コミスブロート(ドイツ語: Kommissbrot、ドイツ語: Kommißbrot)はドイツのパン。
ライ麦粉と小麦粉を用いたパンで、表面は黒く中には気泡がある[1]。「コミス」は「軍隊」の意[1]。日本では「軍隊のパン」[1]「軍隊パン」[2][3]と説明されることもある。
発酵のため酵母とサワー種が添加される。近代以降は、フタが無い長方形の型に発酵を終えた生地を入れ、数多くの型をオーブンの中に並べて一度に焼くことで大量生産が行われた。[要出典]そのため焼き上がったパンの横断面は四角形で、上だけにクラストがある。[要出典]
16世紀頃に従軍する兵士に供給するパンとして用いられていたものが始まり[4]。栄養価が高く日持ちもするパンということで古くから戦地で焼かれていた[1]。第一次世界大戦ごろからは全粒ライ麦粉と小麦粉を使うのが主流となっていた[1]。第一次世界大戦と第二次世界大戦中の食糧不足期には軍隊だけではなく一般市民にも広く食べられていた[1]。当時は、軍の常設ないし仮設のパン工房に加えて、民間のパン業者も製造を行い、保存が効く缶入りの製品もあった。コミスブロートは1斤1.5 kgで、兵士1人の1日分として750 gが支給された。物資不足の際には、生地におがくずを混ぜて増量することも行われた。
第二次世界大戦後はパン屋やスーパーなどでも販売されている[4]。戦後のドイツ連邦軍では、500 g入りのコミスブロートの缶詰のレーションが存在している。
1925年から1928年に製造されていた自動車のハノマーグ 2/10 PS(ハノマーグ)の愛称がコミスブロートであった[2][3]。