シャプカ(ロシア語: Шапка)はロシアの伝統的な民族衣装に属する帽子である。(ただしロシア語では帽子の総称としてシャプカという語を用いる場合があり[1]、類似の帽子については関連項目を参照。本頁では元来のシャプカについて述べる。)
形状は、高さ約7ヴェルショーク(ru)(30cm強[注 1])の円錐形であり、毛皮製の、約2ヴェルショーク(約9cm)の幅の縁取りが側面下部を巻くようにとりつけられている。突き出たつばや、ウシャンカのような耳当ては有しない。縁取りの前面部分(時には後頭部側にも)にはスリットが入れられる。頭頂部は天を指すのみではなく、側面に向けて折り曲げることもある。
シャプカという名称は、古フランス語:chapel、chape、ラテン語: cappa、ポーランド語: czapkaなどに由来するとみなされている[1]。名称の文献上の初出は、1327年から1328年の、モスクワ大公イヴァン1世による聖職者に関する勅令の中の記述である。ただしズブルチの偶像[注 2]の頭部の彫刻から、出現時期は9世紀頃にまでさかのぼるとみられる。シャプカはあらゆる社会層の間に広く普及した。
歴史上のシャプカ