概要 | |
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種類 | 警察用回転式拳銃 |
製造国 | アメリカ合衆国 |
設計・製造 | コルト・ファイヤーアームズ |
性能 | |
口径 | .357口径(約9mm) |
使用弾薬 |
.357マグナム弾 .38スペシャル弾 |
装弾数 | 6発 |
作動方式 | ダブルアクション |
全長 | 190mm |
重量 | 992g |
コルト・ローマン (Colt Lawman) は、アメリカの銃器メーカー、コルト社が1960年代に開発した回転式拳銃であり、「コルトMkIIIシリーズ」[1]の一機種である。
本項目ではMk.IIIシリーズの派生型であるコルト・トルーパーと併せて記述する。
コルト社の高級リボルバーとして知られるパイソンとは違い低価格であるが、暴発を防ぐ機構「セーフティ・コネクター」(Mk.Ⅲ)や新型のトリガーメカニズム[2]を導入するなど、内部に関しては改良が加えられている。
「ローマン」( Lawman:法執行人の意)の名が示す通り、警察向けの拳銃として設計されており、従来のコルトリボルバーと比較すると銃身の肉厚が増やされている。弾薬として.357マグナム弾も使用でき、特に2インチモデルは小型でありながらもマグナム弾の発射が可能な拳銃となっている。
バリエーションとしてはエジェクターロッドシュラウドを持たない前期型とシュラウドを持つ後期型がある。1980年代には「ローマンMk.III」は、基本設計はそのままでメカニズムに改良を加えた「Mk.Vシリーズ」に更新され、「ローマンMk.V」となった。
1990年代以降のアメリカにおいては非常にマイナーな機種となっている一方で、日本においては日本の遊戯銃メーカーが製造したモデルガンが1970年代から1980年代の刑事ドラマにおいて多く使用されたため、比較的メディアへの露出度が高い拳銃である。
1953年に発売されたコルト社のマグナムリボルバー。ローマンと同様に当時のコルト社のリボルバーらしく、エジェクターロッドハウジングが無く、サイトはフロントが同様のランプタイプで、リアがアジャスタブルタイプとなっている。グリップはウォールナット製のチェッカードグリップだが、オプションでターゲットグリップも備わっている。.22LR弾に対応するモデルも存在。
2年後の1955年に同社の傑作であるパイソンが登場したため、地味な存在となってしまったが、ローマンMk.IIIの発売と同時期の1969年に、生産性に長けた焼結金属を多用したパーツに加え、スミス&ウェッソン社のS&W M19を思わせるエジェクターロッドハウジングを持ち、グリップ内にコイルトリガースプリング、セーフティ・コネクターを内蔵した「トルーパーMk.III」にリニューアルされたことで、アメリカではある程度の知名度を持つようになった。後に.357マグナム弾を使用する標準モデルの他に、ユーザーからの要望で.22LR弾、.22マグナム弾を使用する派生モデルも製造されるようになった。
1980年代には「Mk.Vシリーズ」に更新され、パイソンを思わせるベンチレイテッドリブを持ち、トリガーフィーリング向上のためにトリガーメカニズムをショートアクションタイプとした「トルーパーMk.V」となった。このトルーパーMk.Vの銃表面のバフ磨き鏡面仕上げを省略した廉価版として「ピースキーパー」も作られたが、数年後には同社のキングコブラやアナコンダにとって代わられることとなった。
ローマンは日本のトイガンメーカー大手であるMGCからモデルガンが発売されており、この製品はモデルガンの中でも作動が安定していたことと、当時の日本でモデルガン化されていたリボルバーの中では数少ない短銃身タイプ[3]が充実していた製品であったことから、日本の刑事ドラマではコルト.32オート、および.32オートをモデルとした“日活コルト”と並んで多く登場する拳銃である。
ただし、製造国であるアメリカにおいてもマイナーな機種ということもあって、日本国外の作品にはほとんど登場していない。