サージェント・ペットサウンズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

『サージェント・ペットサウンズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
クレイトン・カウンツ英語版The Beachlesリミックス・アルバム
リリース
ジャンル サイケデリア
時間
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サージェント・ペットサウンズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(Sgt. Petsound's Lonely Hearts Club Band)は、クレイトン・カウンツ英語版リミックス・アルバムビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』とザ・ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』を楽曲ごとにマッシュアップした作品で、パッケージ上では「The Beachles」(ザ・ビーチルズ)という名義が使用されている。

背景

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ザ・ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』の発売40周年を迎えた2006年、クレイトン・カウンツ英語版が自身のブログ上で『サージェント・ペットサウンズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』を公開[1]。本作は、ビートルズのアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』とザ・ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』からボーカルとインストゥルメンタルのトラックを抜き出し、それぞれの収録曲ごとにマッシュアップした作品となっている[2]

9月8日頃、カウンツはEMIの弁護士から本作の配信に関する停止命令を受ける[3][注釈 1]。カウンツのブログによると、レーベル側は多数の停止通知書を送っていて、その中で「ビーチルズのマッシュアップ作品およびその他のマッシュアップ作品の配信停止」「現時点でのマッシュアップ作品に関する情報(ダウンロードやストリーミングが行なわれた日時、ダウンロード回数およびストリーミング再生数、ダウンロードおよびストリーミング再生した人物のIPアドレス)の提示」を要求されたとのこと[4][5][6]。カウンツはマッシュアップ作品の削除を行なったが、IPアドレスの提示を拒否[7][4]。また、ブログ上で「BOYCOTT EMI / CAPITOL RECORDINGS!」と題した反論を行ない、「Fuck EMI.」と題した新曲の配信を開始[4]

カウンツは、停止命令を受けて以降も、トラッカーサイト「isoHunt」へのリンクをアルバムのダウンロードを行えるサイトとして提示していた[注釈 2][4]

評価

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EW.com』のゲイリー・ズースマンは、マッシュアップにあたり楽曲どうしのリズムやキーを揃えようとしていないことを引き合いに、「出来上がった作品は、難解でフリー・ジャズのようなクオリティで、(オリジナルの2作品による音の実験に対する敬意を表しているという点で)啓発的かつ頭痛のするようなものになっている。とにかく、一聴の価値あり」と評した[1]

『Musictimes.com』のライアン・ブックは、本作について「クレイトン・カウンツは楽曲ごとにマッシュアップするプロジェクトに取り組み、『God Only Knows What I'd Be Within You』のような恐ろしい変異体を生み出した。しかしまじめな話、これは最も挑戦的なアルバムで、それはおそらくカウンツが他のアーティストよりも厳しい制限を自身に設けていたからだろう」と述べている[9]

Boing Boing』のコリイ・ドクトロウは、本作について「ザ・ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンド』とビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』をマッシュアップしたノイズ・アルバム」と表現し、「ノイズの大ファンではないが、このアルバムには実に見事な要素がある」と評し、特に好きな曲として10曲目の「Today, Rita」を挙げた[10]

収録曲

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#タイトル作詞作曲・編曲原曲時間
1.Wouldn't Sgt. Petsound Be Nice?  
2.You Still Believe in My Friends  
3.That's Not Lucy  
4.Don't Talk (Get Better)  
5.I'm Fixing It, Dayhole  
6.She's Going Away for Awhile  
7.Being for the Benefit of Sloop John B!  
8.God Only Knows What I'd Be Within You  
9.I Know There're Sixty-Four Answers  
10.Today, Rita  
11.I Just Wasn't Made for Good Mornings  
12.Sgt. Petsound's Lonely Hearts Club Band (Reprieve)  
13.A Day in the Life of Caroline  
14.Runout Groove  Sgt. Pepper Inner Groove」(The Beatles)
合計時間:

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、カウンツはマッシュアップの制作にあたり、EMIに対して使用許諾を求めていた[3]
  2. ^ isoHuntは、2013年にアメリカ映画協会との裁判を経て閉鎖[8]

出典

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  1. ^ a b Susman, Gary (2006年9月5日). “Meet the Beachles”. EW.com. Entertainment Weekly and Time Inc.. 2006年11月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月21日閲覧。
  2. ^ Womack, Kenneth (2009) [2000]. The Cambridge Companion to the Beatles. Cambridge: Cambridge University Press. p. 249. ISBN 978-0-521-86965-2 
  3. ^ a b Plasketes 2010, pp. 209–210.
  4. ^ a b c d The Beachles”. claytoncounts.com. 2022年12月22日閲覧。
  5. ^ EMI wants millions and your IP address in revenge for Beachles”. Boing Boing. Happy Mutants LLC. (2006年9月8日). 2006年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月22日閲覧。
  6. ^ Plasketes 2010, p. 209.
  7. ^ Salas, Randy A. (September 26, 2006). “Sites told to cease and desist”. Minneapolis-Star Tribune (Minneapolis, Minnesota: Star Tribune Media Company): p. 2E 
  8. ^ Van der Sar, Ernesto (2013年10月17日). “isoHunt Shuts Down After $110 Million Settlement With The MPAA”. TorrentFreak. TF Publishing. 2022年12月22日閲覧。
  9. ^ Book, Ryan (2014年8月22日). “5 Odd Beatles Tributes to 'Celebrate' 50 Years of 'The Chipmunks Sing The Beatles Hits'”. Musictimes.com. Music Times. 2022年12月22日閲覧。
  10. ^ Doctorow, Cory (2006年9月3日). “Beachles: Noise mashup of Beatles and Beach Boys”. Boing Boing. San Francisco, California: Happy Mutants LLC. 2022年12月22日閲覧。

参考文献

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  • Plasketes, George (2010). Play it Again: Cover Songs in Popular Music. Routledge. ISBN 0754668096