シニアタウン(Senior Town)、リタイアメント・コミュニティ(Retirement community)とは、高齢者が集まって街を形成し暮らすコミュニティのことをいう。
主に55歳以上であって健康かつ活動的な人たちが集まって、新たな高齢者だけの街を形成するものである。日本では街の形成はまだまだ珍しく、マスターズマンションあるいは高齢者専用賃貸住宅、老人アパートなどでの小規模な試みが中心であるが、近年になって、2007年以降の団塊の世代の大量退職を控え、今後どのように定年を迎え、定年後の人生をどう過ごすかが大きな問題となっており、その意味ではシニアタウンは大きな注目を集めている。
新たに造られる街は、現存する市街地から離れた土地を開発する事例が数多く見受けられ、文化・娯楽施設や病院、公園などを揃え、独立した街の機能を備えたケースもある。
アメリカ合衆国では、1960年以降これまで約2,000ヶ所の街が新たに建設され、人口数万人規模の「退職者の村」はよく知られた存在になっている。
なお、アメリカ合衆国では、「アクティブ・リタイアメント・コミュニティ(active-retirement-community)」や「シニア・コミュニティ(senior-community)」「コンティニュイング・ケア・リタイアメント・コミュニティ(Continuing Care Retirement Communities)」などと呼ばれるものがある。前期高齢者は高齢者用の戸建て住宅に住んでレジャーを楽しみ、後期高齢者は医療のバックアップのある高齢者向け集合住宅で生活支援等を受ける傾向にある。アメリカ合衆国では家の住み替え制度が非常に進んでいる。高齢者は上記のコミュニティから、自分のライフステージに合うものを選択し住み替えていくことが普及している。