。アメリカの一部の食料品店、コンビニエンスストア、バー、レストランには、グラウラーにビールを注ぐコーナーがある[2][3][4]。
「クラウラー」(英語:crowler、"canned growler"(缶充填グラウラー)のかばん語)は、充填と機械による密閉が可能なビール缶[5]。選択したビールはクラウラー充填ステーションで缶に注入され、プルタブが閉じられる。グラウラーボトルと異なって再利用はできないが、持ち運びしやすい。主な制約は、約1クオート(32オンス [946-ml] または40米液量オンス [1136-ml])と約1リットル(33.8オンスまたは35.2米液量オンス)サイズしかないことである。
グラウラーは通常、ガラス製であり、スクリューキャップまたはパッキン付きの磁器製キャップを備えているため、鮮度を一週間以上にわたって保てる。適切に密閉されたグラウラーでは、他の衛生処理されたボトルと同様に、炭酸化が永久に維持され、ビールが保存される。一部のグラウラーはキャップに弁が備えられており、貯蔵時に失われる二酸化炭素の交換を可能にしている。最近のガラス製グラウラーは、ワイオミング州ウィルソンにあるオットー・ブラザーズ・ブルーイング・カンパニー(現社名はグランドティトン・ブルーイング)のチャーリー・オットーとアーニー・オットーが1989年に初めて導入した[6]。
グラウラーで最も人気のある色は、琥珀(茶系の色)と透明(「フリント」と呼ばれることが多い)の2色である。透明なグラウラーは、琥珀色のグラウラーよりも25%から35%程度安い場合が多い。グラウラーにおいて最も一般的な持ち手はガラス製の持ち手だが、より装飾性の高い金属製の持ち手も見られる。グラウラーの中には、持ち手のないものもある。これは特に、グロールシュ方式のスイングトップを備えた64米液量オンス未満の容量のグラウラーで一般的である[7]。
アメリカでは、グラウラーは5ドルから30ドル程度で充填できる。初回購入時、多額のデポジットが科される場合がある(強制ではない場合もある)[8][9]。
グラウラーは64 U.S. fl oz (1,892.7 ml; 66.6 imp fl oz)の大きさのものが最も人気だが[要出典]、32米液量オンス(1米クオート。「ハウラー」(恐らく「ハーフ・グラウラー」の略)と呼ばれることもある)、128米液量オンス(1米ガロン)、1-liter (33.8 U.S. fl oz; 35.2 imp fl oz)、2リットルのものもよく見られる。
グラウラーという用語は、恐らく19世紀後半に遡る。当時、ビールは地元のパブから自宅まで亜鉛めっきバケツで運搬された。ビールがパシャパシャ跳ねる時に蓋から炭酸ガスが抜けてゴロゴロ(growl)という音がしたのだという[10]。