グレゴール・エルハルト(Gregor Erhart、1465年ころ生まれ、1540年没)は、ドイツの彫刻家である。南ドイツのアウクスブルクなどで働き、木彫や石彫の作品を制作した。ルーブル美術館に収蔵されている木彫像「マグダラのマリア」の作者として知られている。
南ドイツの帝国自由都市、ウルムで、彫刻家のミヒェル・エルハルト(c.1440/1445-1522)の息子に生まれた。兄弟に彫刻家のベルンハルト・エルハルト(Bernhard Erhart:生没年不詳)がいる。父親の工房で修行した後、1485年頃にはミュンヘン=タルキルヘン(München-Thalkirchen )の教会の仕事をした。1494年から経済的に繁栄していたアウクスブルクに移り、父親の弟子で1490年からアウクスブルクで働いていた彫刻家のアドルフ・ダウヘル(Adolf Dauher : c.1460/1465-1523/1525)と働き[1]、1496年にギルドの親方の権利を取得し、その年、ダウヘルの娘と結婚した。アウクスブルクの教会の祭壇彫刻など多くの注文を受けた。
1531年に工房を息子のパウル・エルハルト(Paul Erhart)に譲った。1540年にアウクスブルクで亡くなった。
現在ルーブル美術館に収蔵されている着色木彫像「マグダラのマリア」は1515年にアウクスブルクのドミニコ修道会教会(Dominikanerkircheのために制作された。
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「慈悲の聖母」(c.1510)
オーストリア、Wallfahrtskirche Frauenstein
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聖ニコラウスと二人の助祭の胸像
Bayerisches Nationalmuseum
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Überlingenの聖ニコラウス聖堂(Münster St.Nikolaus)の祭壇の聖母子
- ^ Auch Folgendes in Baxandall 1984, S. 136ff.
- Gertrud Otto: Erhart, Gregor. In: Neue Deutsche Biographie (NDB). Band 4, Duncker & Humblot, Berlin 1959, ISBN 3-428-00185-0, S. 582 f. (Digitalisat).
- Hans Koepf: Hans Multscher und die Ulmer Plastik. In: Schwäbische Kunstgeschichte. Band 3. Thorbecke, Konstanz 1963, S. 15–20.
- Michael Baxandall: Die Kunst der Bildschnitzer. Tilman Riemenschneider, Veit Stoß und ihre Zeitgenossen. C. H. Beck, München 1984 (Engl. Originalausgabe 1980), ISBN 3-406-52368-4.
- Barbara Maier-Lörcher: Meisterwerke Ulmer Kunst. Ostfildern 2004, ISBN 3-7995-8004-2.
- Manuel Teget-Welz: Ingeniosus Magister – der Augsburger Bildhauer Gregor Erhart. Michael Imhof Verlag, Petersberg 2021 (Studien zur internationalen Architektur- und Kunstgeschichte; 181), ISBN 978-3-7319-0709-1.