シスター(メァリー)ジョセフの小結節(シスター・メアリー・ジョセフのしょうけっせつ, 英 Sister Mary Joseph's nodule; SMJN)または結節(node)は、内臓悪性腫瘍の転移により臍に出現する結節のこと。予後不良のことが多い。この名称は発見者の看護師の名前に由来する。彼女はミネソタ州のメイヨー・クリニックの前身のSt.Mary病院の看護婦であったがこのことを外科医William Warrall Mayo の注意を惹き、発見者の名称が残った。具体的には、臍に現れる癌(胃、胆嚢、回腸、虫垂、卵巣、子宮、リンパ腫などの)からの血行性、経残遺靭帯性、直接浸潤性転移による小結節をいう。
日本語でも論文中にはSister Joseph nodule(node)またはSister Mary Joseph nodule(node)と書くのが普通である。William Mayoは1928年に "pants button umbilicus"と表現したが、1949年に Hamilton Baileyの"Physical Signs in Clinical Surgery"という本の中に"Sister Joseph nodule"と彼女の名前が入った名称を作った。[4]
1856年ニューヨーク州生まれ。1878年にミネソタ州ロチェスターの聖フランシス修道会に入り、ここでトレーニングを受け、St.Mary病院(メイヨー・クリニックの前身)に勤務、1939年に亡くなるまで働いた。外科医 William Mayo の信頼も厚く1890-1915まで彼の助手を勤めた。彼女は臍の変化に注目し、これが見られると胃癌で多く死亡すると進言していた。彼女の俗名はJulia Dempseyといい、アイルランド系である。Josephは修道名であり、男性も女性もあることから、Sisterを付けるのが普通である。[5] 1906年に、看護学校の校長になっている。彼女は管理的才能もあり、彼女を記念して、一つの建物は"Joseph Building" となっている。